中条あやみ×JAMOSA、映画『劇場版 零~ゼロ~』対談。「いろんな愛を持っているのは女の子だけの特権かもしれない」

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雑誌「Seventeen」の専属モデルでもあり、現在公開中の映画『劇場版 零~ゼロ~』では主役を務める中条あやみと、本作の主題歌「LOVE AIN'T EASY」を歌うJAMOSAが、初対談でお互いの作品について語った。

  ◆  ◆  ◆

── おふたりはすでにお会いしたことがあるのですか?

JAMOSA(以下:J)1度、スタッフだけの試写会のときにお会いしてすこしだけお話をしましたね。「初めまして」みたいな感じで。

── 第一印象はどうでしたか?

中条あやみ(以下:中)JAMOSAさんがそのとき主題歌を生披露してくださったんですけど、鳥肌が立つくらい素晴らしくて。すごく感動しました。実は私も映画の中で歌っているんですけど、それとは比べものにならないというか(笑)。声量も歌唱力もすごいなと思いました。

J:私も映画の中で彼女が歌っているのを拝見してすごくキレイな声をしているなと思いましたね。こんなに可愛くて歌が美しければ、それはみんなアヤ(中条あやみの役)に憧れて魔法をかけられてしまうよねって思いました(笑)。

── 実力派アーティストであるJAMOSAさんから見て、あやみさんの歌声の実力は?

J:私が言うまでもなく本当にキレイで透明感のある声だなと。美しいあの歌声は本当に今回の役にもピッタリだなと思いました。

── おふたりともホラー映画への出演だったり主題歌を歌うことは初めてだと思いますが、新鮮でしたか。

中:そうですね。私はみんなが憧れるクールビューティーな女子高生役だったんですけど、これまでおとなしい子や元気な子の役が多かったのでクールな役を演じるというのが新しい経験でした。

J:ホラー映画的なイメージのある作品だとは思うんですけど、深い意味のメッセージというものがすごくある作品だと思いましたね。なので今回は作品の奥にあるメッセージと歌がリンク出来たら良いなと思って作ったので怖いイメージとかではなくてこの映画が伝えたい本来の意味というところに楽曲を通して触れてみました。

── 映画に登場する女子高生は共学の高校にはない、女子高特有の乙女心だったり雰囲気があるなぁとも感じました。あやみさんは実生活でも高校生ということですが、登場する女の子たちの気持ちとかってわかりますか。

中:私が今通っている高校は共学なんですけど、もともと女子が多いクラスなので、女の子特有の距離感みたいなものはイメージできました。女の子ってあまり壁を作らず仲良くなると普通にベタベタしたりする部分があるので、そういうところは似ているのかなと思いました。

── リアルに女子高生をやっていて今回の役柄とシンクロする部分ってありましたか。

中:私は今回、みんなに憧れられる役だったんですけど、私自身も「こういう人になりたいな」と憧れを抱くこともあるので、作品の中で女子高生が憧れとか好きっていう感情を抱く気持ちもわからなくはないなと思います。

── JAMOSAさんは?

J:女子高ではなかったのですが女の人って永遠に何かが好きだったり、何かに憧れたり……。特に十代の頃ってその想い入れが強いというか。早く大人になりたくてしょうがない中で、自分の描く女性像として女優さんとかアーティストさんとかモデルさんに憧れたりしますよね。それこそクラス内とかのような小さなコミュニティで好きな人とかいたりもすると思うんですけど、まさに今回の主題歌「LOVE AIN'T EASY」もそういうところにフィーチャーして書いたんですよね。いつも誰かに憧れていて、でもその「誰か」になりたいって思いばかりが優先しちゃって気づいたら自分自身のことを全然みていなかったという。だけど「いつか自分を愛したいな」っていう気持ちを今回表現したんですけど、女子高生だけに限らず女の子って絶対そういう葛藤があると思うんですよ。

── この映画ともすごくリンクしている楽曲ですね。実は映画を見てから主題歌を書いたそうですね。

J:はい。完全な映画は見ていないですけどほぼストーリーがわかる段階のものを拝見させていただいて、そこからどういう曲を書けばいいのかなと考えながら作詞しました。

── 歌詞にあるような言葉ってすごく響きますよね。JAMOSAさん自身も歌詞とリンクする経験はありましたか?

J:ありますね。やっぱり人を愛したり好きになるのってすごく簡単だったりするけど、一番難しいのは「自分を愛すること」なんじゃないかなと思うんですね。女の子って常に「私、ああだったらいいのに…。」とか「あの人みたいにこうなれたら…」とか考え出したらキリがないくらい妄想が広がってしまうじゃないですか(笑)。そこに歯止めがきかなくなっていくと自分を好きになれなくて自分の愛し方もわからなくなってしまうというか。もちろん誰かに憧れることは悪いことではなくて、自分の欠点を見直して良くしようと努力する良い機会でもあると思うんです。なので自分らしさを忘れずに、最後には自分のことを愛せるようになれたらイイよねって思います。

── あやみさんが主題歌「LOVE AIN'T EASY」を聴いて何か感じたところは?

