【イベントレポート】熱狂を描いた、個性派揃いのガーリーなバンドたち

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8月20日(水)、赤坂BLITZを舞台にガールズロックバンドたちが集結したイベント<GIRLS ROCK SUMMER SPLASH!! 2014>が開催になった。

◆<GIRLS ROCK SUMMER SPLASH!! 2014>画像

▲ASUCA BAND
▲Boiler陸亀
▲がんばれ!Victory
▲井上苑子
▲THE ポッシボー
▲Gacharic Spin
▲LoVendoЯ
▲FLiP
このイベントでは、前売チケットを購入した女性は500円。学生は1000円。女子学生に至っては1500円を割り引くサービスも行われていた。出演したのは、FLiP/LoVendoЯ/Gacharic Spin/THE ポッシボー/井上苑子/がんばれ!Victory/Boiler陸亀の7バンド。さらに、オープニングアクトとしてASUCA BANDも登場。

ASUCA BNADという名のもと、オープニングアクトとして登場したASUCAは、情緒深くソウルフルな歌声を魅力に据えたシンガー。「again」や「SuperStar☆」を通し放熱した感情深く圧倒的な声量を持った歌声に、心が惹きつけられた。

イベントのトップを飾ったのが、みずから「動くサファリパーク」と名乗る、大阪をベースに活動中のBoiler陸亀。過激に攻め続けた「小僧」で獅子舞が登場すれば、ファンキーなダンスロック・チューン「臀部で候」では、天女(ダンサー)たちを従え、舞台上を縦横無尽に暴れまくり。昼ドラのエンディングが似合いそうな「12円」の情念満載なパフォーマンスには、観客たちも口をあんぐりしながら、女獣たちの猛り狂う様を観ていた。

ドキドキやワクワクとした甘酸っぱい青春の香りを、開放的なポップチューンに乗せ届けたのが、がんばれ!Victory。「青春ライフポップ」を通し、少年や少女の頃の無邪気な自分に戻り、夢求める青春気分を実感。「KGSD」に記した初(うぶ)な恋の想いを含め、彼女たちの真っ直ぐな演奏に。そして、ピュアな心の輝き放つの歌の数々に、胸がキュンと高鳴り続けていた。

現在16歳、現役高校生シンガーの井上苑子の歌は、どれもキラキラとした輝きを放ちながらも、心の内側に秘めた繊細な感情の揺れが曲中から垣間見えるのも特徴的。開放的なパーティポップチューンの「グッデイ」や、胸をキュンと疼かせる青春の風景描いた「線香花火」など。爽やかな歌の数々に触れながら、ポストmiwaのような存在感を井上苑子に感じていた。

この日は、バンドを従え登場したのがTHE ポッシボー。冒頭から、昂ぶった感情を解き放つよう、観客たちを刺激してゆく歌やパフォーマンスを次々と提示。「乙女 Be!Ambitious」を通し客席を煽り続けたりと、終始、気迫を持って攻め続けたように、ロック魂全開なステージングに観客たちも大興奮。「全力バンザーイ! My Glory!」では、パワーあふれる歌に刺激され、大勢の人たちがバンザイしながら飛び跳ねてと、熱狂。アイドルだロックだという垣根を超えた、感情と感情をぶつけあってこそというライブを、彼女たちは示してくれた。

可愛らしさを装いながらも、ハード&ファンキーな「爆弾娘(ボンバーガール)」や「ハンティングサマー」など、触れた人たちの誰もが圧倒された超絶な演奏技術を持って、観客たちを熱狂の渦へ巻き込み続けたのがGacharic Spin。ダンサー2人の駆け足する動きに合わせ、演奏中ズッと観客たちも駆け続けたよう、ロックな音楽性なのにアイドル然とした楽しさを持っているところも、Gacharic Spinのライブの特徴。最後にゴールテープを切ってフィニッシュしてゆく演出も含め、人が抱く「こうでなきゃ」という枠を笑顏でぶち壊してゆく奇天烈な姿勢こそ、とてもロックな生き様じゃないかと思わされた。

ツインギター/ツインボーカルという特性を生かし、魚住有希と宮澤茉凜のギター2人が重量感満載のリフを掛け合えば、田中れいなと岡田万里奈が、歌も掛け合い、ハモりながら観客たちを煽ってと、可愛い表情とは裏腹に、骨太な演奏を叩きつけてきたLoVendoЯ。「Rockの定義」や「イクジナシ」を通した、思いきり挑発してゆく重量感と疾走性を持ったスリリングな演奏に、観客たちも絶叫を返しなから応えていた。シンガロング・ナンバーの「Stonez!!」を含め、終始、場内中の人たちが一つに溶け合い、思いきり騒ぎ続けたライブを彼女たちは見せてくれた。

トリを飾ったFLiPは、重厚/疾走感を持った「ワンダーランド」や、荒々しくも妖艶なグルーヴ描き出した「Raspberry Rhapsody」をぶつけ、観客たちを熱狂の渦に巻き込み続けていた。身体痺れさすスリリングな演奏や凛々しい歌と同時に、しとやかな心模様も漂ってくる「MADONNA」のよう、粋がりながらもか弱く生々しい、そんな人間らしさを伝えてゆくところもFLiPに強く惹かれてゆく要因だ。「平成ジュラシック」では全員でパーカッションを叩き、雄々しきリズムで観客たちを圧倒してゆく様も登場。性別を超えたステージングという姿勢を見せながらも、女性だからこその性を表出していく姿勢に、FLiPならではのロックなイズムを実感させられた。

<GIRLS ROCK SPLASH!!>は、今後も場所を変えながら定期的に実施を予定しているように、このイベントがガールズロックシーンに、引いてはガーリーな音楽好きな人たちの中に、新しい刺激を与えてゆくイベントに成長していくことを願いたい。今回の個性的なメンツ揃ったイベントのよう、まだまだ、いろんな隠し玉を持っているようなので、そこは期待を胸に、次の発表を待っていようじゃないか。

TEXT:長澤智典

ASUCA BAND
「again」
「SuperStar☆」
「Lieslieslies」
「ナイト」
「ゆめミチ」

Boiler陸亀
「従来のみそ汁」
「鮫島兄弟」
「小僧」
「12円」
「臀部で候」
「富士ロック」

がんばれ!Victory
「I Go Everyday」
「DEAR」
「青春ライフポップ」
「ふらいはい!!!」
「KGSD」

井上苑子
「ソライロブルー」
「ボクキミポケット」
「青とオレンジ」
「グッデイ」
「線香花火」
「Mine」

THE ポッシボー
「Do Me! Do!」
「なんじゃこりゃ?!」
「乙女 Be!Ambitious!」
「さぁ来い!ハピネス!」
「全力バンザーイ! My Glory!」

Gacharic Spin
「Never say never」
「爆弾娘(ボンバーガール)」
「ハンティングサマー」
「ダンガンビート」
「WINNER」

LoVendoЯ
「BINGO」
「イクジナシ」
「不器用」
「Rockの定義」
「ホントノキモチ」
「人生マニアック」
「Stonez!!」

FLiP
「ワンダーランド」
「Raspberry Rhapsody」
「MADONNA」
「Dear Miss Mirror」
「す・て・きReaction」
「平成ジュラシック」

◆<GIRLS ROCK SUMMER SPLASH!! 2014>オフィシャルサイト
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