Jupiterが10月26日、AiiA Theater Tokyoにて<Jupiter TOUR-2014-「ARCADIA」 TOUR FINAL「Construct a World」>を開催した。

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「SE-Introduction-」が開演を知らせると同時に、真っ赤なライトがステージを浮かび上がらせた。センターにある階段状のライザーには、2バスと数多くのシンバルやタム類で構成されたドラムセット。その両脇にはエングル製ギターアンプが2スタック、バッソン製ベースアンプが2スタック、マーシャル製ギターアンプが3スタックという壁のようなアンプ群。しかしマーシャルの周りに狂い咲くのはバラ、ステージのあちこちに巨大な円柱も。ヘヴィメタルの様式を具現化しつつも、まるで西洋の宮殿を思わせるステージだ。

SEが展開を迎えたとき、この宮殿の主がスポットライトを浴びながらついに現われた。YUKI(Dr)が笑みをこぼしながら一礼してドラムにスタンバイ。妖艶なムードを放つHIZAKI(G)、きらびやかなTERU(G)、邪悪な男爵のMASASHI(B)、そして最後に貴公子のような純白の衣装でZIN(Vo)も登場。しかし今夜、この5人が宮殿で繰り広げるのは舞踏会ではない。

YUKIのフィルを合図に始まったのは、8月からスタートさせたツアーのファイナル公演<Jupiter TOUR-2014-「ARCADIA」TOUR FINAL「Construct a World」>である。全国15ヵ所で成功させてきたワンマンライブの集大成。今の自分たちの全てを見せるべく、彼らがこの日、選んだ1曲目は「Scarlet」だった。高速フレーズと伸びやかな歌メロが1つになったスピードメタルナンバーだ。その音と歌声に覚醒され、興奮した歓声が巻き起こるフロア。しかし、さらに油を注ぐかのようにJupiterはテクニカルなプレイで圧倒する。なにしろ曲の中盤では、ツーバスにフィルを絡めたYUKIが見せ場を作ったと思えば、今度はMASASHIがスラップとタッピングを組み合わせたベースソロ、さらにTERUとHIZAKIによるツインリードが炸裂。RACER XかHIBRIAのような流れに、メタルマニアは悩殺されっぱなしだ。

Jupiterは、前バンド時代から演奏力がズバ抜けて高いバンドとして知られ、ヴィジュアル系のフィールドにいながらメタルマニアからの人気も高い。この夜もメタルマニア率はかなりのもので、メンバーのスゴワザに野太い歓声も上がり続ける。それに対して、いつもは品のある言葉で語りかけるZINだが、この夜は違った。「本性をさらけ出せ!」と煽りに煽る。そこから続いたのはメロディックデスのテイストをたっぷり詰め込んだスリリングな「-己-Innovation」、ZINがデスボーカルも使い分ける起伏の激しい「ALLEGORY CAVE」である。

前のバンド時代は中世期のフランスにこだわった世界観を楽曲でも表現していたメンバーだが、今はそういった基盤をしっかり持ちながら、音楽的にはさらに多彩。そしてバンド誕生から約1年半の間に、表現力もアレンジ能力も磨きを掛けている。つまり広がりながらも深みのある曲と音とプレイ。また今回のワンマンツアーを経て、より強固になったバンド自身。説得力あるバンド・サウンドが咆哮するツアー・ファイナルだ。

ライブが中盤を迎えたとき、ステージから流れ始めたのはタブラやシタールのインド音楽。ライトに照らされたのはYUKIだった。今回のワンマンツアーで披露しているドラムソロだ。タブラと絡むようにフレーズを叩き始めたYUKIは、ストーリーを綴るように徐々にリズムを激しく展開させ、そこに高速フィルも入れ込む。プレイで魅了するソロは圧巻だ。そこから続いたのは「Church Candle」とタイトルも付けられたHIZAKIのソロ。優美な身のこなしをみせながら、クラシックのバイオリンにも通じる優雅なフレーズが会場を包む。そして叙情的メロディから高速の激弾き。クラシックのコンダクターのような手の動きで締めくくるという、聴覚も視覚も刺激しまくるソロナンバーである。

その後、ライブはJupiterの武器とも呼べるシンフォニック色を強めながら突き進む。そこで新曲も披露された。この日、会場限定で発売されたシングル「氷の中の少女」がそれだ。HIZAKIの作詞&作曲ナンバーだが、キャッチーな面が強く打ち出され、ZINの伸びやかな唱法が思う存分に活かされている。新曲にもかかわらず、オーディエンスはバンドと一体化して、すさまじい盛り上がり。その熱量を全身で受け止めながらZINは叫んだ。「理想郷へ行く準備、できているか? 全員でARCADIAへ行くぞ!」。

