【ライヴレポート】geek sleep sheep、洋楽カバー含む主催イベントで「オリジナルの新曲も増えている」

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MO'SOME TONEBENDERのkazuhiro momo(G&Vo)、凛として時雨の345(B&Vo)、そしてL’Arc~en~Cielのyukihiro(Dr)からなる3ピースバンドgeek sleep sheepが7月19日、主催企画ライヴ<geeks vol.2>を開催した。5月9日に行われた<geeks vol.1>から約2ヶ月ぶり、会場も渋谷CLUB QUATTROからRIQUIDROOMに移してのイベントは、ゲストも演奏曲も実にバラエティに富んだもの。そのレポートをお届けしたい。

◆geek sleep sheep 拡大画像

<geeks vol.1>は、geek sleep sheepのステージほか、Klan AileenのライヴアクトやFREE THROWによるVJで構成されたイベントだった。その第二弾となる<geeks vol.2>は、geek sleep sheepがオリジナル曲を演奏するステージに加え、カバー曲のみを演奏する2ステージが行なわれることが事前アナウンスされていた。このカバーブロックのゲストとしてハルカトミユキとナカコーが参加するほか、ハルカトミユキのライヴアクトとナカコーのDJタイムも用意されている。結論からいえば、非常に異色な、かつ興味深いラインナップに加え、geek sleep sheepが2ステージを行い、その間にゲストが登場するというやや異例な構成には、予定調和を嫌う彼らなりのこだわりが見て取れた。

ライヴアクト開始前の会場では、ナカコーによるDJが観客を出迎える。そしてオープニングを飾ったのはgeek sleep sheepがカバー曲ばかりを演奏するコーナーだ。これまでにもザ・スマッシング・パンプキンズ、デイジー・チェインソー、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ワム!、ピクシーズなどなど、3人の趣味性を反映しつつも実にバラエティに富んだカバーを演奏してきたのは、よく知られるところだろう。今回演奏されたのはザ・ヴァセリンズの「モリーズ・リップス」、ハルカトミユキを交えていつもの演奏とはまた違う風合いとなった「SINCE YESTERDAY」(ストロベリー・スウィッチブレイドのカバー)、ラヴ・アンド・ロケッツの「モーターサイクル」、レディオヘッドの「ポップ・イズ・デッド」、そしてナカコーがギター&リード・ヴォーカルで加わった「ゼア・シー・ゴーズ」(ザ・ラーズ)という80~90年代にかけての名曲全5曲。1曲ごとにmomoと345が軽妙な掛け合いで楽曲を解説しながらの、比較的リラックスした雰囲気で進行していくなか、圧倒的なヘヴィグルーヴでフロアをヒートアップさせた「モーターサイクル」が前半のハイライトだったと言える。

続いて登場したのがハルカトミユキだ。ヴォーカル&アコースティック・ギターのハルカとキーボード&コーラスのミユキによるたった2人だけのストイックな演奏だが、心を射抜く言葉とシンプルながら実に豊かなメロディで、その歌が持つ独特の説得力は確実にリキッドルームのオーディエンスにも響いていたのではないだろうか。後のgeek sleep sheepによるステージで、345が「タイプです」と彼女たちの音楽性に最大限の賛辞を贈っていたことも印象に残る。

ギター・ロックを中心にノイズやエレクトロなども織り交ぜ、らしさを感じさせたナカコーのDJに続いて、ステージにgeek sleep sheepが再び登場。この本編ではバンドのオリジナル曲のみが演奏された。

変則的なリズムを軽快なグルーヴ感で聴かせる「GOHAN」でライヴはスタート。ファンシーなリリックとシンガロングなコーラスが印象的な「SANPO」で会場の空気も熱気を帯びていく。345とyukihiroが手掛けたオルタナティヴな色彩の強い「Last Scene」に続いて演奏されたのは新曲「Kakurenbo」だ。同曲は1月に行われたワンマンライヴでも披露されていた。たおやかなメロディが印象的なミドル・テンポのナンバーだが、yukihiroの手数の多いドラミングがいいスパイスになっており、楽曲をより個性的なものに仕上げている。

ネオアコからシューゲイザーあたりの空気感をストレートに表現してみせた「Weekend Parade」、そしてトリッキーな変拍子リフを効果的に使い、ニューウェイヴ的な香りが濃厚に漂う「Strange Circus」を畳み掛けていく。momoの詩人としてのユニークな感性も印象的なバンドのテーマ曲とも言える「hitsuji」、アルバムでもラストを飾っていた重厚な余韻を残す「Daydream」と全8曲を演奏して約2時間半にわたるイベントが終了した。

ゲストを交えた企画ライヴということもあって、オリジナルのgeek sleep sheepを見るには腹八分目といったところもなきにしもあらずだったが、カバー曲など、これまでのライヴでは聴けなかった楽曲が数多く演奏されたこともあって、総じて非常に満足度が高いイベントだったと言える。3人それぞれにメインで活動しているバンドがあるだけにサイドプロジェクト的に見える部分もあるのかもしれないが、キャリアも実力もある3人ということもあって、geek sleep sheepならではの、この3人でしかなし得ない表現にさらに磨きがかけられていたのが印象的だった。彼らの次なるステップに大いに期待を感じさせるパフォーマンスだったのは言うまでもない。

演奏終了後のMCでもアナウンスされていたとおり、10月3日には同じく恵比寿リキッドルームにて、久々のワンマンライヴ<confusion bedroom vol.3>の開催が決定している。momo曰く、「オリジナルの新曲も増えている」とのことなので、また新たなフェイズに向かうgeek sleep sheepのサウンドをたっぷり聴けることになりそうだ。

撮影◎河本悠貴


■<geek sleep sheep presents「confusion bedroom vol.3」>
2014年10月3日(金) LIQUIDROOM
OPEN / 18:30 START / 19:30 
All standing ¥4,300 (tax in) +drink ¥500
チケット一般発売:2014年8月16日(土)
チケットぴあ 0570-02-9999
ローソンチケット 0570-084-003
イープラス http://eplus.jp
[問]DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)

[オフィシャル先行<GET TICKET受付>]※本受付は先着となります。
受付URL:http://www.getticket.jp/g?t=gcxunpc ※PC・モバイル共通
受付期間: 2014年7月19日(土)22:00~2014年7月27日(日)23:59
・1回のお申し込みにつきお1人様4枚まで。
・本受付は先着となり、規定枚数になり次第終了致します。
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00-19:00)

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