【インタビュー】ユナイト、両A面シングルに「踏み出すための決意とV系らしさ」

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■ヴィジュアル系=血みたいなイメージが僕にはあって
■そういう表現と言ったら、僕には登場人物を殺す以外の選択肢が……

──LiNさんは、ある種、お題ありきみたいなところで、曲作りをはじめたわけですね。

LiN:はい、まあ僕が知ってるヴィジュアル系感で、メロディ・ラインがポップな、Aメロ~Bメロ~サビっていう聴きやすい感じのメロディ。でも、それとは全然違った歌詞を歌ったら面白いなと思ったんですよね。これ、かわいいですかね?

莎奈:かわいいですよ。

──可愛らしさはあると思いますよ。

LiN:ヴィジュアル系っぽい曲というお題のもとに、ヴィジュアル系=血みたいなイメージが僕にはあって。

──そういうドロドロとしたイメージが。

LiN:はい。昔ながらのそういう感じがあって。ユナイトがそういう表現をしたら面白いだろうなって単純に思ったのと、そういう表現と言ったら、僕には登場人物を殺すっていう以外の選択肢がなくて。

莎奈:今、ヤバい人になってるけど大丈夫ですか(笑)?

メンバー全員:ははは。

──そこはでも、歌詞として直接的なものでなく、ポップにデフォルメしてありますよね(笑)。

LiN:そうなんです、最初のほうはなんかかわいい曲だなって聴いてもらって、最後のほうで様子がおかしいなと思って歌詞を見たら、なんか吐きそうみたいな。そういうのが好きなんですよね。

──歌う時にはそういった世界観の説明もあったんですか。

結:そうですね。でも、僕の引き出しにはないというか、そういう経験もないので、まあ、あったら大変ですけど(笑)。なので、どういう感じだろうなって想像しながらレコーディングには臨みましたね。それに加えて、ヴィジュアル系感も出したかったので、古き良き感じの歌い方も入れつつ。

──これまでのユナイトが、ここまで濃厚にヴィジュアル系感を打ち出すことはあまりなかったんですか。

結:シングルのA面としてはないですかね。

LiN:こういう色の曲でMVになってるは4曲目くらいですかね。でも徐々に様子がおかしくなってきていて(笑)。今まで白と黒でわけると、黒ユナイト的なちょっとダークな衣装で、ヘアメイクも派手めな作品がいくつかあったんです。ただ直接的に血とか、そういう表現をした作品は一つもなくて。斬新というか、衝撃はファンのほうにはあるんじゃないかなと。

──未緒さんが、ここでヴィジュアル系感が欲しかった理由は?

未緒:他のジャンルでもそうだと思うんですけど、メンバーが変わったりするタイミングって、ステップアップと解釈して頭を切り替えることが多いじゃないですか。ヴィジュアル系でいうと、メイクを薄くしたり、サウンド面の尖った部分を削ぎ落したりとか。アプローチの仕方をインディーズではなく、お茶の間にアプローチするための曲へとシフトを変えていくバンドが多いとは思っていたんです。

──音楽的にも、スタイル的にも、一般層にアピールしていくような。

未緒:そうです。僕自身がヴィジュアル系のファンでもあったので、それはすごく感じていたんです。そうなったときに、特に若いリスナーはそうだと思うんですけど、わかりやすい言葉でいうと“遠くなった”と感じるんですよね。

──そうかもしれませんね。

未緒:そうなってないんだよっていうアプローチも同時にしたかったんです。僕らはヴィジュアル系で始めたからヴィジュアル系以外に行く末がないと思っているし。ただ、メンバーが変わって、仮に「レヴ」だけをリリースしたとしたら、今まであったポップでキャッチーで聴きやすいユナイトから、エッジの効いたサウンドになったことで、もしかしたら「ユナイト変わっちゃったな」「ちょっと遠くにいったのかな」って感じる人もいるかなっていう危惧もあって。

──たしかによりソリッドになったような新しさがあります。

未緒:それは、サウンド面の質を上げたことが影響しているのかも。そうすることが遠くに感じさせない対応策というか。今までよりもさらに泥臭い曲と、両方を打ち出したら好対照にもなるし、両方の曲が映えるのと、お客さんの精神状態も悪くならないというか。“ユナイト、ちゃんとヴィジュアル系やってくれるんだ”っていう見え方になるかなと思って。もちろん、上を目指すっていう見え方の写真と、いやいや僕らヴィジュアル系だからっていう写真の両方を出したいと思ったところからですね。それで、「LiN君に頼みます」と。

──すごく大事な曲ですね。

LiN:そうですね。

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