【ライヴレポート】vistlip、7つのニュースが発表された7周年ツアーファイナル「この日を迎えられたことは奇跡みたいなもの」

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Zepp Tokyoはソールドアウト。きっとチケットを買えない人もたくさんいたのだろう。文字どおり、ぎっしり満員のフロアーがそのことを物語っていた。

◆vistlip~拡大画像~

4月にリリースされたシングル「Period」が自己最高のオリコンウィークリーチャート9位にランクインし、充実の結成7周年を迎えたvistlip。毎年、恒例のアニヴァーサリーライブであり、各地を精力的に廻ってきたツアー〈Good vibes CIRCUITⅡ〉のファイナル公演が7月7日、七夕に行なわれた。

場内の温度が早くも熱気で上昇する中、ステージのLEDモニターにゲーム仕立ての映像が映し出されると大歓声。5人の顔がクリックされると順番にメンバーが登場し、ニューシングル「Jack」のMV映像の断片が流れるスペシャルな演出とともにライブは幕を開けた。

オープニングナンバーはいきなり攻めの姿勢の攻撃的なナンバー「Prey Shadow」だ。智のヴォーカルは線が太くなり、Yuh、海、瑠伊、Tohyaの楽器陣の出す音は重低音が強化され、爆発力を増している。2013年にスタートした<Good vibes CIRCUIT>はバンドのターニングポイントとなるライヴで、自分たちで機材の搬入も行い、衣装もセットリストも決め事なし、

縛りを解くことによってvistlipの最もコアな部分を浮き上がらせるツアーであった。2回目となる今回のツアー、そして、MUCC主催のライブイベントに出演して鍛えられた経験はしっかりとステージに反映されていた。

「瞳孔」、「GLOSTER IMAGE」などラウドなナンバーがたて続けに放たれ、海のラップと智のボーカルのかけあいも刺激的。6周年ライブと比べても格段にパワーアップした演奏、パフォーマンスが繰り広げられていく。

「これだけの人が集まってくれて今日はソールドです。みんながここまで支えてくれたおかげです。ありがとうございます」

智が感謝の言葉を伝え、「android’s dream」と「aquamarine」ではバイオリニストを呼びこみ、この日ならではのヴァージョンを披露するサプライズも。激しい曲であっても透明感と空間の広がりを感じさせる曲であっても、vistlipの楽曲はメロディが際立っている。個人的には静と動のコントラストが彼らの魅力だと思っているので、このセクションは新鮮だった。

そして中盤のTohyaのドラムソロコーナーでは、ドラムを叩いた後に持ち前のサービス精神を発揮。アフロのカツラにアロハシャツ姿のあやしげなDJという設定で、ステージセンターでラップを披露し、途中で智も乱入(?)。アフロダンサーまで飛び出すはじけっぷりで場内を沸かせた。このTohyaのミニワンマンショーは恒例になりつつあるのだが、智によると「誰にも相談せず、ひとりで考えて全国違うネタでやってきました」とのこと。さすがvistlip唯一のお祭り男である。

このあとは全国で披露してきたという8月20日にリリースされるニューシングルのタイトルチューン「Jack」を演奏。疾走感のあるギターサウンドと突き抜ける清涼感のあるメロディはvistlipの王道であり、進化系だ。声そのものに色気のある智のボーカル、Yuhの速弾きを混じえたギターソロもこの曲の魅力を加速させていく。

ライブは再び、後半に向かって加速していった。ぎゅうぎゅうの状況のため、踊る隙間はないがハンドクラッピングで盛り上がった「Pave au chocolat」、智が「オマエらの最高の声を聞かせてくれよ!」と煽った「Dead Cherry」、7年前の原点のナンバー「EDY」。vistlipのライブヒストリーを彩ってきたナンバーが次々に放たれていき、「深海魚の夢は所詮、」ではOiコールの嵐。おもしろキャラながら力強いビートを叩き出すTohya、メロディアスでメリハリのあるプレイと華のあるパフォーマンスで魅きつける瑠伊、ギタリストでありながらラッパーであるライヴの火付け役の海、テクニカルなプレイでギターキッズの視線も集めるYuh、フロントマンにふさわしいオーラと確固とした詞の世界観を持つ智。5人の色や役割がよりクッキリ分かれてきたのもここ最近の変化だろう。ラストナンバー「LION HEART」まで彼らはオーディエンスと共に熱いライブを駆け抜けていった。

アンコールで「Sara」を演奏し、「七夕といえば、この曲ですが……今年もやっぱり曇ってしまいましたね(笑)。でも、この会場で俺たちと会えていることが天の川とつながっていることになるんじゃないかと思います。みんなの願いが叶いますように」と贈られた曲は名曲「-OZONE-」。ゴールドのテープが彼らの誕生日を祝福するかのように降り注いだ。

Zepp Tokyoを終始、満たしていたポジティブな空気。その理由は最後の智のMCで明らかになった。

「7周年をこうして迎えられたことは奇跡みたいなものだなと思います。俺も気持ちが途切れそうになることもありました。でも、アルバム『CHRONUS』を作って、メンバーとの仲もどんどん深くなっていって、ツアーを廻ってファンと共にさらにいいものにさせていって、ホントに俺たちが変わるキッカケがアルバムとツアーだったんです。心配している人もいただろうから、ちゃんと言っておくと、このステージを捨てる気持ちは微塵もありません」

サポートしてきたオーディエンスからの温かい拍手と歓声。メンバー、ファン、スタッフ、関係者。すべての人に感謝の言葉を述べ、「こんな日にはこの曲が意味があるんです」と最後に7月7日の記念日だけに演奏される「July Ⅶth【Re:birth】でライブは幕を閉じた。


終演後は「今日はジャンプしたい気分です」とみんなで手をつないでジャンプ。「みんなとずっと一緒にいられますように」と七夕の願いを伝えた。

メンバーがステージを去った後、スクリーンに映し出されたのは来春のフルアルバム発表やダウトとの2マンライブ、7周年ツアーをふくむ7つのお知らせ「vistlip Ⅶth Anniversary Project SUPER NOVA」。ラッキー7を味方につけてvistlipは2014年をフルスロットルで駆け抜けていく。

取材・文●山本弘子

<vistlip VIIth Anniversary Project SUPER NOVA>
The 1st NOVA
13th Single 「Jack」発売決定

The 2nd NOVA
今冬ライブDVD発売決定

The 3rd NOVA
来春フルアルバム発売決定

The 4th NOVA
9/22(月) 2マンライブ決定
[RED CARPET]“VS ダウト!”

The 5th NOVA
6年ぶり主催ライブ決定

The 6th NOVA
VIIth Anniversary tour“Progressive Jack Pot”決定
10.11(Sat) 福岡DRUM LOGOS
10.18(Sat) 金沢EIGHT HALL
10.19(Sun) 仙台RENSA
11.8(Sat) 札幌PENNY LANE24
11.23(Sun) 大阪IMP HALL
11.24(Mon) 名古屋DIAMOND HALL
12.21(Sun) TOKYO DOME CITY HALL

The 7th NOVA
Coming Soon!

◆vistlip オフィシャル・サイト
◆BARKS ヴィジュアル系&VROCKチャンネル「VARKS」
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