【ゲリラ豪雨もぶっ飛ばせ!短期集中連載】ジェイクの「よろしくおねがいシマブクロ!!2014」Vol.1

ツイート

ハワイ出身のウクレレ奏者ジェイク・シマブクロ。たった4弦で、ザ・ビートルズからクイーン、ダフト・パンクといったロックはもちろん、クラシック、ジャズ、JーPOP……あらゆる音楽を表現する男。7月のフジロックで始まり、9月のジャパン・ツアーで終わるジェイクの夏を追いかけろ!

◆ジェイク・シマブクロ画像

行って来ました<フジロック・フェスティバル>。ジェイクにとっては3度目となる<フジロック>。出演は7月26日(土)19:10から、今回も前回と同じオレンジ・コート・ステージでしたが、いやぁ、お客さんの数も盛り上がりも前回を遥かに凌ぎました。お天気に恵まれたこともあるでしょう。暑さのため、疲れてその場を動けなかった人もいたようですが、それでもこっちにしてみればラッキー!ひとりでも多くの人にジェイクの音を届けたいという思いは達成されたのです。

▲苗場到着!
▲オアシス・エリアを通ってラジオ番組生出演に向かいます。
▲楽屋でディーン(B)と最終の打ち合わせ
▲たくさん取材もしていただきました
(C)Mitch Ikeda
(C)Mitch Ikeda
普段は“晴れ男”で通っているジェイクですが、フジではなかなかその力が発揮できていませんでした。だから楽屋でも「このまま雨が降りませんように」なんて言っていたのです。そして3度目にして初めての晴れステージ。ステージ上から日本語で「はじめて雨ない。ハワイの天気ね」と話すと大きな拍手が起こりました。よく「ジェイクは日本語できるの?」と聞かれますが、残念ながら「できる」と返事をするのはおこがましい位のレベルです。ハワイで生まれ育った日系五世、書類上はれっきとしたアメリカ人。けれど“血”は純血の日本人。ひらがなの読み書きは、ほぼできます。だから居酒屋に行くと「肉じゃが」は「じゃが」になり、「酢のもの」は「のもの」になります。大好きな「ほっけ」の注文には困りません。…と話がそれましたが、そんな片言の日本語を駆使してMCもがんばりました。

「フジロックに出られることを光栄に思います」と英語で話した後、「この曲をみなさんにささげます」と日本語で言って演奏に入ったのは、「さくら」。ジェイクが弾いているのはウクレレのはずなのに、まるで琴のような音色が山の緑に吸い込まれていきました。「これ、本当にウクレレ?」という驚きの声がどこからか聞こえてきて、思わずニンマリ。続くザ・ビートルズの「イン・マイ・ライフ」でしっとりした雰囲気を作り上げると、今度は一気にスバニッシュ・ギターの情熱を取り込んだオリジナル曲「レッツ・ダンス」。さらには、ルーパーを使用してその場でバックトラックを作りながら曲を完成形にもっていく「ドラゴン」で一気に観客の興奮を煽ります。そして。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を4弦で再現するに至り、観客は水を打ったように静まり返り、緊張と好奇が入り交じった空気がオレンジ・コートを覆いました。それが曲の終盤、『ウェインズ・ワールド』のウェインとガースが頭をぶんぶん振るあたりまでくると、静寂が欠壊し手拍子と歓声に包まれたのでした。

ショウもいよいよ大詰め。「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」は、ご存知、故ジョージ・ハリスンの名曲です。生前のジョージはハワイに別荘を持ち、そこでウクレレをつま弾く時間をこよなく愛していました。ポール・マッカートニーも、ジョージから譲り受けたウクレレを大切にしています。ハワイに魅せられ、ウクレレに魅せられ、自分の死を悟った時には「ハワイで最期を迎えたい」と言ったとも伝えられるジョージ。そんな彼の曲を、ビートルズとジョージのファンであるジェイクが演奏することは、必然だったようにも思えます。そしてこの曲を演奏している動画がyoutubeにあがったことがきっかけで、ジェイクの名前はハワイや日本だけでなく北米や欧州にも知れ渡りました。今から7~8年前の話です。この夜は、ハワイから同行した旧知のミュージシャン仲間ディーン・タバ(B)と熱くグルーヴィなセッションを展開。スリリングな演奏に思わず息を飲んだのは、私だけではないでしょう。

観客と自身の高揚した気持ちを静かにクールダウンさせるがごとく、最後に選んだ曲は「ハレルヤ」。レナード・コーエンによるこれまた名曲ですが、ジェイクはジェフ・バックリィ・バージョンをイメージしてカヴァーしています。シンガーとしてのジェフが大好きなのです。若い頃から超絶テクニックの部分がアピールされてきたジェイクですが、今や30代も半ばを過ぎ、細やかな感情の機微をとらえられるようにもなったことが、こうした静かなエモーショナルをたたえた曲を聴くと、改めてよく分かります。

終演後、ジェイクも大満足。「すごく楽しかった。お客さんも最高!」と笑顔、笑顔。これでまた一層、<フジロック>が好きになりました。そうそう、ミュージシャン楽屋のケータリング(ビュッフェ形式のフード&ドリンク)が充実していて美味しいことにも、ジェイクはじめアメリカ人スタッフ一同大感激していたことを付け加えておきます(笑)。

…と、こんな感じでジェイクの夏を追っかけます。近況報告だけではなく、カバー曲にまつわる秘話や、1番好きな寿司ネタは「えんがわ!」というグルメなジェイクのエピソードなどもお届けしていきたいと思います。どうぞおつきあいのほど、よろしくおねがいシマブクロ!!

●ジェイク・シマブクロ(Jake Shimabukuro)
1976年11月3日、ハワイ州ホノルル生まれ。バンド活動 を経た後ソロに転向、2002年7月ソニー・レコードよりデビュー。ウクレレという楽器の即興性を活かしつつ、あらゆるジャ ンルの音楽を演奏するジェイクの登場は、ウクレレ=ハワイアンという概念を覆した。
2006年映画『フラガール』に提供したオリジナル音楽は、映画同様の高い評価を受けタイトル曲がヒット。近年は、日本や米本土はもとよりカナダ、オーストラリア、香港、台湾、タイなど世界各地で精力的にツアーを実施。2014年9月ジャパン・ツアー実施予定。詳細は日本公式サイトをご覧ください。

日本企画盤『ロック・コレクション』
2014年6月25日発売
SICP-30609 ¥3,000(税込)
1.トーストメーカーズ・リベンジ
2.ウクレレ・ファイヴ・オー
3.ドラゴン(ライブ・バージョン)
4.ビヨンド・ザ・ブレイク
5.ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(ライブ・バージョン)
6.サード・ストリーム
7.ボヘミアン・ラプソディー(ライブ・バージョン)
8.ブリング・ユア・アッズ
9.ファイヴ・ダラーズ・アンレディット(ライブ・バージョン)
10.ゴーイング・トゥ・カリフォルニア
11.ハートビート
12.フラガール
13.オレンジ・ワールド
14.スペイン
15.イクエイター
16.モーニングバード
17.ママ、アイム・カミング・ホーム

◆ジェイクの「よろしくおねがいシマブクロ!!2014」まとめページ
◆ジェイク・シマブクロ日本公式サイト
◆Jake Shimabukuro US Official Site(English)
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス