【ライブレポート】→Pia-no-jaC←の夏フェス、<→PJ←ワンダーランド>

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→Pia-no-jaC←のワンマンイベント<→PJ←ワンダーランド>が2014年9月14日、Zepp Tokyoにて開催された。このイベントは2014年9月、先日デビュー6周年を迎えたPJによる「→Pia-no-jaC←の夏フェス」。開演前から過去の衣装や機材などの展示やコピーバンド大会、秘蔵映像の上映会など様々な催し物が開催され、会場はまさに一日中遊べる遊び場となった。午後5時のライブ本編スタート時には、すし詰め状態の観客が今か今かと→Pia-no-jaC←を待ちわびる。おなじみのメンバーコールと大歓声に迎えられて、→Pia-no-jaC←の夏フェスはスタートした。

◆→Pia-no-jaC←画像

オープニングナンバーの「組曲『 』」から、メンバー2人の笑顔が弾けて止まらない。「すでに凄いね!」とHAYATO(ピアノ)は会場を満足そうに見渡し、デビュー月である9月にこのイベントが開催できる喜びを語る。「交響曲第9番 二単調 作品125『合唱』第4楽章」「交響曲第9番 ホ短調 作品95『新世界より』第4楽章」でオーディエンスの体を揺れ会場は徐々にボルテージの上がる場内。通常のリリースツアーでのアクトのような張りつめた緊張感よりも、この特別なイベントをただ全力で楽しもうとしているかのような彼らの姿に感化され、観客たちも序盤戦から最高に楽しそう。HIRO(カホン)も「いやー、もうめちゃめちゃ楽しい!」と素直に叫ぶ。

コラボレーションを精力的に行っている→Pia-no-jaC←ならではのコラボ祭りがこの日の目玉企画。まず最初に登場したゲストはハウスDJのDAISHI DANCE。2010年からお互いのリミックスやコラボ作品を制作してきた旧知の仲である両者は、悲鳴のような大歓声に迎えられた。「Pulse of the earth」「Andalucia」「Typhoon」と立て続けに披露され、会場は一気にクラブと化す。打ち込みの重低音が気持ちいい。DAISHI DANCE自身もステージ後方の高台に設置されたDJブースから盛り上がりまくる観客を煽り、エレクトロと生音の融合は大成功。

興奮覚めやらぬ会場をクールダウンさせるように、その後披露された楽曲は「花音~カノン~」と「花火~HANABI~」。→Pia-no-jaC←の魅力のひとつである、日本的な情緒の美しさが体現された楽曲だ。会場がその繊細さに引き込まれたあと、11月19日発売のニューアルバム『EAT A CLASSIC5』から、「トルコ行進曲」と「アイネクライネ」を披露。この夏の様々なロックフェスの出演を経て、彼らの音楽的な幅がさらに広がったことを証明するような斬新な楽曲と、タフネスさを増したステージング。改めて→Pia-no-jaC←のミュージシャンシップの高さを感じる。

続いて登場したのは2組目のゲストenra。映像とパフォーマンスの融合を追求するエンターテイメント集団であり、世界的な評価を受ける彼らと→Pia-no-jaC←の「METROPOLIS」でのコラボは圧巻の一言。お互いにファンあったという二組のステージコラボは初となるが、音楽、映像、そしてフィジカルパフォーマンスが三位一体となって会場を飲み込んでいく。enraのパフォーマーたちがステージから去っても、どよめきが消えないオーディエンス。全く新しい形のコラボレーションは、観客たちにも衝撃を残したようだ。

再びステージ上にふたりとなった→Pia-no-jaC←。「Fairy Dolce」では曲中の可愛らしい寸劇でオーディエンスを和ませ、「うさぎDASH」でさらに会場の温度を上げていく。

そして、次に登場したゲストは書道家の晃鳳。このコラボレーションはまさにこの日のハイライトと呼ぶにふさわしいものだった。「残月~ジムノペディ」にのせ、黒い布に白い文字で巨大な書道画を刻んでいく晃鳳。音楽、書道と形は違えど、表現することへの真摯な姿勢と、表現の中で生きることへの渇望が、両者の間を行き来して大きなエネルギーを生んでいく。晃鳳が書き上げた「繋愛」が完成すると、会場からは大きな拍手が起きた。その文字が掲げられたまま、ライブはフィナーレへ。「Triad」「風雅」と会場の熱気は最高潮。会場とステージをひとつにする→Pia-no-jaC←の鉄板アンセム「PEACE」で会場にピースの花が咲き、本編は終了した。

鳴り止まないアンコールに迎えられ登場した2人が発表したのは、11月19日発表の『EAT A CLASSIC』シリーズ5作目を記念してのメモリアルボックスリリースと、それに伴う全国21公演のリリースツアー。

続いての電飾つなぎを装着しての「PARADISO」、そして盛り上がり必至の「JACK」とキラーチューンが鳴り響く。「これからもっと羽ばたきたい、でっかくなりたい!」というHIROの決意表明とともに演奏されたラストナンバーは「HAPPY」。「観客やスタッフ、→Pia-no-jaC←に関わる全ての人にハッピーがありますように」という→Pia-no-jaC←の切なる願いが込められた曲で、この日登場したアーティスト全員がステージに登場し文字通りハッピーに満ちた一日は幕を閉じた。

様々なエンターテイメントの可能性や実験と、ライブユニットとしての安定した底力を思う存分味あわせた<→PJ←ワンダーランド>。次のステージへと進化した→Pia-no-jaC←のこれからの姿に、大きな希望が持てる一夜だった。

取材・文:岡野里衣子

→Pia-no-jaC←『EAT A CLASSIC 5』
2014年11月19日(水)発売
通常盤(CDのみ) XQIJ-1010 ¥1,900(税込)
初回限定盤(CD+DVD) XQIJ-91008 ¥2,400(税込)
DVD:2014.9.14.開催<→Pia-no-jaC← Zepp Entertainment ~→PJ←ワンダーランド~>ライブ映像
ヴィレッジヴァンガード盤 CD+DVD XQIJ-91009 ¥2,300(税込)※初回限定盤より100円安い価格
DVD(PV1曲):ヴィレッジヴァンガード限定・スリーブジャケット※無くなり次第終了

◆→Pia-no-jaC←オフィシャルサイト

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