来る9月27、28日に、コンサートの運営に関わる電力を太陽光発電でまかない開催される<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>(岐阜県・中津川公園特設ステージ)への出演も決まり、自身も今年4月に太陽光エネルギーを使用してのLiveイベント『Art of Parties』(主催:Fusion for Peace Productions)に取り組んだばかりのSUGIZOが“今、自然再生エネルギーを利用して我々音楽家が出来ること”をテーマに、自然再生可能エネルギーの可能性を、建機、ソーラーパネル事業を営むWWB株式会社の伊藤淳氏とともに語った。

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◆昔ながらの自分たちの馴染んだやり方を求めている。
そうした現実にもの凄くジレンマを感じます


──LUNA SEAのJAPANツアーで全国を飛び回っている最中にも関わらず、今年はじめの都知事選の際には細川陣営や宇都宮陣営双方と対談や、3.11の追悼イベント<Pease on Earth>への出演、更には被災地のボランティアにも継続的に足を運んでいるなど、過密なスケジュールを縫いながら、もの凄く精力的に活動をこなしている印象がありますが、そんな中、今年に入って特に注力しているように見受けられるのが“自然再生可能エネルギー”を取り入れた活動への関心です。今回は、この『自然再生エネルギーを利用して我々音楽家が出来ること』を軸にお話を聞かせてもらえればと思っているのですが、まずきっかけとして、今年4月にFusion Fore Peace Productionsが主催した<Art of Parties>というソロ活動の軸に新しい解釈とコンセプトを掲げたイベントを行われましたが、このいきさつを簡単に教えてもらえますか?

SUGIZO:もともとは50年代のニューヨークのジャズクラブでの火花をぶつけ合いながら新しい演奏方法を生み出して行った時代感への憧れから出発しているんですが、音楽表現においてジャンルを超えた共演や実験的コラボレーションを行っていき、そこで生み出される、新たな音楽創造を出演者と参加者が共に創り上げてゆく表現の場を目指したかったんです。また音楽、映像、空間演出等とも同様のコラボレーションをしたかった。成功するか失敗するかもわからないけれど、自分自身“観たことも聴いたこともない新しい何かが生まれる実験の場”として演者もお客さんたちも一体となって創り上げて行く新しい体験が出来る空間が欲しかったんです。主役は演者ではなく空間全体。なのでこのイベントでは僕自身がアーティストとして前面に押し出されるようなことは避けたかった。なので極力ステージの照明を暗くしてみたり、もっとステージだけでなく空間全体に目を向けて欲しい。新しい発見をして欲しいいと思っています。まだまだやりたいこと全てが表現出来ているわけでもなく、手探りで出来ることから始めている状態ですが、極端な話、ステージ等なくても良いと思っているくらいです。本当は定期的に年に3~4回のペースで続けたいんですが僕が忙し過ぎて難しいんです。太陽光パネルをオブジェとして利用したのは象徴としての使用は勿論ですが、もともとパネルの形状がかっこ良いと思っていたので使いたかったんですよ。思っていたよりは映像が映らなかったのがちょっと残念でした。今度やる時はもっと多面的な空間デザインをしたいんですよね。

──パネルの素材を使って多面的なオブジェ等は作れないものなんですか?

伊藤淳(以下/伊藤):中のセルを使えばそういうことは出来ますよ。

──パネル色は黒しかないんですか!?

伊藤:価格は上がってしまうけれども、緑や茶色とかであれば出来ると思いますよ。


──集光効率的に黒がいいとか意味はないんですか?

伊藤:製造工程でああいう色になっているだけだと思います。

──会場ではパネルにプロジェクターを照射していましたよね。単純な発想ですがプロジェクターの光で発電するとか出来るんですかね?

伊藤:理屈的には出来ると思いますよ。

SUGIZO:SF好きにはパネルの形状ってデザイン的に引かれるんですよね。

伊藤:ドイツはパネルのデザインも色々あるんですよね。日本のソーラー事情はまだまだこれから、始まったばかり。やりながら考えている状態。電力会社も経済産業省もメーカーも、作りながら「次はどうして行けば良いかな!?」と考えながら進めているのが現状です。

SUGIZO:他国から比べると遅れている。という捉え方もありますが、それはそれで、これから可能性がまだまだ充分にあるという素晴らしいことでもありますよね!? そんななか、僕が思う日本の良くない点は、昔のやり方に固執している点。古い間違ったやり方に戻ろう、時代に逆行しようとしてしまっているところ。福島(南相馬)に行くと凄く感じるのは、若い世代は新しい方法でより良い世の中を創り上げて行こうとしています。が、圧倒的な人口形成で君臨するお年寄りたちがそうした新しい技術や知恵よりも、昔ながらの自分たちの馴染んだやり方を求めている、という状況を目の当たりにしてしまったことがあるんです。そうした現実にもの凄くジレンマを感じます。

伊藤:僕も福島の若い世代がやっているNPOの集まりに、発電技術の業界の人間という立場で参加したことがあるんだけれど、そういう場所でも原発の話題とかは一切出てきませんよ。集会が終わった後に1人のおばあちゃんが僕のところに来て「この辺は昔から東電があってこそ栄えた地域だから、誰も不満なんて口に出せないのよ……」って、耳打ちして来たんです。また、ある若者には「東京では南相馬のことをどういうふうに捉えられているんですか?」と聞かれましたが、実際のところ、東京では南相馬がどうなっているのか等は誰も気にしていないですよね。南相馬のことを知ってもらうには、南相馬側から情報を発信しなければ、東京側から情報を取りに行こうとする人たちは殆どいないのが実情でしょう。

SUGIZO:もちろん南相馬で頑張っている活動家の中には「南相馬に来て実情を知って欲しい」と、情報を発信して頑張っている人たちもいるんですが、そうした人たちが圧倒的に少ないと言わざるをえない。とにかく、おかしいのは未だに10万人近い被災者の人たちが仮設住宅で生活していると言う現実。あくまでも仮設なので2年位住んでると色々なところにガタが来るし、衛生状態も良くない場所に住んでいる人が未だに10万人近くもいるんですよ。日本でのオリンピック開催は素晴らしいことだけれど、国立競技場を建て直したり、選手村を建設するのに莫大な予算を割く前に、被災地の状況を解決するべきだとつくづく思ってしまうんです。

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