村岡花子の朗読CD、80年の時を経て蘇り大ヒット

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連日20%を超える高視聴率を記録しているNHK連続テレビ小説『花子とアン』だが、『赤毛のアン』の翻訳者として知られる村岡花子の肉声を録音した童話朗読CD『花子からおはなしのおくりもの』が4月に発売され、既に1万枚に迫る勢いで売れている。朗読のCDの場合、通常1000枚も売れれば大ヒットと言われる中で、既にその10倍に迫る売上げをみせている。

◆『花子からおはなしのおくりもの 朗読:村岡花子』画像

ドラマの中でも、まさに村岡花子を演じる吉高由里子が、NHKラジオ(JOAK)の「こどもの新聞」に出演し、子供たちに語りかけるような温かい語り口調で「ラジオのおばさん」として人気を博す姿が描かれている。実際に「ラジオのおばさん」を務めたのが1932年~1941年で、CDに収録されている朗読が1933年から1940年に発表されたものであり、まさに「ラジオのおばさん」としてその語り口調に全国的に人気が出ている時期にレコード会社のスタジオで録音されたものなのだ。

翻訳家、童話作家である花子の側面とその語り口調が合体したものが、このCDに収録されている物語となっている。このCDのヒットを受け、8月27日よりデジタル配信もスタートとなった。CDに収録されている9話の中から代表的な「フランダースの犬」「小公子物語」など5話がパッケージされ、iTunesでは1,000円で販売となる。1930年代の童話の朗読自体珍しく、注目を浴びそうだ。

全国で村岡花子に関する展示会が開催されているが、その中のひとつ東京文京区の弥生美術館では、このCDを監修した戦前レコード文化研究科の保利透による「蓄音器で聴く村岡花子の朗読」が8月30日に、村岡花子の孫であり「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」を主宰する村岡美枝、恵理 姉妹の講演会「祖母 村岡花子を語る」が9月6日に開催される。

『花子からおはなしのおくりもの 朗読:村岡花子』
2014年4月16日発売
UICZ-4301 税込2,160円
1.名作物語 フランダースの犬
原作:ウィーダ編:村岡花子
編曲:宇賀神味津男演奏:日本ポリドール管弦楽団
発売:昭和11年1月レコード番号:ポリドール8086音源提供:保利透
2.名作物語 小公子物語
原作:フランシス・ホジソン・バーネット編:村岡花子
編曲:阿部武雄演奏:日本ポリドール管弦楽団
発売:昭和11年5月レコード番号:ポリドール8290音源提供:岡田則夫
3.童話 利口な小兎
作:村岡花子
作曲:貝塚正治郎演奏:貝塚童謡楽園生徒
発売:昭和8年12月レコード番号:キングK291音源提供:保利透
Licensed by KING RECORDS CO., LTD.
4.国史物語桜井の駅
原作:樋口一葉編:村岡花子
編曲:宇賀神味津男演奏:日本ポリドール管弦楽団
発売:昭和11年3月レコード番号:ポリドール8139音源提供:保利透
5.名作物語たけくらべ
作:樋口一葉
編曲:宇賀神味津男演奏:日本ポリドール管弦楽団
発売:昭和11年6月レコード番号:ポリドール8313音源提供:昭和館
6.物語 家なき児
原作:エクトル・マロー編:村岡花子
演奏:日本ポリドール管弦楽団
発売:昭和10年8月レコード番号:ポリドール4299音源提供:保利透
7.名作童謡劇(アラビアン・ナイト)アリババ物語
作詞:大村主計作・編曲:佐々木すぐる
唄:高橋祐子 コロムビア児童合唱団・コロムビア管弦楽団
発売:昭和14年8月レコード番号:コロムビア30344 
音源提供:日本コロムビア株式会社 Licensed by NIPPON COLUMBIA CO., LTD.
8.童謡物語 つくしんぼの旅
作:清水かつら
作曲:乗松昭博演奏:日本ビクター児童合唱団・日本ビクター管絃楽団
発売:昭和15年4月レコード番号:A103音源提供:鈴木勇伊
Licensed by VICTOR ENTERTAINMENT, INC.
9.童話 森の白兎
脚本:村岡花子
作・編曲:千振 勘二音楽伴奏
発売:昭和10年3月レコード番号:コロムビア33281
音源提供:金沢蓄音器館(卓上型蓄音器「コロムビアNO,452」での演奏を録音)
Licensed by NIPPON COLUMBIA CO., LTD.
https://itunes.apple.com/album/id908652053?at=10I3LI
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