【インタビュー】MEANING、ミニアルバムに新境地「どこにも属せない10年も悪くなかった」

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MEANINGが10月22日、ミニアルバム『150』をリリースする。HAYATO曰く、「自分たち的に新しいことをやってみようかな」と制作されたサウンドは、その言葉通り彼らの新境地にほかならない。ヴォーカルパートにメロディアスな旋律がフィーチャーされたナンバーをはじめ、日本語詞の導入や初のバラードなど、これまでの彼らとはひと味もふた味も異なる試みに貫かれた。しかし、曲ごとのテーマが明解で潔いほどにストレートなメッセージは、いつものように歌詞をHAYATOが、作曲をカワグチが手掛けたものであり、変わらぬ本質に溢れている。

◆「What We Love, What We Hate」ミュージックビデオ

ラストナンバーにしてミニ・アルバムのタイトルに冠された「150」は、MEANING結成の地である渋谷区の郵便番号だ。加えて、ジャケット写真は渋谷スクランブル交差点をモチーフにしたもの。“どこでもない場所から俺たちは始まった”という歌詞が象徴するように、このミニ・アルバムは原点から続く線上にあり、新たな始まりを告げるものでもある。同作についてヴォーカリストのHAYATOが深く語るロングインタビューをお届けしたい。

■変わらない良さを根底でわかった上で
■変わっていくことや新しいことを楽しんでいる

──ミニ・アルバム『150』は、シャウトやガナりだけでなくHAYATOさんがメロディを“歌う”曲も多く新鮮ですが、この歌へのきっかけはなんだったのですか?

HAYATO:MEANINGは結成以来、たとえツアー中でも週に一回スタジオに入ることになっていて。ツアー中でも新曲を作ったり、ずっと作業をやっているんです。なので、2ndアルバム『SHINE OUR JOURNEY』(2012年発表)を作り終えてからも曲作りはしていて。今回、歌メロを入れる入れないは、レコーディングのちょっと前に決まった話だったんですけど、新しいこと……自分たち的に新しいことをやってみようかなと(笑)。

──自分自身でメロディパートを歌ってみようという気持ちになったということですか?

HAYATO:曲を作っているのがギターのカワグチ君なんですけど、カワグチ君が「歌ってみたら?」って言ってくれたんですよね。「自分も聴いてみたいし、聴いてみたい人もいると思うから」って。じゃあ、やるだけやってみようかなっていうのでトライして。ただ、ガナることなく歌っちゃうと普通になってしまうので、ガナりながらもキーを取るという両極端な作業には手こずりましたね。自分らしさや自分たちらしさを残したいという部分と、“歌う”という今までやっていないチャンレジの擦り合わせって感じで。自分としては10年目にして新しい挑戦もできて、ミニ・アルバムっぽいミニ・アルバムになったなと。

──ミニ・アルバムというサイズ感だからこそできた挑戦でもありますかね?

HAYATO:そうですね。シングルやアルバムでこれをやると、たぶん、「変わっちゃったかな」って言われそうだし。ミニ・アルバムの枠だったら多少とっちらかっていても、変わったことをしても、許される存在というか(笑)。ただ、ミニ・アルバム用に意識して作ったわけじゃなくても、曲を作って、この曲順にしたカワグチ君のセンスが光ってるなと。

──カワグチさんとしても、新しい試みをしたかったんですかね?

HAYATO:常にそういうタイプの人なんですよ。“他のバンドがやってるような曲は、別にMEANINGがやる必要はない”っていう人なんです。たぶん変わらない良さも根底でわかってても、それを踏まえて変わっていくことや新しいことを楽しんでいるように見えますね。

──そこには彼自身のギタリストとしての楽しみもあるのかもしれないですね。MEANINGの曲はとにかくいろんなフレーズが盛り込んであって、自由度もドラマ性も高い。

HAYATO:“自分で弾きたいものをどんどん弾いた人”が作った曲、という感じですね。

──では改めて、先ほど“手こずった”という話もありましたが、新しいヴォーカルのアプローチということでは、どんなところに難しさがありましたか?

HAYATO:今までにやってないので、どれが正解かわからなかったですね。キレイに歌うことが正解なのか、ガナりまくっていつも通りにするのが正解なのか、そのジャッジが難しかった。ヴォーカルのジャッジはすべて僕ひとりでやっているんです。「リズム的に音の乗せ方が気持ち悪い」みたいなことは言ってきても、基本は考えがあってやっていると思ってくれているので。自由だからこそ、今回は「これでOKなのかな?」って初めてみんなに訊いてみましたね。

──結果としてMEANINGの音になっているし、MEANINGの熱さになっていると思います。

HAYATO:嬉しいです!

──各曲についてお訊きしていきますが、まずは1曲目の「Sleepless Night」。これはアコースティック・ギターではじまって、英語詞の力強い歌と日本語詞によるメッセージ、そのコントラストのインパクトが高いですね。

HAYATO:僕は曲を作らないんですけど、こういう曲を作ってほしいというイメージをたまに伝えるんです。1stアルバム『BRAVE NEW WORLD』の最後に、「Judgement」という曲があって。ポジティヴ・ハードコアというか、メジャー・コードを使った明るい2ビートの曲なんですが。それが自分たちでもよくて、ライブでも頻繁にやるんです。それに近いものを作ってほしいっていうリクエストで、カワグチ君が曲を上げてきてくれたんです。

──それはHAYATOさんのリクエスト?

HAYATO:そう。で、ヴォーカルを入れるときに、気づいたらメロディが乗っていて。「ここはメロディを歌って」とか言われたんじゃなく、「ここはメロディを入れたい」ってなって、それで冒頭から歌ってる感じというか。

◆インタビュー(2)へ
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