【インタビュー】オレスカバンド、ライブのエネルギーと勢いに満ちたミニアルバム『Carry On!』

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2013年、結成10周年を迎えたORESKABANDが、レコード会社移籍後初のミニアルバム『Carry On!』を9月10日にリリースした。2014年の2月にはベストアルバム『BEST(2003-2013)』をリリースし、その後はライヴ三昧。なんと7月には、アルゼンチンとブラジルで遠征ライヴまでも行った彼女たち。国内はもとより、海外でも、その説得力あるライヴパフォーマンスで確実にフォロワーを増やしている彼女たちの“今”を詰め込んだ、久々のオリジナル作についてHAYAMI、tae、iCasに聞いた。

◆オレスカバンド~拡大画像~

■タイトなスケジュールの中みんなで鳴らしながら作ったので
■そのぶん勢いがついてレコーディングすることができました


──7月にアルゼンチンとブラジルでライヴをやってきたそうですね。

HAYAMI:はい。ワールドカップが終わった頃に行ったので、ヤバいんちゃうかなと思ったんですけど、意外と普通でした(笑)。

iCas:ブラジルは2013年も行ったんですが、アルゼンチンは初めてだったので新鮮でした。アニメのフェスだったんですけど、ブラジルは2013年よりも2014年の方がさらに勉強してくれていたという感じでしたね。2013年はどうやってノったらいいのかわからない感じの人が結構いたのに、2014年はちゃんとわかってくれていたんです。でも、アルゼンチンは初めてだったから、“踊っていいんかな?”っていう感じもちょっとあったり……。

tae:アルゼンチンは二日間あったんですが、二日目はかなりフィーバーしました。しかも、アニメというより、私たちの音楽を理解してくれているという感じがしましたね。

──そんな海外での活躍も経て、久々のオリジナルミニアルバム『Carry On!』が完成しましたね。

iCas:いろんなことをやってみたいという中で、今のライヴのエネルギーをCDに入れたかったので、割とBPMが速めの曲ばかりになっています。

──選曲の基準はライヴ感?

iCas:今、一番ライヴでやったらカッコいいんじゃないかっていう曲を選びました。前作『Hot Number』はCDとして楽しめるものを目指して曲に色づけしていった感じなんですが、今作はセルフアレンジということもあって、スタジオで“パァ~”っと鳴らして良かったものを録っていったんです。みんなで鳴らしながら作っていったのは久しぶりだったし、タイトなスケジュールだったから、余計に勢いがついてレコーディングができました。

──1曲目の「Carnival」は映画のオープニングのようなスリリングさがありますね。

tae:この曲は、もともと“ラップしたい!”というところから始まって。再スタートみたいな意味合いもある曲なので、一曲目にしました。

──カーニバルにやってくるサーカスのようなイメージですよね。移動遊園地的な雰囲気も。

iCas:そうそう。でも次の日には何もなくなっちゃうじゃないですか。それくらい、強烈に一夜が残っているという。

──その感じはライヴに通じてますよね。ラップの部分とメロディ部分の構成もユニーク。

HAYAMI:この曲は、久々にスタジオでアレンジを作ったなぁという感じがしますね。iCasの歌を生かそうってことになると、引き算が始まってくるけど、これは“みんなでドンッと出ちゃえ!”ってなって。みんなも面白がって作っていました。

iCas:デビューのときみたいに、“こんなんやっちゃおう!”っていうような、いい意味での軽いノリで。でもグッドなフィーリングを目指してやっているっていう感じだったんです。こうきたら、こう来るみたいな型にはまった感じじゃなく、もっとホーンも行っちゃっていいんじゃん?とか、それくらい自由にやりました。

──初期衝動も詰まったわけですね。

HAYAMI:レーベルも移籍するにあたって、2013年は環境が変わったりもして、そこで違う角度でいろいろ見えたり、経験したり成長したりっていうところもあったと思うんです。10周年の記念イベントのタイトルが<One“BIG” Step Beyond>という“大きな一歩”っていう意味だったので、まさにそこから始まって、二歩目なのか、第二期衝動なのか、バンドをやり始めたときの面白いものを求めながら、化学反応を起こし合うみたいな面白さを再発見した感じがすごくあります。

iCas:ここまで全部自分たちでやったのも久々で。ジャケットもHAYAMIが描いたし。そういうのも全部自分たちでやる楽しさを今一度実感で来たというか。

──なるほど。2曲目の「黒い果実」はまた雰囲気が変わりますね。女っぽい。

iCas:このデモ自体は昔からあって、タイトルも決まってたんです。でも昔やってる感じやったら、“これ言っちゃっていいんかな?”っていうのがあったんですが、今は「黒い果実」もバーンとやれるかなみたいな気持ちにもなったので、今作に入れました。

──“これ言っちゃっていいんかな?”っていうのは歌詞ですよね。

iCas:雰囲気もそうですね。“こういう曲ってウチらが演奏できるのかなぁ?”というのが2、3年くらい前にはあったんです。

──恋に傷ついた大人の女の雰囲気ですものね。特に後半の輪唱のようなところがすごく雰囲気出ています。エコーもかかってるし。

HAYAMI:あそこはメンバーのディレクションも面白かったんですよ。“もうちょっと怖く行こう!”とか。全員がゾーッとなったらOK!

一同:はははは(笑)。

tae:エコーをかけたりすることもそうだし、昔はそういうやってディレクションされても、“どうやったらいいんですか?”って感じだったんです。でも今作は、もっとこうしたいっていうことをみんなで話し合えるようにもなった。話し合うことで、ちょっと気まずくもなったりしつつ(笑)、そこも含めてすごく楽しかった。でもスタジオに大人のスタッフが誰もいなくて、アレンジをこうやりたいんだけどってなったときに、すごく苦労したんです。この「黒い果実」のキーボードも6時間くらいかかって。結局、思ったのと違っていて、できなかったんです。前は力を貸してくれる大人がいたからできてたっていうのもあるんですよね。

──「Carry On!」にもオルガンが入ってるけど、今作は、ちょこちょこ入ってるなぁと思ってたんですよ。苦労の賜物だったんですね。「Carry On!」をタイトル曲に選んだのは?

tae:今、一番やりたいことがこの曲っていう感じなんです。ライヴでもこれが一番やりたいし、歌詞としても一番言いたい。「Carry On!」って、“続けよう”っていう意味なんですが、うちらも10周年イベントをやったときに、これはいつまで続けてるんだろう? っていう気持ちにもなったんですね。音楽をずっとやっていくこともそうなんですけど、ふと思ったら、お客さんもずっとウチらの音楽を好きでいてくれている。お客さんが仕事帰りにライヴに来続けてくれていることと、ウチらが音楽を続けていることって一緒なんかなって。来てくれている人に対しても私たちは一緒だよって言いたくて。それをライヴで一緒に唄いたかった。

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