【インタビュー】the brilliant green、セルフカバーベスト発表「ブレな過ぎだろオレ、みたいな」
■気怠さが削れるとなんか自分は違うのかなって
■まあ実際いつも身体がだるいんですけど(笑)
──続いて、『THE SWINGIN' SIXTIES』のボーカルについてお聞きします。先ほどおっしゃっていたように、歌録りが始まったら楽しくなったんですね?
川瀬:はい。『THE SWINGIN' SIXTIES』は全体的にアレンジがライトなぶん、歌がフィーチャーされた作りになっているんですね。私は自分のことが大好きなので、“自分好き”にはたまらないアルバムだなっていう(笑)。声が主役って感じで嬉しいです(笑)。ただ、オケが薄いので歌がゴマカせないから、しっかり歌いました。原曲の歌も一応聴いたんですけど、すっごいヘタなんですよね(笑)。
──そんなことはないです。
川瀬:いや、ビックリするくらいヘタでした(笑)。それに、当時は今みたいにトラックの編集とか修正技術が進んでなくて。パンチインしたところに、ブツッってノイズが入っていたりしているんですよ。すごく雑(笑)。歌だけのトラックなんて絶対に公表できないくらいに、メッチャつないでます!ということが分かるんです。アナログレコーディングで音が曖昧だから、バックの音に混ざると聞こえないですけどね。今回はバックのサウンドがシンプルで、歌がはっきり聴こえるし、安易にピッチをキレイに直したりすると声質がおかしくなるから、そういうことはしたくなかった。だから、しっかり歌うことを心がけました。強弱とかしっかり歌わないと、成り立たないというのもあったし。オリジナルと同じ感じでさらっと歌ったのを聴いたとき、“なにこれ? 歌のヘタさが際立つアレンジは困るんだけど。やばいな”って思ったんですね。それで、ちょっとメリハリをつける歌い方に変えてみたり、アレンジを聴きながら声の強弱を調整しつつ進めました。
──歌の温度感や抑揚が絶妙です。
川瀬:ありがとうございます。今回はちゃんと間が持つようにというか、空間が埋まるように計算して歌ってみたので、そういうつもりで聴いてもらうと、なるほどね、と感じてもらえるかもしれない。
──今回のアルバムで、歌唱面で特に印象の強い曲をあげるとしたら?
川瀬:「Hello Another Way –それぞれの場所–」のAメロはすごく良かったですね。私、AメロとかBメロが得意なんです。音程が低いから(笑)。
──たしかに、ローボイスを多用していることは特徴のひとつになっていますね。
川瀬:そう。低い音域はとにかく出るんです。でも、高い音域はたかだかC音を出すのに抵抗があるというか、気持ちが負けるんです。苦手意識が強い。言っておくと、C音も必ず出るんですよ(笑)。専門の人が言ってたんですけど、下の音域が出る人は、高い声も必ず出るらしいんですよね。音域が広いはずだって。だから、私なんかはちゃんとトレーニングしたら、すごくいけるらしいんです(笑)。
──でも、トレーニングとかはしたくないと(笑)?
川瀬:トレーニングしたら、歌の方向性が変わってくる気がするんですよね。だから、ボーカルトレーニングを勧められたときにも先生がわざわざ会いにきてくれたんだけど、ヨガをやったり、マッサージしてくれたり、楽しくお話したりしてただけ。でも、凝り性だから、もしかしたらニューヨークとかに行っちゃって、ダンスレッスンとかも受けるような人になっていたかも(笑)。
──想像しづらいです(笑)。たしかに川瀬さんの歌は熱くないことも魅力になっています。
川瀬:体力も元気もないから(笑)。それもトレーナーに説明してもらって、はっきりしていることなんですけど。私のボーカルスタイルは、“自由さがとても素敵だから、体力をつけることをがんばれたら、もっと楽に声が出るようになるかも”ってアドバイスをくれたり。私はもともと声帯も強いらしいんです。それに肺活量もメチャクチャあるんですよ。声帯がしっかりしていて、喉が強くて、肺活量もあるんだけど、体力だけがウィークポイント(笑)。身体的には歌に向いているし、恵まれているけど、努力をしないので。目標を持った途端、逃げ出したくなっちゃう。性格的な問題も大きいのかな。でも、努力すると、さっき言ったみたいにジャンルが変わっていっちゃいそうで(笑)。気怠さが削れるとなんか自分は違うのかなって思う。まあ実際いつも身体がだるいんですけど(笑)。
──今回のボーカルは、より大人っぽさや洋楽的な匂いが増していて惹き込まれました。良質なボーカルアルバムという位置づけの、オリジナルとはまた異なる魅力を持った作品になっていると思います。
川瀬:自分の中でもオリジナルとは別ものという感覚があって。たしかに『THE SWINGIN' SIXTIES』は、歌を聴いてもらう作品という意識で取り組んだので、そういう風に感じてもらえたなら嬉しいです。ただ単に、ライトな感じにリアレンジしただけという風に思われるのは絶対に嫌だったので。
──アルバムを聴けば、そうではないことはすぐに分かると思います。では、15年もメジャーフィールドで歌われてきて、ボーカリストとして自分が変わったなと思うところはありますか?
