【インタビュー】分島花音「状況を打破し崩壊してそれを終わらせるという前向きな終焉を描いています」

ツイート

前作「killy killy JOKER」に引き続き、すでにオンエア中の「world's end, girl's rondo」という楽曲で、オリジナルTVアニメの第2期『selector spread WIXOSS』のオープニングテーマを担当している分島花音。前作以上に楽曲、さらには本人書き下ろしのアニメのポスターやカードまで作ってしまうほど、本人自ら、分島×WIXOSSのコラボをシンクロ率100%でエンジョイしている彼女に話を訊いた。

◆分島花音~拡大画像~

■「1期のほうがよかった」といわれるのは絶対に嫌だったので
■アプローチを変えて良い意味での裏切りを出そうと思ったんです


 ▲「world's end, girl's rondo」初回限定盤
 ▲「world's end, girl's rondo」通常盤
──新曲「world's end, girl's rondo」は、バトル感が前作の150%増になっていてめちゃめちゃカッコいい仕上がりだと思います。

分島花音(以下、分島):ありがとうございます。1期の「killy killy JOKER」は、番組への“導入”という部分もあったので、ストリングスをメインに置いたサウンドにしようと考えて、バトル感みたいなものを出しつつも優雅さを残したような仕上がりにしたんです。今回、また再びお話をいただいて。

──最初からオープニングを続けて担当してくださいということではなかったんですね。

分島:そうです。それで、続けて同じ人が主題歌をやるとなると、どうしても較べられてしまうじゃないですか。そこで「1期のほうがよかった」といわれるのは絶対に嫌だったので、今回はまずアプローチを変えて、いい意味での裏切りを出そうと思ったんです。なので、前作は“生”を押し出したストリングスをメインにしたサウンドだったんですが、今回は、ストリングスの存在感はそのまま生かしつつエレクトロの要素を入れようと思って、まず曲のアレンジを江口亮さん(Stereo Fabrication of Youth)にお願いしました。エレクトロを入れたとしても軽々しい感じにならないで、ちゃんと生のサウンドにしっかりフィットするようなアプローチの仕方がしたかったので、人の手で演奏している音も入れています。

──ということは、楽器のアンサンブルは生?

分島:はい。エレクトロでも軽くならないようにサウンドはこだわっています。ヴァイオリンもエフェクト加工した音を入れたり、私が間奏で弾いているチェロのソロもエフェクトをかけたアプローチにしました。

──それにしても、本作はストリングス、ピアノ、ベース……音数がめちゃくちゃ多くて。

分島:すっごい入ってると思います(笑)。

──ベースとか、ありえないぐらい動いてるのは江口さんっぽい。あとキメもめちゃくちゃ多いでしょ?

分島:(笑)。そうですね。

──まるで各楽器があちこちでバトルを仕掛けてるみたいで。曲は前のめりでスピーディーに疾走しながらも、縦ラインではすごくスリリングな音バトルが繰り広げられているという。

分島:歌メロだけじゃなくて、ストリングスにしてもベースにしてもみんな動きがあるので、歌メロのバックで鳴ってる楽器を単体で聴くだけでも楽しいと思います。

──楽器だけじゃなくて、今回は花音さんのヴォーカルも加工されてますね。あのサビの前に声がビリビリビリってなるところとか。

分島:そうですね。あれはミックスのときに遊んでいただきました。どうせやるなら、普段やらないようなこともやってみようと思って。

──サビ歌のなかで、ヴォーカルが左右に分かれるシーンは?

分島:あそこはバトルのイメージです。前作ではチェロとバイオリンの掛け合いでそういうものを表現したんです。今回はヴォーカルを使って、相手のターンになったり自分のターンになったりと右往左往している感じを出したくて、ヴォーカルの聞こえ方を変えていくことで奥行きが出る感じにしています。

──歌詞に関しても、本作はアニメの物語とのシンクロ率がかなり高めですね。

分島:第1期を見て、2期のプロットも見させていただいたので、アニメのモチーフになりそうな単語を歌詞にも反映しやすかったです。そういった意味では作品と、よりシンクロできたと思います。物語としては、第1期で主人公が大切に持っていたカードの女の子の行方が分からなくなってしまい、ずっとその行方を気にかけているところから第2期が始まります。本作の“world end”の“end”は終わりや終焉という意味ですが、決して後ろ向きの意味での終焉ではないんです。いまあるよくない状況を打破する、崩壊してそれを終わらせるということで、前向きな終焉を描いています。“girl's rondo”というのは、いま置かれたそのような状況に翻弄される女の子という意味で付けました。

──このアニメ自体、絵はカワイイんだけど物語の内容は相当ディープですものね。

分島:そうなんです。最初はカードのレクチャー系アニメだと思っていたんですが、カードバトルをするというまさかの展開で(笑)。女の子たちの心情や運命を描いている作品です。でも、伏線とかもたくさんあって話としてしっかり練られているので。オリジナルならではの、先が読めない感じが楽しいと思います。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報