7月8日、BiSの解散ライブ<BiSなりの武道館>が横浜アリーナにて開催された。

◆<BiSなりの武道館>画像

そもそもプー・ルイが日本武道館にて開催されたモーニング娘。高橋愛の卒業公演を観て、「BiSも人気絶頂の時に武道館で解散させる」と、目標を立てて活動してきたことから始まるBiSの武道館公演での解散というストーリー。ところが、彼女たちがこれまで行なってきた様々な活動(ハグチェキ会、ちゅ~会、全裸PV、ハメ撮りPVなど)から「公演する資格がない」という理由によって武道館公演は断念せざるを得なかった。しかし、武道館よりもキャパの小さな会場での解散は、不可能に挑み続けたBiSの最後として、本人たちもファンも納得がいかない。ということで、横浜アリーナ公演が実現した。

一方、ライブを前にチケットが1万枚余っているということから、7月2日に都内にて「最後のお願い」をして回ったBiS。その結果か、この日の横浜アリーナには8000人の研究員(ファン)が大集結。横浜アリーナのキャパは1万2000~3000ということで、さすがにこれには足りなかったものの、とはいえアリーナ後方まで若干の余裕を含んでぎっしりとなっていた。

開演前のアナウンスで、最前列の超絶プレミアムチケット(10万円)の人のみモッシュなど可と、貧富の差を存分に見せつけた公演(もっとも、貧乏人チケットの人はチャラいお兄さんがチケットをもぎってくれる+バナナトラップがある動線を通らないといけないなど、貧富の差は入場時から見せつけられていたのだが)は、彼女たちの代表曲「nerve」からスタート。プー・ルイ、ヒラノノゾミ、カミヤサキ、テンテンコ、ファーストサマーウイカ、コショージメグミの現メンバーに加えて、ナカヤマユキコ、ヨコヤマリナ、ミチバヤシリオのOGメンバーもステージに。ドリームBiSともいえる9人でのパフォーマンスに、研究員は一気に沸き上がって渾身のエヴィゾリをキメ続けた。

BiSメンバーが一度ステージを降りて、代わりにマネージャー・渡辺淳之介とサウンドプロデュースをしている松隈ケンタがステージへ。足踏みとグラップで客席を煽るが、「お前ら全然そろわないじゃねーか! 距離があるとそろわないんだね。」と、想定外の展開に苦笑い。それでも「気持ちを合わせれば距離を超越する」という謎の説得力で8000人のリズムを合わせて、そのまま「We Will Rock You」の大合唱。しかし何のために「We Will Rock You」だったのかは正直よくわからない。多分、歌いたかったのだろう。

グループの歴史を振り返るオープニングムービーから、再びBiSのメンバーがステージイン。ここからは、MC一切なしの全48曲を3時間半にわたって一気に歌いきるという過酷なBiS解散ライブに突入する。

制作費の都合もあり、映像を映し出す大型モニターと大きなSOSボタンが置かれただけのステージ。ならば研究員ひとりひとりがその場でセットを作ればよい。そんなオーディエンスたちの熱狂した光景が広がっていく。エモいと言われた彼女たちのライブは、実際のところ、そのエモさの大半を作り上げていたのが研究員のひとりひとりだったというのをあらためて感じさせる。一方、「nerve」で登場した元BiSの3人も、公演中はスタッフエリアでステージ上の6人を見つめながらノリノリ。途中、プー・ルイの「おっぱい」コールに爆笑するなどお祭り状態だ。

「FiNAL DANCE」「プライマル。」「STUPiG」「BiSimulation」など、最後となったベストアルバム『うりゃおい!!!』に再レコーディングされて収録された楽曲も含めて、BiSは立て続けに披露し続ける。そんな彼女たちの最初のSOSボタン発動は、19曲目「デモサヨナラ」後だった。ヒラノノゾミとテンテンコがたまらずSOSボタンに飛びつく。スモーク&アラームとともにステージは暗転し、3分のカウントダウンと「休憩中」の表示に切り替わる。これまで歌い続けてきたメンバーは一斉に飲み物に手を出し、そしてステージ上に座り込む。もちろん、最前の超絶プレミアムチケットの研究員に手を振って応えることは忘れない。

3分のインターバルの後は、「IDOL is DEAD」から再び怒涛の展開が続く。「PPCC」「survival dAnce ~no no cry more~」、そして「primal.」。「ウサギプラネット」では、研究員もウサギになってステージ前方で輪を作りながら跳ぶ。さっきまでスタッフエリアで元気に踊り続けていたナカヤマユキコも、この瞬間を目の当たりにして、思わず溢れ出る涙を拭う。さらに昨今のCHAGE and ASKA作品自粛ムードをもお構いなしに「YAH YAH YAH」へ。このタイミングで、横浜アリーナの8000人が一斉に拳を突き上げて「YAH YAH YAH」を歌い叫ぶ瞬間を作り出せたのは、それがBiSだったから。これだけは間違いない事実である。

「太陽のじゅもん」「ONE DAY」「BiS」「レリビ」など、後半になるほど切なさが込み上げてくる、BiSの約3年半の活動を辿るようなセットリスト。それでも彼女たちは歌い続けることを止めない。<いかなくちゃ 輝くあの世界に>と、それは最後の瞬間の輝きを目指すかのように。

日本のアイドルシーンに衝撃を与え続けてきたBiSのラストを飾ったのは、6人での「nerve」。日本エヴィゾリ化計画の最終ミッションともいえるような、横浜アリーナが総エヴィゾリ化。そんな光景だけを残して、30分押しで始まったBiS解散ライブは、21時37分、こうして幕を下ろしたのだった。

……が、しかし、最後にマネージャー・渡辺淳之介からメンバーの今後の活動について報告がなされる。プー・ルイはLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANとして活動。ヒラノノゾミとファーストサマーウイカはNIGO(R)と渡辺淳之介プロデュースでユニット・BILLIE IDLE(ビリー・アイドル)結成。カミヤサキはいずこねこ茉里とアイドルユニット・プラニメを結成し、この秋、T-Palette RecordsからCDデビュー。テンテンコはフリーとして活動。コショージメグミはサクライケンタプロデュースでbook house girl(仮)としてこの秋から活動を開始する。

そしてさらに、<元BiSなりのワンマンライブ>も決定。2014年7月9日(つまり解散翌日)、下北沢シェルターにて18時開場 / 19時開宴。飲み放題食べ放題で参加費は3万円とのこと。チケットは7月9日朝10時から発売開始となる。

text by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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