マキタスポーツのV系バンド・Fly or Die、ライブで黒夢オマージュ(?)の新曲「中年」披露

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ダークネス様(=マキタスポーツ)率いるヴィジュアル系バンド・Fly or Dieが、9月5日、六本木morph-tokyoにてワンマンライブ<『覚醒』~渋谷公会堂 or Die 第一章 一幕~>を開催した。ライブでは、10月11日(土)に<『約束』~渋谷公会堂 or Die 第一章 二幕~>、11月8日(土)に<『薔薇』~渋谷公会堂 or Die 第一章 三幕~>を、ともに六本木morph-tokyoにて行なうことが明らかになった。

◆Fly or Die <『覚醒』~渋谷公会堂 or Die 第一章 一幕~> 画像、ダイジェスト映像

2014年、日本最高齢でメジャーデビューしたこのバンドの、チケット完売となった本公演の模様がオフィシャルから届いたので紹介しよう。

  ◆  ◆  ◆

オープニングは紙芝居のようなイラスト映像からスタート。「ブライトネス公国」という架空の国にて、その国の王子、サンペレ・マキタ3世が、一見平和な国の欺瞞に苦悩し、ヴィジュアル系バンドに目覚めて“ダークネス”となり日本に降り立つ、という「ダークネス様がいかにしてヴィジュアル系に“覚醒”したか」という本公演のテーマを説明した内容だが、ゆるいイラストがたびたび登場し、ストーリーが進むにつれ、会場からは笑いが。

会場が温まったところでメンバーが登場。舞台に上がったダークネス様の「覚醒したいか! させてやる!」というセリフから、メジャーデビューを飾った配信シングル「The shocking soup of Virgin Marry ~華麗なる欲望~」、そして「Deathdonald」を披露。開幕直後から腕を振り上げ、煽動。一気に観客をまくし立てる。

そして、メンバー紹介へ。「趣味はアイスバケツチャレンジ」など時事ネタをまぶしつつ、笑いを誘う。その後、ロックテイストの強い「Fuck & Peace」で再び観客を引き込むものの、次の「Dress Up,Dress down~V系っていいな~」では映像スクリーンにトラブルが発生。思わずダークネス様も「とんでもないことが起きている。」と苦笑い。

スクリーンも復旧し、メンバーの近況と称したネタ映像を挟むと、新曲「中年」へ。黒夢の「少年」をオマージュしたというこの楽曲は、年齢を重ねた悲哀がたっぷりの歌。映し出される歌詞を見れば、中年エピソードがたっぷり詰まっていて思わず笑いたくなるものだが(同年代の人には笑えなくなる)、会場に笑い声は一切響かない。あくまでタイトルの「少年」だけをモチーフにし、歌詞はもちろん、メロディーもほとんど違う楽曲にもかかわらず、その歌は完全にヴィジュアル系そのもの。構造分析によって繋ぎ合わされたヴィジュアル系メロディーや観客を煽るパフォーマンスに、会場の空気は完全に引き込まれていたのだ。

バンドの“型”にハメきると、それぞれのパートの演奏を魅せる「ギターケンドー」も大盛り上がり。官能的なメロディーと腰つき(!)で色気たっぷりの新曲「愛は猿さ」では、ダークネス様が煽らずとも、観客のほとんどがダンサーの動きを見ながら踊ったり、ヘドバンしたりと熱狂状態。マキタスポーツ曰く「日本人は踊ったりするのが苦手」らしいが、その演出や世界観を作り出すお膳立てによって、しっかりとヴィジュアル系のノリを染み込ませていた。

しかし、そんな最中、メンバーは一度舞台を降り、会場にざわめきが。わずかに間をあけてからスクリーンに映ったのは「アンコール」の文字。一瞬、キョトンとなったものの、この“アンコール”を求める演出に会場は爆笑。さらに「テンピュール」「アバンチュール」ともじった単語が次々映し出され、映画『アルマゲドン』の主題歌「I Don't Want To Miss A Thing」と、映画のワンシーンをメンバーが真似た画像ともに、笑い声がこだまする中、メンバーが再登場。

アンコールでは、Fly or Dieを一気にメジャーにした「Virgin Marry ~聖母マリア~」、振り付け動画も公開し、ライブで人気を博す「矛と盾」を演奏。途中で「踊れ!」と呼びかけ、アップテンポになる「矛と盾」では、観客も両手を上げ跳ね回る異常な状態へ。

それが終わると、「今日はみんなを罵ったりしてごめんなさい。そんな君たちにこの歌を捧げます。」とSMAPの「世界に一つだけの花」を歌いだすも途中で「No!!」とシャウト。「君たちはナンバーワンでもなければオンリーワンでもない。」とフリを入れ、新曲「世界中にある花」へ。THE HIGH-LOWSのようなハードロックなメロディーを鳴り響かせ終焉を迎えた。

ヘドバンなどのアクションでライブを楽しんだローズ(Fly or Dieはファンのことを「ローズ」と呼ぶ)にはバラを渡し「クイーンローズ」の称号を与えるが、クイーンローズに選ばれた20代の女性は「今日もすごく楽しかった。もともとバンギャで、たまたま<やついフェス>で知ったけど、そのときから一目惚れ。歌だけじゃなくてライブ全体でコミック性があって面白い。」と感想を語った。

Fly or Dieは6月に行われたマキタ学級の対バンツアー「マキタスポーツのショービジネス」で「2年限りでの期間限定で渋谷公会堂を目指す」と宣言。この日のライブは、その足がかりである3ヶ月連続ワンマンライブとして開催された。

渋谷公会堂ライブ実現に向けて、10月11日(土)には<『約束』~渋谷公会堂 or Die 第一章 二幕~>が、11月8日(土)には<『薔薇』~渋谷公会堂 or Die 第一章 三幕~>を実施。チケットの一般発売もスタートしている。

「『覚醒』~渋谷公会堂 or Die 第一章 一幕~」 セットリスト
1. The shocking soup of Virgin Marry~華麗なる欲望~
2. Deathdonald
3. Fuck&Peace
4. Dress Up,Dress down~V系っていいな~
5. 中年
6. ギターケンドー
7. 愛は猿さ
8. 放火魔だもの
アンコール
9. The theme of F.O.D
10. Virgin Marry~聖母マリア~
11. 矛と盾
12. 世界中にある花


◆BARKS V-ROCK
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