ハイティーンを中心に、人気急上昇中の沖縄在住・男女混成バンド7!!(セブンウップス)が2014年で結成10周年を迎える。今の勢いをそのまま象徴するかのように、渋谷公会堂で初のホールでのワンマンライブを敢行。そこで彼らが魅せてくれたのは、積み重ねてきた時間の重みと、この先に流れる果てしない未来が光溢れているであろうという予感だった。

◆7!! 拡大画像

幻想的なブルーのライトの中、メンバーがステージに姿を現すと温かな拍手と大歓声が沸き起こった。ひと呼吸ついたあと、NANAEの伸びやかな歌声がホール内に響き渡り、「フォーリン・ラブ」で記念すべきライブの幕が上がった。いつもよりきっと大きなステージに合わせるかのように、大きく手を振り、腕を伸ばしながら、楽曲の世界観を歌声だけでなく、体全体で伝えようとするNANAE。その愛らしくも頼もしい背中を、MICHIRUの力強いギターの音が押していく。4人の緊張感は痛いほどに伝わってくるが、それがプレイには慎重さと丁寧さになって現れていて、いい効果をもたらしているようだ。

七色のライトが煌めく中、「渋谷、行くよ!」のかけ声とともに疾走感あふれるナンバー「虹色」へ。腰でリズムを取って体いっぱいにグルーヴを感じながら、それを余すことなく指先へと伝えるかのようなKEITAのベースラインが印象的だ。「ラヴァーズ」ではMAIKOの叩き出すタイトなリズムに乗せ、NANAEがかけ声で煽ると、オーディエンスもそれに負けじと両手を高く掲げて応じていた。

「ハイサーイ! 改めまして7!!です。10周年のスペシャルなライブを皆と一緒に作りたいです。最後まで盛り上がっていきましょう」

と、最初のMCでは島んちゅらしくうちなーぐちでご挨拶。肩肘張らない言葉に、観客との距離がさらに一歩近づいたような気がした。そのせいだろうか、メンバーの緊張感も少しほぐれたようだった。

冒頭の数曲は、10周年記念ということもありライブの人気曲をセレクトしたが、ロック・チューン「Please Please」からは、リリースされたばかりのニューアルバム『STARTLINE』から選出。「今日は皆が着てきた服を汗でびしょびしょにするから、よろしく!」と、ここでNANAEが煽りつつ、リズムに合わせて陽気に赤い星形のタンバリンを叩くと、観客もそれに合わせて体を大きく揺らしたり、ジャンプして、ライブを体全体で楽しんでいた。

と、ここで、おもむろにNANAEが、「そういえばミッチー(MICHIRUの愛称)は、このアルバムが出せたら死んでもいいって言ってたよね」と爆弾発言。それに対して驚いたようにMICHIRUは小声になって、「あ、えっと…。だけど、出したら死にたくなくなった(笑)。だって、まだまだ聴いてもらいたい曲がいっぱいあるから」と優しい笑顔で応じると、客席からは歓喜の声が。死んでもいい発言は大げさにしても、それくらいの覚悟を持って4人は最新作を作り上げたのだろうし、だからこそ前作の世界観を踏襲しながらも飛躍的に進化を遂げることができたのだ。夏ソングでありながらどこか切なく、でも前向きさも伴っているバランス感が絶妙な「太陽にKiss」やワウペダルに初挑戦したという「メロディ・メーカー」など、新しいトライも違和感なく7!!の楽曲の世界観に溶け込めているのが、何よりの証拠だ。

日々、自然とアップデートしている4人だが、案外当人たちはそのすごさに気付いていないようで。ライブの恒例『ゆんたくタイム』コーナーでは、KEITAとMICHIRUのグダグダな寸劇で沖縄の方言、うちなーぐちを紹介。普段は言葉数が少なめでクールな印象のKEITAが女子役、つまり、女の子言葉を色気たっぷりに話す姿には、思わず面食らってしまった。2人の演技のヒドさに、MAIKOとNANAEの女子2人は呆れるばかりだったのは言うまでもない(笑)。

