ジャーマン・メタルのオリジネイターであり、30年以上にわたって世界にパワー・メタルの炎を拡げてきた鋼鉄の重鎮アクセプトが、ニュー・アルバム『ブラインド・レイジ』を発表した。トニー・トーニロをシンガーに迎えて3枚目となる本作では、新旧ファンが愛して止まない鋭角的に斬り込むメタル・サウンドが繰り広げられている。

◆アクセプト画像

日本公演では、新作『ブラインド・レイジ』日本盤をライブ会場に持参すると、全員にホログラムステッカーがプレゼントされる。また当初その中から5名をメンバー全員参加のミート&グリートに招待する予定だったが、日本盤が好セールスのため、各会場10名に拡大されることも新たに決定となった。

来日を間近に控えたバンドのオリジナル・メンバーでありギタリストのウルフ・ホフマンが語ってくれた

──『ブラインド・レイジ』では、どんな音楽性を追求しましたか?

ウルフ・ホフマン:『ブレインド・レイジ』でやりたかったのは、30年以上前から貫いてきた音楽性を、今の俺たちの経験と技術でプレイすることだった。アクセプトが長年をかけて創り上げてきた得意とするクラシックなスタイルを、より高めたかったんだ。まったく違ったことをするのは自分にとって楽しいし、ある意味、楽なことだ。でも、我々のファンが求めるものではないと思う。このアルバムでは、世界中のファンが求めるサウンドを100%以上の形で提供したかったんだ。

──アルバムの曲作りの作業はどんなものでしたか?

ウルフ・ホフマン:今回はじっくり時間をかけて、曲の完成度を高めたんだ。曲を書くのに6~8ヶ月をかけたし、細部のディテールまでこだわって深く掘り下げることができた。どの曲も、少なくとも5回から7回は直したよ。「ワナ・ビー・フリー」は最初に書いたバージョン1から完成形に至るまで、百万回アレンジし直した。俺とピーター(・バルテス/ベース)で曲を書いたら、それをマーク(・トルニーロ/ボーカル)に送って、彼がボーカルを入れて完成させるんだ。時にはマークが「こうした方がいいんじゃない?」と提案することもある。そんなやり取りを経て、完成させていった。

──アルバムの1曲目「スタンピード」もアレンジを変えたのですか?

ウルフ・ホフマン:「スタンピード」は最初から王道アクセプト・ナンバーで、あまりに無駄がないから、直しようがなかった。何も加える必要はなかったし、削ることも出来なかった。ほとんどの曲はギター・リフから書き始めるんだけど、この曲は特にベーシックなリフが重要な位置を占める曲だ。「ファスト・アズ・ア・シャーク」や「スターライト」のような、アクセプトが長年愛されてきた理由といえるリフだよ。ライブのオープニングにぴったりの曲だろ?

──「ファイナル・ジャーニー」ではクラシック作曲家グリーグの「ペール・ギュント」を引用していますね。

ウルフ・ホフマン:この曲は元々、中盤の「ペール・ギュント」のパートから書いたんだ。ずっと好きな曲だったし、1分ぐらいのロック・バージョンのデモを録ってピーターに聴かせてみた。そうしてアイディアを投げあって、曲の形に仕上げていった。曲中にクラシック曲を入れるのは、アクセプトの一種の伝統なんだ。「メタル・ハート」(1985)にベートーヴェンの「エリーゼのために」を挿入したり、『デス・ロウ』(1994)の「ソドム・アンド・ゴモラ」でハチャトゥリアンの「剣の舞」を入れたりしてきた。俺はクラシック音楽の楽典の教育は受けていないけど、クラシックは好きだし、その影響はアクセプトの曲にも表れているよ。それで他のバンドと差別化を図ることが出来たんだ。

──それ以外に新作で、アクセプトの個性となっている要素にはどんなものがありますか?

ウルフ・ホフマン:「200イヤーズ」のリズムは「レストレス・アンド・ワイルド」に通じるものがあるけど、俺たちから影響を受けたというバンドでも、あまりプレイしない。必ずしもテクニック的に高度でなくても、ユニークなグルーブ感が必要なんだ。これはコピーしようと思ってできるものではない。あと「ザ・カース」のリズムは、かつて「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」でやったのと共通するものがある。これもまた若手バンドがあまり手を出さないスタイルだな。

──プロデューサーのアンディ・スニープとの作業はどんなものでしたか?

ウルフ・ホフマン:アンディとは『ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ』(2010年)以来一緒にやっている。彼はサクソンからカーカスまで手がけている、現役最高のヘヴィメタル・プロデューサーだろう。彼はアクセプトを正しい方向に引っ張っていってくれたんだ。「こっちに進め!」と掛け声をかけてくれたんだ。彼は俺たちの過去のアルバムを聴きこんでいて、それをさらにグレードアップさせようとしたんだよ。

──11月にジャパン・ツアーが行われますが、日本のファンは他の国と較べてどう異なるでしょうか?

ウルフ・ホフマン:同じヘヴィメタルのファンでも、それぞれ国ごとに異なっていて面白いよ。チリのサンチアゴでのライブを撮影したんだけど(『ブラインド・レイジ』初回限定盤にブルーレイ/CDとして付属)、南米のファンは本当にクレイジーなんだ。日本のファンは騒ぐときと静かなときのコントラストが面白いね。1985年に初めて日本でプレイしたときは、まだ日本の習慣を知らなかったこともあって、不思議な経験だったな。午後6時という早い開演時間に慣れていなかったし、実際その時間になっても会場内が静まりかえっていたから、「ほら、やっぱり間違いじゃないか。誰も来ていないよ」と思った。でもステージの幕が開いたら、満員だったからビックリしたよ。お客さんはみんな静かにしていたんだ!でも彼らは決して冷めているわけではなく、音楽をじっくり聞いて、吸収しようとしているとわかった。曲が終わると声援と拍手が湧き上がったしね。それにホテルや空港でファンが大勢待っていたり、プレゼントや花束を渡してくれたり、熱狂的な部分があるのも知っている。日本をツアーするのはいつだって喜びなんだ。

インタビュー:山崎智之
PHOTO by Photo Scott Diussa


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11月9日(日)
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11月10日(月)
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スタンディング-8,000円(前売・ドリンク代別途)

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