MUCCが2014年3月より、全55本におよぶライヴプロジェクト<SIX NINE WARS –ぼくらの七ヶ月間戦争->を開催中だ。七ヶ月間連続で毎月異なる全6種類のツアーを各9公演ずつ行なっていくこのプロジェクトは、8月から毎公演ごとにビッグネームを迎えた2マンツアー<Episode 6.「ARMAGEDDON」>へ突入。その第3夜が8月17日、京都KBS HALLで行われた。

◆MUCC×GRANRODEO 拡大画像

第1夜に[Alexandros]、第2夜に氣志團を迎えた同ツアーは、今宵、GRANRODEOが対バン相手となる。前2公演もジャンルの異なるバンドとのステージとなったものの、9公演中、最も意外性の高い対バン相手がGRANRODEOであり、その初共演のニュースは双方のファンに少なからず驚きをもたらしたはずだ。

「どうなるか分からない。一番異色だから」──ミヤ

この日のリハーサル直後、楽屋裏でミヤはBARKS取材班にこう明かしてくれた。そして開演前の会場には、GRANRODEOのTシャツをまとったRODEOBOY & RODEOGIRL(GRANRODEOファン)、MUCCのTシャツに身を包んだ夢烏(ムッカー:MUCCファン)が渾然一体となってひしめき合っている。

ここ京都KBS HALLはオールスタンディングにしてキャパシティ約1400人の会場だ。ZEPPクラスを中心に開催中の<Episode 6.「ARMAGEDDON」>のなかにあっては、決して大きな会場ではない。しかし、MUCCもGRANRODEOも武道館公演をソールドアウトするバンドだけに、チケットは当然即完。プレミアムな一夜を共有する開演前の場内の熱気には凄まじいものがあった。

定刻の17時に場内が暗転すると、赤い照明に照らされてGRANRODEOのメンバーがステージへ姿を現した。SEはなし。気負いのない登場シーンには潔さすら漂う。次の瞬間、e-ZUKAのギターが高らかに鳴り響いた。オープニングナンバーは「GAMBiT」だ。のっけからフルスロットルをかますかのような大音量の疾走感が鼓膜を襲った序盤、続く「カナリヤ」がその勢いを加速させる。

「RODEOBOY! RODEOGIRL! 夢烏! 夢烏、大丈夫!? ムッカ(むか)ついてない……?」というe-ZUKAの最初挨拶が、会場の雰囲気を一気に和やかなものにした。「いい曲が多い、MUCCは。シンパシーを感じますね。メロディーセンスが似てる。昔は昭和歌謡のテイストがあったんでしょ。俺、ギリギリ平成生まれなんで昭和をかじってないんですけど」とジョーク交じりに続けるe-ZUKAのMCに客席から拍手喝采。ヴォーカルのKISHOWも「意外とウケてる。まだスベッてないですよ!」と会場を楽しませるあたりは、さすがのステージ巧者だ。

そしてライヴは、「相手がMUCCだっていうから、今日は俺たちキラーチューンばかり。殺す気で来てるんですけども、先に死んじゃうのドラムのVALさんなんじゃないかな(笑)」というMCの通り、8ビートが軽快に駆け抜ける「RIMFIRE」をはじめ、ヘヴィな音圧が突進する「アウトサイダー」や「ROSE HIP-BULLET」といったテンションの高いナンバーを連発した。中盤になっても怒濤の推進力は衰えるところを知らず、烈しさを増していくばかりだ。

サポートドラマーとベーシストを加えた4ピースとは思えぬほどのパワー感は楽器演奏によるサウンドだけでなく、一音一音、一言一言が突きささるKISHOWのヴォーカルによるところが大きい。圧倒的なパワーで会場の隅々まで響かせる高音域から、身体全体でラウドに轟かせる低音域まで、そのレンジの広さには舌を巻く。声優としても著名なだけに、その声の持つ説得力が会場全体を支配した。もちろん、e-ZUKAのギタープレイは圧巻だ。「ちょっとくらい遅い曲も入れておけばよかった。やり過ぎた」と語るハードなギターが、気持ちいいほど痛快にオーディエンスを魅了していく。フルピッキングによる速弾きや滑らかなスウィープ、スピーディーなタッピングなど、精度の高いソロプレイは安定感抜群で、悠々とした貫禄をまとって隙がない。

さらには、この日演奏された楽曲の多くがアニメのテーマソングとして起用されたものであり、耳馴染みも抜群。その一方で「偏愛の輪舞曲」では8ビートに6/8拍子を違和感なく交えるなど、高度なアレンジの妙も堪能できる。

「MUCCは55本のツアーを行っているそうで。そのファイナルに代々木第一体育館公演を控えているという。そんなすごいバンドの仲間に寄せていただいて、本当にありがたいことです」

MUCCに感謝の気持ちを述べた2人は、「NO PLACE LIKE A STAGE」「modern strange cowboy」といった客席とのコール&レスポンスがフィーチャーされたナンバーで、最後まで観衆の心をわしづかみにしたまま充実の70分間を終了した。