ある意味、そこでアツい空気が入れ替わった中盤では、“切ないシリーズ”と銘打ったバラードパートが設けられ、「スノーマン」「ブランコ」を情感たっぷりに歌い上げた。続く「I Stay」は、ピアノとNANAEの声だけで“聴かせる”歌ヂカラが試されるバラードだが、胸が締め付けられるような苦しさと溢れる愛おしさが伝わる歌声に、会場の誰もが熱心に耳を傾け、その歌の世界に浸っていた。

「後半戦はアゲアゲで行きます!」

と宣言し、パーティー感いっぱいのスカチューン「サンライト」から、再びオーディエンスのテンションは急上昇。サビでは大合唱が起きるなど、早くもライブの定番曲になりそうだ。高速の裏打ちビートをダウンピッキングで鳴らすのが“しんどい”と語っていたMICHIRUだが、切れ味も鋭く笑顔でなんなく弾き熟していたことも追記したい。ファンの間で人気抜群のキュートな片想いソング「弱虫さん」では、タオルが楽しげに旋回し、この日何度目かのクライマックスを迎えていた。そんな鮮やかな景色を目にしたNANAEは、「こんな風に10周年を迎えられて幸せです」と語りはじめた。

「高校2年で、バンドをやりたいと集まったのがこの4人です。最初は音を鳴らすだけで本当に楽しくて」と過去を振り返ると、様々な思いがこみ上げたのだろう、いつも笑顔のNANAEの瞳からは涙が溢れていた。客席からの「がんばれ!」の声に励まされて再び語り出したNANAE。「そんなある日、KEITAが『音楽で食っていく』って言ったんです。それを私たちは『7!!で食っていくんだ』って勘違いして(笑)。でも、一緒にやってたバンドが先にデビューしたり、別のバンドは仕事に就いたって聞いたりして…。どうやったら歌を届けられるんだろうって悩んだ時期が5年くらいありました」と、苦しかった下積みの思いを吐露。何度も言葉に詰まりながらも、「それでも必死にしがみついてここまできた。だから夢がある人は、7!!にできたんだから、それを諦めずにしがみつけばきっと実現できるはず」と、最後はエールに代えて、渋公に集まってくれたファンに感謝の言葉を贈った。

そんな4人の思いがギュッと詰まっているナンバーが、最新シングル「スタートライン」だ。スケール感のあるシンプルな美しさを携えたこの曲は、表現力に磨きがかかり、また、彼らの歌が多くの人に支えになっていると実感できる今だからこそ、発信することができるナンバーでもある。何度も涙をこらえながら歌い切ったNANAEと、それを後ろから優しい笑顔で支え切った3人の楽器隊の強固な信頼関係をまざまざと見せつけられた気がした。

感動的に本編が終わったあと、鳴り止まないアンコールに応えて4人が再登壇。アコースティックギターとカホンによる特別バージョンで「ReRe ハロ~終われそうにない夏~」「この広い空の下で」を奏でた。最新アルバムのボーナス・トラックでもアコースティックバージョンが収録されているが、メンバーいわく「未熟だから」と自身での演奏を見送った経緯がある。だが、目の前に繰り広げられる繊細で温かな音色は、聴き手の心をがっちりと掴む魅力的なものだった。

しっとりと聴かせたかと思えば、今度はMAIKOが全く似ていない倖田來未さん(の真似をするやしろ優さん)になり切って「ダイエット講座」を展開。やんちゃなMAIKOの振る舞いを、いつもはフォローに回るNANAEにすら苦笑いされるだけだった(笑)が、こんな風に全く気取らないところも彼らが愛される1つの要因なのかもしれない。

