映画『ザ・ゲスト』を盛りたてる、新鮮な1980'sエレクトロサウンド

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11月8日(土)に公開となる映画『ザ・ゲスト』だが、そのストーリーを盛り上げる80'sサウンドが素晴らしい。

◆映画『ザ・ゲスト』画像

映画『ザ・ゲスト』は、いろいろな作品からインスピレーションを受けてでき上がった作品と、脚本のサイモン・バレットが語っているが、監督のアダム・ウィンガードとともに、自身らが子供の頃に影響を受けた1980年代の映画のエッセンスを取り込んだという。パロディではなく80年代の映画と同じような考え方をするという意味だというが、その価値観は映画で使われる音楽にもそのまま表れている。

アダム・ウィンガード監督は、新しい映画を準備する時、自分の想像力にとって最も大切な入口は音楽だと明言する。

「今回、ヒップスター的なゴス・サブカルチャーを見せたかったんだ。それは、劇中に登場するアナ(ダン・スティーヴンス演じる帰還兵デイヴィッドが訪れる家の娘)の世界観で、真新しい光とともに音楽が始まるんだよ。僕は、クールで革命的なサウンドトラックを使うのが大好きで、この映画は、僕に1980年代の電子音楽への自分の趣味を満足させるチャンスを与えてくれたんだよ」──アダム・ウィンガード監督

監督は1年以上かけて、今まで映画では使われたことのない1980年代と1990年代初期のゴスや電子音楽を徹底的に集め、アナの嗜好性を作り上げている。「アナは、1980年代形式のミックステープを作ることでギャップの懸け橋となっていて、そのテープはあの時代を彷彿とさせながらも、新鮮な今を表現しているんだ」と、映画の中における音楽の重要性を説明する。

現代的な背景に、1980年代の電子音楽のトーンを反映させたかったウィンガードは、プログレッシヴ・シンセ・ロック・デュオ、ゾンビ(Zombi)のスティーヴ・ムーアを作曲家として招いた。

「彼は1980年代のサウンドを真似るのではなく、彼には、現代のサンプリング楽器でも間に合わせの楽器でもなく、年代物のシンセサイザーを使いこなすユニークな才能があるんだ。それは本物のサウンドだ。彼は、1980年代に生きた束縛のないどんなことでも受け入れる映画製作者たちと同じ感覚をもたらした。この映画の音楽は様式の革命であると同時に、当時の感覚に敬意を表している。本作のスティーヴの音楽は見事だ。彼は音楽をオマージュやパロディとして聞かせるのではなく、本当に力強い楽曲に仕上げてくれたんだ」

映画の前半後半でガラリと雰囲気を変える本作だが、その演出の裏には音楽が大きな要素を担っている。

「映画の第一章はファミリードラマのようだけど、デイヴィッドの正体が外見ほどよくはないと疑っていても、どれほど危険な男かはまだわからない。だから音楽を抑えて、観客を明確な方向に導かないようにしたかった。レイヤーがはがれていくにつれて僕は音楽にレイヤーを加えようとした。だから映画の終盤でも、最初に存在した要素はまだ残っている。僕たちはそこに電子ドラムのような音を加えて、濃厚なトーンを作り上げていったんだ。」──スティーヴ・ムーア

主演のダン・スティーヴンスは、「この映画の見どころは、サウンドトラックだと思うんだよね。音楽が最高なんだ。ムーアは素晴らしい作曲家だし、彼はエレクトロの天才だよ。ビンテージのシンセサイザーなどを持っている人なんだけど、彼は、1980年代、1990年代のサウンドを再現することができるんだ。エレクトロによるサントラが、ある種映画のキャラクターを形作っているように思うんだ。」と絶賛している。


『ザ・ゲスト』オリジナルサウンドトラック
1.Haunted When The Minutes Drag(Love And Rockets)
2.Hourglass(Survive)
3.Anthonio <Berlin Breakdown Version>(Annie)
4.The Magician(Mike Simonetti)
5.Masquerade(Clan Of Xymox)
6.Omniverse(Survive)
7.Because I Love You <The Postman Song>(Stevie B)
8.Storm Column(Gatekeeper)
9.A Day(Clan Of Xymox)
10.Emma(Sisters Of Mercy)
11.Obsidian(Gatekeeper)
12.Cry In The Wind(Clan Of Xymox)

映画『ザ・ゲスト』
ある家族のもとにやってきた、一人の訪問者デイヴィッド。美しい顔をした男の“真実”に迫る時、世界は銃声で包まれる。あなたに彼の正体を見破ることができるのか…。ハロウィン間近、戦死した息子の戦友デイヴィッドが突如として訪問してくる。礼儀正しく、謙虚でかつ容姿端麗な彼は一家に溶け込み、一家のそれぞれが抱える様々なトラブルを解決していく。しかし、その見た目や言動には想像できない裏の顔と目的をもった人物であることが徐々に判明していく。遂には特殊部隊が出動。激しい銃撃戦が繰り広げられ、閑静な街は一気に戦場と化す。彼は何者で、本当の目的は何なのか。
監督:アダム・ウィンガード『サプライズ』、『V/H/S』シリーズ
脚本:サイモン・バレット『サプライズ』、『V/H/S』シリーズ
出演:ダン・スティーヴンス「ダウントン・アビー」(TV)『ナイトミュージアム3』、マイカ・モンロー『ブリングリング』『とらわれて夏』
2014年/シネマスコープ/100分/5.1ch
R15+
字幕翻訳:齋藤敦子
(C)2013 Adam David Productions
提供:ハピネット、ショウゲート
配給:ショウゲート
the-guest.jp
公式Twitter:TheGuest_movie
公式Facebook:theguest.jp
11月8日(土)より、シネマサンシャイン池袋他にて公開
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