中:とても映画のストーリーに合う歌詞の内容だなと思ったのと同時に、主人公のアヤとか他の女子高生と同じように、私自身がまだ「自分」というものを完全に分かってないからこそ歌詞にすごく共感しました。心に響きました。

── この主題歌は映画のエンドロールで流れますが、JAMOSAさんのニューアルバム『LOVE AIN'T EASY』に収録された同タイトル曲と歌詞の一部が違いますよね?

J:そうなんです。アルバムに収録されている「LOVE AIN'T EASY」の歌詞はより私の作品に寄った楽曲になっていますね。映画のエンディングで流れる主題歌の方は一部分だけですけど映画に寄せて書いた内容になっているので(ふたつの歌詞があることで)ダブルで楽しんでほしいなと思います。

中:なんかお得な気分ですね(笑)

── JAMOSAさんは音楽はもちろんファッションセンスもレベルが高いですが、この映画に登場する制服やナイトウェアなどのファッションはどう思われました?

J:可愛い制服だなと思いました。いわゆるどこにでもある制服ではないし、一度見たら忘れられない制服だったので。私も中学校のときにアメリカにいたんですけど、そのときにカトリックの学校で制服を着ていたのでその頃を思い出しましたね。まったくデザインは違うんですけど、そのときしか私は制服を着たことがないので。

── この映画では高校3年生という設定ですがおふたりの高校3年生のときってどんな感じですか。あやみさんはリアルに高校3年生生活を送っているんですよね。どんな高校生活を過ごしてますか。

中: 実は結構うるさい方なので今回の役とは逆で。本当にみんなとバカなことをして騒いで、くだらないことをしてますね(笑)。最近まで中学生だったという感覚があるんですけど、中学生ってやたらとグループを作りたがるじゃないですか。そこで誰かを仲間外れにしたり。そうやって変に悪知恵のついてきた中学生のときと違って、高校生になるとみんなひとりひとりの個性を理解しながら、グループでも仲良くできるようになるというか。その変化を目の当たりにしてちょっとずつ大人に近づいている年齢でもあるのかなと思います。高校3年間って15歳から18歳までじゃないですか。ここの変化ってすごく大きいなと。1学年上がるごとに大人に近づいているんだなと本当に実感していて。まだ卒業はしてないですけど、3年間あっという間でしたね。単純に楽しかっただけじゃなく、仕事と勉強の両立をできたところも大きくて。両方できるって良いことだなと思っているんです。この歳で仕事も経験できているって貴重なことだと思うので。「“今しかできないこと”をやりながら、“自分らしく楽しむ”ことが一番良いのかな」と思います。

J:私も高校時代から歌っていて仕事もしていたので、そういうところでは今のあやみちゃんと共通してるなと思うんですけど。きっと大人になったら「あのときこういう経験をしておいて良かったな」と絶対思えることがたくさん増えていくと思うので、すごく「今」を楽しんでほしいなと思いますね。

── JAMOSAさんが高校3年生のときって?

J:ませていたので精神面ではもう大人でしたね。勉強はちゃんとしていて成績も良かったし、先生にも気に入られて今でも先生と遊びに行ったりするんですよ。アメリカンスクールに通っていたので日本の学校に比べたら結構自由だったと思います。

── 女子高生というよりは自分らしさ全開でした?

J:もう自分らしさ全開・満開でした(笑)。でも音楽もそのときから目指していたので音楽の先生も放課後にレッスンしてくれたり、周りもすごくサポートしてくれてましたね。高校時代は良い思い出しかないです。

── 映画の中のように、学校でちょっと怖いおまじないなど流行っていたものはありますか?

中:小学校のときですけど、消しゴムに好きな人の名前を書いて全部使いきったら恋がかなうとかっていう迷信めいたものは流行ってました。でも絶対に最後まで使い切らないですよね(笑)。

J:私は全然なかったですね。でもアメリカンスクールではプロムという卒業パーティーがあって。プロムには男の子が好きな子を誘って出かけるんですけど、その日はみんな大人ぶって超ドレスアップして楽しむんですけどそれに参加するのがすごく楽しみでしたね。

中:すごくうらやましいです、自由で。プロムやりたいなって、そこに惹かれてしまいました(笑)。

J:これだけ可愛かったらたくさん誘われちゃうよ(笑)。

── ところで、おふたりとも女性としてすごくステキなオーラを放っていますが、霊感というかシックス・センス(第六感)を感じることはありますか?

中:ないですね。

J:でもあやちゃん、(第六感)ありそうな雰囲気ですよ。私自身はあまりないタイプなんですけど。

中:あ、でもJAMOSAさんは晴れ女な感じがしますよ?

J:あ、スゴイ! よくご存知で。屋外のライブで雨が降っていても私の出番のときに雨がやむことが結構ありますね。やっぱりあやみちゃん、見えてるんじゃない?