涙あり、笑顔あり、感動ありのめくるめく3時間を締めくくったのは、「弱虫さん(うちなーVer.)」だった。世界的なオーディション番組の日本版で、沖縄にて開催されていた『X FACTOR OKINAWA JAPAN』の準優勝者で三線奏者の宜保和也氏が合流。NANAEが沖縄独特のお囃子をレクチャーしつつ、MICHIRUはアコースティックギター、KEITAとMAIKOは琉球音楽に欠かせない太鼓パーランクを手に持って、にぎにぎしく曲が始まると、会場全体が島独特の柔らかなムードに包まれた。お囃子や踊りを共有することで、まるで会場が1つの有機生命体になったかのように一体感が生まれた瞬間だった。きっとこの後、誰もが心から笑顔になって帰路についたことだろう。

この記念すべきホール・ワンマンを皮切りに、7!!は全国ツアーに突入した。まさにこの公演は、10周年の記念であると同時に、彼にとっては新しい“スタートライン”なのだ。この先、彼らがどんな進化を魅せてくれるのか、今から楽しみで仕方がない。そんな期待をたっぷりと予感させてくれるライブだった。

取材・文◎橘川有子

■2ndアルバム『STARTLINE』
8月13日 (水)リリース
【初回生産限定盤(CD+DVD)】ESCL 4255~4256 3,611円(税抜)
【通常盤(CD)】ESCL 4257 3,000円(税抜)
1.スタートライン
2.メロディ・メーカー
3.サンライト
4.My ダーリン
5.この広い空の下で
6.太陽にKiss
7.ReReハロ~終われそうにない夏~
8.Please Please
9.I Stay
10.ノスタルジア~ReReハロ~
11.この雨が降る前に
<初回生産限定盤 ボーナストラック>
12.この広い空の下で(Acoustic Ver.)
13.弱虫さん(Acoustic Ver.)
<通常盤 ボーナストラック>
12.スノーマン(Acoustic Ver.)
13.弱虫さん(うちなー Ver.)feat. 宜保和也

■<7!!のうぷぷな日SPECIAL 10th Anniversary~渋公ちゃん、ばんみかちぇー!!~>
2014年8月17日(日) 東京都・渋谷公会堂
※来場者全員に「7!! 10周年記念バンダナ」をプレゼント!
※初のOfficial Artist Book『うぷぷな日々』を会場限定販売!!

■<7!!のうぷぷなツアー2014~夏やっさー、はじまいんどー!!~>
8月19日(火)札幌cube garden
8月21日(木)仙台darwin
8月23日(土)梅田CLUB QUATTRO
8月24日(日)名古屋CLUB QUATTRO
8月26日(火)金沢AZ
8月28日(木)広島ナミキジャンクション
8月30日(土)長崎 DRUM Be-7
8月31日(日)福岡 DRUM LOGOS
9月7日(日)桜坂セントラル
OPEN 16:30 / START 17:00
[問]桜坂セントラル TEL:098-861-8505
オールスタンディング¥3,500(税込) ※ドリンク代¥500別
※6歳以上有料・3歳未満入場不可

■<カサリンチュ&7!! アコースティック・ツアー2014 ☆島人DAKARA☆>
※各地ゲストアーティストの参加も予定
09月26日(金) 福岡 BEAT STATION 18:00/18:30
09月28日(日) 鹿児島 CAPARVO HALL 17:00/ 17:30
09月30日(火) 広島 CAVE-BE 18:00/18:30
10月01日(水) 高松 DIME 18:00/18:30
10月03日(金) 大阪 JANUS 18:00/18:30
10月05日(日) 名古屋 E.L.L 17:00/17:30
10月09日(木) 渋谷 O-WEST 18:00/18:30
10月15日(水) 仙台 darwin 18:00/18:30
10月17日(金) 札幌 colony 18:00/18:30
チケット料金:3,500円(税込)
8月23日よりオフィシャルホームページ先行予約開始
チケット一般発売日9月6日



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