MUCCがステージ上に登場したのは、GRANRODEOの熱が客席に残るなかでのこと。再び暗転した場内には、いくつものスポットライトが場内をサーチライトのごとく照らす。と、鳴り響いたオープニングナンバーは、これまでの2公演とは異なるものだった。「ニルヴァーナ」がイントロを排除したカタチで披露されたのだ。

以前のレポートにも記したように、今回のツアーはセットリストに現在のMUCCを表す万全なものが用意されているようだ。事実、この日も「ENDER ENDER」や「G.G.」などのアッパーなナンバーが序盤に据えられた展開で、客席の熱量を高めた。しかし、氣志團との二日目には、[Alexandros]との初日にはなかった最新アルバム『THE END OF THE WORLD』からのナンバーが配されたように、各公演によって異なる選曲が新鮮さをもってアピールしてくる。

「GRANRODEOとは“はじめまして”なんですけど、ツイッターでは、“KISHOWさんと合いそう”みたいなことをメチャメチャ言われるんですよ。今日、開演前にBARKSの対談をしてわかりました。“なるほど”と(笑)。今日は、打ち上げでもGARANRODEOと、もっと仲良くなって帰ろうと思います」

逹瑯のMCに湧く、夢烏とRODEOBOY & RODEOGIRL。対談で何が語られたかは、後日公開される記事を楽しみにしていただくとして、このMCが客席の一体感をさらに高めた。そして、演奏されたナンバーはMUCC初期のナンバー「娼婦」だった。同曲はGRANRODEOのステージでe-ZUKAが語った“昭和歌謡のテイスト”を持つもの。さらにいえば、初日にも二日目にもセットリストにはなかった楽曲であり、このあたりに今回の選曲の鮮やかさが発揮されているようで、ライヴはますます加速度を増していく。

勢いにのった中盤戦は、「ピュアブラック」「ファズ」といったナンバーでYUKKEのアップライトベースが展開される。ランニングを土台としたフレーズや、アップライトベースを中心に回転するエキサイティングなパフォーマンスに客席が熱狂した。

「どんどん加速していこう。心拍数に素直になろうぜ! いいか、夢烏たちよ。RODEOBOYとRODEOGIRLに絶対ケガさせるんじゃねぇぞ」

という逹瑯のMCに導かれるように、客席中央に特大のサークルピットが完成した。RODEOBOYから「うぉ!ヤベぇ!」という声が上がり、狂乱のモッシュへ。とにかく、最前列から最後列まで客席がメチャクチャ元気だ。「おい京都! はんなりしてんじゃねーぞ!」というミヤの叫びが、そのテンションに拍車をかけて、京都の夢烏が客席に最高のカオスを描いた。

この日のハイライトはラストナンバー「MOTHER」にあった。同曲のイントロでは、ステージ背後を覆う“ARMAGEDDON”ロゴのバックドロップが一気にふり落とされ、あまりにも荘厳で美しい輝きを放つ一面のステンドグラスが姿を現したのだ。それは最終決戦という終わりから、新しき未来が生み出されたかのようなドラマ。MUCCから、夢烏とRODEOBOY & RODEOGIRLへ贈られたサプライズでもあった。

ステージが鮮やかな光りを灯すなか、この夜のライヴが大盛況のうちに終了した。そして両者による打ち上げは、もちろん爆笑に次ぐ爆笑だったとのことだ。

次の公演は8月19日(火)のZepp Namba。対バン相手はBUCK-TICKだ。なお、BARKSではステージ直前の逹瑯とGRANRODEOによる対談取材を行っているほか、詳細レポートも後日掲載する予定だ。こちらもお楽しみに。

取材・文◎BARKS編集部 梶原靖夫 撮影◎森下洋介

<Episode 6.「ARMAGEDDON」>
2014年8月17日@京都KBS HALL
GRANRODEOセットリスト
01.GAMBiT
02.カナリヤ
MC
03.RIMFIRE
04.アウトサイダー
05.ROSE HIP - BULLET
MC
06.偏愛の輪舞曲
07.シャニムニ
08.SEED BLASTER
09.絶頂ポイズン
MC
10.NO PLACE LIKE A STAGE
11.modern strange cowboy

MUCCセットリスト
※後日掲載予定


■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.「ARMAGEDDON」>毎公演異なるアーティストとの2マンTour
2014年8月06日(水) Zepp Nagoya VS [Alexandros]
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月09日(土) 新木場Studio Coast VS 氣志團
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月17日(日) 京都KBS HALL VS GRANRODEO
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月19日(火) Zepp Namba VS BUCK-TICK
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月20日(水) Zepp Namba VS シド
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月22日(金) 川崎CLUB CITTA' VS D'ERLANGER
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月24日(日) 大阪城野外音楽堂 VS ゴールデンボンバー
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月26日(火) Zepp DiverCity VS MICHAEL
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月28日(木) 恵比寿LIQUIDROOM VS geek sleep sheep
OPEN 17:30 START 18:30

■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Final Episode「THE END」>
2014年9月23日(火・祝) 国立代々木競技場第一体育館
前売券¥5,569(税込) 当日券¥6,500(税込)
※全席指定、3歳以上のお子様はチケットが必要です。
チケット一般発売日:2014年8月2日(土)

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