【イベントレポート】GACKT『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』、必見の歴史ファンタジー

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GACKTオールプロデュースにより、2012年に述べ5万人を動員し大喝采の内に全国4大都市公演を完結させた舞台『MOON SAGA -義経秘伝-』、その続編『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』が2014年8月8日(金)より明治座にて公演となる。

◆『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』画像

7月29日、公演を目前にして舞台稽古の様子と今期公演に登場する新たなヒロインともいえる陽和(ひより)役を務める黒田有彩、初音のお披露目が行われた。

『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』は、GACKTが主演・原作・脚本・演出・音楽を担当する渾身のエンターテイメント作品だ。時は平安後期、争いのない時代を築くために繰り返される争い、戦のない時代を求めて流れる血と悲しみ…愛を貫くための裏切りと闘争を最新のプロジェクションマッピングを駆使して描き出す、GACKTから発せられる歴史ファンタジーだ。

舞台稽古の公開とともに、GACKTは現状をこのように語る。

「ドラマの部分に関しては、かなりいい感じで上がってきていると思います。アクションに関しては……どうでしょうねぇ…。ちょっとここから深夜練が続くんだろうなあ…ていう(笑)。これからきつくなってきますね。せっかく記者会見やったのに、本番までに何人怪我して消えるのかなーとか(笑)、ちょっと心配しますね。僕が消えないようにしなきゃなと思いますが(笑)」

完璧主義者でもあるGACKTだけに妥協は許されないところだろうが、舞台の完成度には大きな手応えを感じていることも伝わってくる。

「実際小説を書いている中で脚本を並行してやらなければいけない作業もあったので、僕自身テンパっちゃって、どっちをやっているのかわからなくなるようなこともあったんですが、舞台は舞台で随分と思いが届けられるものにできたので、小説を読んでから舞台を見てもいいですし、舞台を見てから小説を読んでいただいても楽しいと思います。この脚本では、ここにいるキャラクターの個性をそのまま投影したものになっているので、非常に見応えのある舞台なんじゃないですかね。たくさんのキャストが登場する舞台はよくありますが、なかなか個性立ちすることって難しくって。この舞台は本当にすごく個性立ちしている舞台なので、楽しみにしていただければなと思います」

舞台にはプロジェクションマッピングが効果的に使用されるが、舞台で使うには非常に難しい技法であったようだ。ただしGACKTの構想に、プロジェクションマッピングは欠かせない。

「今回の舞台の中でプロジェクションマッピングを使うというのは以前から決めていたんですけれどど、思った以上に舞台との融合性という面で非常に難しいんですよね。プロジェクションマッピングだけを見せたいのであればできるんですけど、そこに人を乗せる行為をすることによって、人には照明が当たりますから、その照明のが当たったタイミングでプロジェクションマッピングが抜けてしまうというデメリットが存在していて、プロジェクションマッピングと人を混ぜてうまく作り上げていくにはどうしたらいいのか、ということが、ずっと課題になっていました。僕のプロジェクションマッピングというのは、舞台そのものが飛び出す絵本というものをテーマに持っています。なので、背景も全てポップアップする絵本のような作りで仕上がっているので、その中から演者たちが急に動き出して、物語が進んでいくという流れになっています。その要素としてプロジェクションマッピングを使っているということです」

舞台も一般的な平面舞台ではなく、あらゆるところに傾斜が作られ、演者は転げ落ちるように、そこから駆け上って激しいアクションを繰り広げる。立体的な舞台構造がプロジェクションマッピングによる演出をより効果的に加速させるところもポイントだ。非常にダイナミックなビジュアルが展開されるものの、傾斜を転がることで怪我の少ないアクションが取れるという点も、GACKTがプロデュースする気遣いの一面だ。

続編『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』は、2014年8月8日(金)より明治座にて公演スタート、8月1日には原作『MOON SAGA -義経秘伝-』が小説として発売となる。