今回のツアー中に緊急リリースしたシングルからのナンバーであり、ツアーでは幾つものクライマックスも作り出したナンバーだ。ツアー序盤で披露したときよりプレイは研ぎ澄まされ、すっかりキラーチューンの1つに成長。これを生で聴きたかった、という海外からのファンもいたほど。歌いながらツアー中の様々な思い出もよぎったのか、あるいはツアーの達成感を早くも味わっているのか、やや目を潤ませているZINでもある。が、楽器陣は次から次へとエキサイトメントを作り出し、ライブ自体をさらに高い次元へと持っていく。見た目は貴公子や姫のようなメンバーだが、コイツらはやっぱ化け物である、ミュージシャンとして。そしてラストを飾るのは「Classical Element」だ。12分を超える大作ナンバーの中に、これでもかと聴かせどころを盛り込み、シンフォニックメタルの真髄を発揮。オーディエンスが突き上げるのは力強いメロウィックサイン。興奮と感動の光景がここに広がっている。これこそ、まさにアルカディアである。

アンコールでは新曲「The Birth of Venus」を披露するなど、新作への期待感も大いに高めたJupiter。そこで発表されたのは、2ndアルバムのことだった。2015年1月7日に『THE HISTORY OF GENESIS』をリリースするという。まだレコーディング中ではあるものの、「いい曲しかない。断言します、期待していいです」とZIN。また年明け一発目のライブとして、1回目となる主宰イベント<The Wishing Ceremony Vol.2>を1月10日に新宿ReNYで行なう。他の出演バンドは摩天楼オペラ、MEJIBREY、NOCTURNAL BLOODLUST。そして、来春のツアーも発表された。ライブ中にTERUが「ツアーファイナルだけど、新たな景色や未来が見えた」と語ったように、すでに次に向け走り始めているJupiterでもある。

最後にHIZAKIがステージで語ったことも伝えておきたい。「今回のツアー中、解散というのも考えたりしました。いや、それは音楽に真剣に向き合っているからこそ思ったことじゃないかな。そして今、みんなのいい顔を見ると、いつまでも大切に守り抜いていこうと思いました。みなさんのことも守り抜いていきます。これからもJupiterは突っ走っていきます!」。

取材・文◎長谷川幸信 撮影◎KEIKO TANABE

■<Jupiter TOUR-2014-「ARCADIA」 TOUR FINAL「Construct a World」>
2014/10/26@AiiA Theater Tokyo
1.Scarlet
2.-己-Innovation
3.ALLEGORY CAVE
4.SACRED ALTAR
5.Azalea
6.Nostalgie
7.Heaven’s Atlas
8.Drum Solo
9.Church Candle [Gt. Solo]
10.Decadence
11.Darkness
12.氷の中の少女
13.ARCADIA
14.LAST MOMENT
15.Classical Element
encore
1.The Birth of Venus
2.Symmetry Breaking
w. encore
1.Luminous
2.Blessing of the Future



■2ndアルバム 『THE HISTORY OF GENESIS』
2015年1月7日発売決定
【初回限定盤[CD+DVD]】POCS-9080 税込¥3,780(税抜¥3,500)
【通常盤[CD]】POCS-1307 税込¥3,240(税抜¥3,000)

■<Jupiter Presents「The Wishing Ceremony」Vol.2>
2015/1/10 (土) 新宿ReNY
OPEN/START 16:15/17:00
出演: Jupiter / 摩天楼オペラ / MEJIBRAY / NOCTURNAL BLOODLUST
スタンディング¥4,500(税込)/DRINK代別
一般発売日:11/29(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

■<Jupiter Tour 「Temple of Venus」>
2015/4/04 (土) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
2015/4/05 (日) 高崎Club FLEEZ
2015/4/07 (火) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心
2015/4/10 (金) 柏PALOOZA
2015/4/12 (日) HEAVEN'S ROCK宇都宮
2015/4/24 (金) 名古屋 ell.FITS ALL
2015/4/26 (日) ESAKA MUSE
2015/4/29 (水・祝) 新宿ReNY
スタンディング¥4,500(税込)/DRINK代別
一般発売日:2015/2/7(土)
【Jupiterオフィシャル先行受付のお知らせ】
受付期間:2014.10.26 (日) 22:00~2014.11.25 (火) 23:00 ※規定枚数になり次第終了致します。
申込ページ:PC・携帯・スマートフォン共通 http://www.getticket.jp/g?t=i32nzfy
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888

■シングル「ARCADIA」「氷の中の少女」
オンラインショップにて発売中!
Jupiter OFFICIAL ONLINE SHOP http://www.newbook.co.jp/jupiter/

◆Jupiter オフィシャルサイト