川瀬:ないです。メンタル面は、“10年以上もなにしてたの?”というくらい変わってない(笑)。ただ、今回はオケが薄いから考えないといけない部分があって、その考えたことを完璧にではないけど、そのまま表現できるようになってきてる印象ではあった。昔は、“こう歌えばいい。こう歌いたい”とイメージはできても、それができたりできなかったりしてイラつくから、もう難しい!とかキーを下げてほしいとか、わがままばかり言ってたんですけどね(笑)。
──最初は作ることに気が進まなかったようですけど、作ったことで得るものがありましたね。このセルフカバーベストアルバム『THE SWINGIN' SIXTIES』は、次にリリースされるであろう最新のthe brilliant greenサウンドをますます期待させるような内容になりましたね。
川瀬:今のところ冬にシングルを出せれば、という感じで制作を進めてます。『THE SWINGIN' SIXTIES』はオリジナルとの差別化を図るため、別物にすることを目指して、努力をして作ったものなので。新しいアルバムに関しては、まだ詳しいことは言えませんけど、曲も含めて激鬱だと思います(笑)。ブリグリらしいと言われるような作品にはなる予定です。楽しみにしていてほしいですね……激鬱に期待しろというのも変な話ですけど(笑)。
取材・文◎村上孝之
■セルフカバーベストアルバム『THE SWINGIN’ SIXTIES』
2014年7月23日(水)発売
WPCL-11718 ¥3,000(税抜)
※初回プレス盤のみ7inchジャケット仕様
1.There will be love there~愛のある場所~
2.冷たい花
3.You & I
4.Rock'n Roll
5.Hello Another Way-それぞれの場所-
6.Stand by me
7.Bye Bye Mr.Mug
8.そのスピードで
9.Blue Daisy
10.長いため息のように
11.A Little World
[CD購入者オリジナル特典]
the brilliant green応援店 オリジナル特典「A Little World」DVD
対象店にて「THE SWINGIN’ SIXTIES」をお買い上げのお客様に先着で特典DVDを差し上げます。特典には数に限りがございます。
対象店:HP参照 http://thebrilliantgreen.info/thebrilliantgreen/
■<the brilliant green self cover best album「THE SWINGIN' SIXTIES」リリース記念トーク&特典お渡しイベント>
【東京会場】
2014年7月27日(日)21:00 START
タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
内容:トーク&特典(B2告知ポスター)お渡し会
参加メンバー:川瀬智子
【大阪会場】
2014年7月24日(木)19:00 START
タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース
内容:トーク&特典(B2告知ポスター)お渡し会
参加メンバー:川瀬智子
※参加方法&詳細はHP参照
■ハイレゾ配信
e-onkyo:http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr825646243877/
mora:http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr825646243877/
■セルフカバーベストアルバム『THE SWINGIN’ SIXTIES』iTunes配信
https://itunes.apple.com/jp/album/id892560218?at=10l6Y8
■ゲームアプリ「jubeat plus」「REFLEC BEAT plus」
<the brilliant greenパック 収録楽曲>
There will be love there~愛のある場所~
そのスピードで
Hello Another Way-それぞれの場所-
Ash Like Snow
<jubeat plusダウンロード>
iPhone:https://itunes.apple.com/jp/app/jubeat-plus/id395192484?mt=8
android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.konami.android.jubeat
Amazon Androidアプリストア:http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00D2PLEK0/ref=mas_pm_jubeat
auスマートパス:http://pass.auone.jp/app/detail?app_id=3293810000003
<REFLEC BEAT plusダウンロード>
iPhone: https://itunes.apple.com/jp/app/reflec-beat-plus/id472140433?mt=8
■<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014>
2014年8月3日(日)茨城県 国営ひたち海浜公園
開場8:00 開演10:30
http://rijfes.jp
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