●「MOON SAGA -義経秘伝-」の世界
人間にはない異能力を持ち、古来より人間から時に神のように崇められ、時に恐れられてきた「物ノ怪」。そして、この物ノ怪と交わり出現した、物ノ怪の血と能力を受け継ぐ人の姿をした者「者ノ不」。「人に非ざる者」という意味からそう呼ばれるこの者ノ不たちは、次第にその数を増やし、持てる特殊な「チカラ」で人間を統治し始める。存在する者ノ不の数だけその類をみせる「チカラ」の前に、人間はただ支配されるがままの存在に成り下がっていた――。
『MOON SAGA ―義経秘伝―第二章』で描く世界に存在する者たちは、「物ノ怪」「者ノ不」「人間」の三つに分けられる。つまりこの物語が描かれる世界は、私たちのよく知る歴史上の人物が「者ノ不」であり、支配階級として世を治めているという世界である。
そしてもうひとつ、この物語のキーワードが“チカラ”だ。存在する者ノ不の数だけあるというこの様々なチカラで、者ノ不たちは世を治めている。この物語の主人公・義経も者ノ不であるがゆえチカラを持っているはずなのだが、その昔、京の五条大橋で弁慶と戦った際に、義経の持つチカラ「百鬼」のあまりの強大さを怖れた弁慶によって、義経は身体の奥深くにそのチカラを封じ込められたという過去がある。周囲の者たちには「まだ何のチカラにも覚醒していない」と思われていた義経。しかし義経自身は、その自らの強大なチカラが解放された時に自我を失って他人を傷つけてしまうことを人知れず怖れていた。その怖れが遂に現実のものとなってしまったのが、前作『MOON SAGA ―義経秘伝―』で描かれた、木曽義仲を死に至らしめた戦いである。

1.GACKTのライフワーク「MOON SAGA」が本格舞台で登場
「MOON SAGA」とは、GACKT最大のヒット曲『ANOTHER WORLD』をきっかけに、GACKTが15年間拘り続け、描き連ねて来た、この世にヴァンパイアを生み出すまでの様々な時代の刹那を描いた物語。楽曲やライブ等、音楽という形式に留まらず、書籍、映画などの様々なアプローチを図り続けて来たプロジェクトでGACKTの代名詞とも言える。約1500年もの時間を経て、随所に「MOON SAGA」の物語に登場する人物やス卜ーリーの1シーンがちりばめられ、散らばったピースを組み合わせる事により、物絡を完成させられる<仮定させられる>というのが、このプロジェクトの特徴。楽曲『MOON』、書籍『MOON CHILD 鎮魂歌【レクイエム】篇』、映画『MOON CHILD』など、ヴァンパイアに関連するワードがあった場合、「MOON SAGA」の一部になることを示している。2015年のLAST VISUALIVE TOURでこの物語の終焉を迎える事を発表しているが、本舞台はその最終章に向けての重要なキーを持つ作品となっている。

2.脚本は全てGACKTの書き下ろし
舞台脚本はGACKT書き下ろしのオリジナル。今回は前作の続編として、前作物語の世界をさらなる高みへ飛躍させる。

3.日本舞台史上最大規模のプロジェクションマッピング演出
演劇、ダンスはもちろんだが、今回はプロジェクションマッピングを大幅に取り入れた演出で、GACKTの独特で妖艶な歴史ファンタジーの世界を具現化。VISUALIVE THEATERとして舞台とエンタテイメントの融合が楽しめる壮大且つ豪快な演出。さらに、伝統を踏まえながらも新たな魅力を創造した舞台装飾と衣装は、小道具に至るまでGACKTの紡ぐ独自の世界を創出。

4.GACKTが描く歴史ファンタジー小説が発売決定
2014年8月1日にこの舞台の原作となった小説が発売される。GACKTが描く、彼ならではの世界観が味わえる新たな義経ストーリーがここに生まれる。ファン必見の初公開オフショットも満載で、GACKTワールド炸裂の一冊。

続編『MOON SAGA -義経秘伝- 第二章』
2014年8月8日(金)より明治座にて公演
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