中:ぱっと見た瞬間に人の性格がわかるというか。人間観察がすごく好きで。その人の特徴を言うと「なんでわかるの!?」ってよく言われることはあります。お化けとか霊は見えないですけど、人の雰囲気がわかるっていう。

── もし霊が見えたり霊と会話できるとしたら、何をしたいと思いますか?

J:霊ではないですけど、特殊な能力があったら愛犬が5匹いるので犬たちと話してみたいですね。1時間でもいいし1度でいいから。何を思っていたり感じているのか知りたいです。私のこと好きなのかも確認したいですね。実はアルバムの中にも愛犬に対して歌った曲があるんです。「ENDLESS LOVE」という曲なんですけどね。そういう特殊能力があったらいいなと思いますね。

中:私は特に何も見えなくていいかなと思ってます。今のままで充分。

J:大人ですね(笑)

── ちなみに一番印象に残っているのはどのシーンですか?

J:アヤちゃんが、お姉さんと再会するシーンのところですね。心に深い傷を負ったことでアヤは忘れたい記憶や思いだしたくない思い出としてお姉さんを忘れていたんですけど、そのお姉さんを抱きしめて「ごめんね」ってあやまっているところに愛を感じましたし、胸に響きましたね。この映画の中では彼女たちのことを描いていましたけど、人生において絶対人に知られたくないことや心の中にしまっておきたいことって女性だけに限らず誰でも持っていると思うんですよ。それをアヤちゃんのように抱きしめることって実は勇気のいることだし、そしてお姉さんのように許すことも愛情がなければできないことなので、このシーンはすごく深さを感じましたね。

中:納得。

── 今回の映画『劇場版 零~ゼロ~』、そしてJAMOSAさんのアルバムにしても共通しているのは『愛』なのかなと思うんですよ。映画に関してはミステリーだったりホラーチックなところに目がいきがちですけど登場人物に目を移すと本当にさまざまな愛が描かれていて。常に愛について強く優しく歌っているJAMOSAさんのニューアルバムも同様だと思うんですよね。いろんな愛のについて形について描かれているので。でも愛って難しいですよね。答えがひとつじゃないし正解がないから。

中:愛をいろんな形で感じ取れるのって、それも女性特有なのかなと思います。ずっと先の話ですけど子どもを授かった時に感じられる愛もあれば、友達同士でいつも支え合ったり笑っていられる絆も友情愛みたいなものだと思うし。もちろんワンちゃんへの愛もJAMOSAさんみたいに歌詞にできてしまうし(笑)。そうやっていろんな愛を持っているのは女の子だけの特権かもしれないですね。だからまだまだストーリーがあるのかなって。JAMOSAさんがステキな歌詞や音楽を生み出せるのもそういうことなのかなと感じました。

J:そうかもしれないですね。私の経験した愛なんてまだまだですけどね。もっと大先輩のシンガーさんの歌を聴くとやっぱり愛を知り尽くしてるなって感じたりするので、それはもう「永遠のテーマ」ですよね。いつ何か起こるか分からない、どんな愛と巡り合うかもわからない、別れることだってあるかもわからないし。そういうのをたくさん知ってこそ女性としての財産が持てるんじゃないかなと。まだまだ私は旅の真っ最中ですけど(笑)。

中:私なんてまだ愛という場所にさえ踏み入れてない状況です(笑)。あるとしても友達との友情愛くらいですね。

J:大人になると友達と毎日会える機会って減ってしまうんですけど、でも久しぶりに会えばいつものように笑って話しあえるんですよね。つながった絆っていうのは、仕事や結婚でたとえ離れてしまっても絶対消えていかないからすごく大切にしてもらいたいし、私も大切にしていきたいと思ってます。

中:音楽をやっている方っていろんな感情を吸収して言葉に出すから、「感受性豊かだな」といつも思うんです。私達がふだん「こうだな」と思うことを幅広ーくたくさんの言葉で表現するじゃないですか。なので音楽してる人ってカッコいいなと思います。

J:俳優さんもすごいなと思います。あやみちゃんのように普段の自分とはまったく違う人格の役に入れるのって結構スピリチュアルだと思うんですよ。

取材・文◎佐藤チアキ

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映画『劇場版 零~ゼロ~』は、累計130万本を記録した大ヒットホラーゲーム『零』シリーズが、大塚英志氏原作のもと待望の映画。女子高生達を主役に学園で起こる恐怖と衝撃を美しく幻想的に描き出している。JAMOSAが歌う主題歌「LOVE AIN'T EASY」は、『劇場版 零~ゼロ~』のために書き下したナンバー。MVは、映画の世界観をイメージし、女の子が抱く憧れや、嫉妬や執着心を歌い上げるJAMOSAとともに、美しくミステリアスに表現した見どころ満載のコラボ作品に仕上がっている。

【イベント概要】
JAMOSA ALBUM 「LOVE AIN'T EASY」 RELEASE “W” PARTY!
2014年10月3日(金)
club DIANA(銀座) 18:00 - 25:00
CLUB CAMELOT(渋谷) 21:00 - Midnight

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