【倉木麻衣×BARKS連載対談】第七回(2009~2010年)「何か変化をしたい年だったんです」

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倉木麻衣が2014年12月、デビュー15周年を迎える。BARKSでは15年の歴史を振り返るべく、倉木麻衣、BARKS編集長の烏丸哲也、デビュー当時からのディレクター西室斗紀子を迎え、約1年間にわたって大型連載企画を展開中だ。前回は、環境問題をテーマとした音楽活動の活発化について語ってもらった。そして、第七回目となる今回は2009年から2010年。デビュー10周年当時の活動と心境に迫る。

◆倉木麻衣 画像

2009年の倉木麻衣は、7月から12月まで足掛け半年間のライブツアー<10th ANNIVERSARY MAI KURAKI LIVE TOUR 2009 "BEST">開催をはじめ、9月にはベストアルバム『ALL MY BEST』リリースなど、10周年記念となる作品発表やツアーに大忙し。その間に、ハロウィンライブ<10th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009 "BEST" HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE>ほか、ツアー直後にカウントダウンライブ<Mai Kuraki COUNTDOWN LIVE 09-10 “TOUCH THE BEST”>を行なうなど、ライブを通してファンやスタッフとの信頼をより強固にしつつ、アーティスト倉木麻衣を確立した時期でもある。

【連載対談第七回:2009~2010年 <アーティスト倉木麻衣の確立~10周年の挑戦>】

■カラオケの十八番が坂本冬美さんの「夜桜お七」だったんです
■着物を着て私の大事な1曲を披露したい!と

烏丸:今回のお話は2009年からということで、ちょうどデビュー10周年の年になるんですけれども。

倉木:この年は本当にいろんなライブ・スタイルをやりました。その中でも幕張メッセ2DAYSは本当に大変でしたね。

西室:涙なしには語れない……(笑)。

▲<10th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009 "BEST" ~Best Party~>(2009)
▲<10th Anniversary Mai Kuraki Live Tour 2009 "BEST" ~Surprise Party~>(2009)
▲10周年ベストアルバム『ALL MY BEST』(2009.9.9発売)
倉木:特に印象深かったことは、幕張メッセ2DAYS(<Best Party>2009年7月4日/<Surprise Party>2009年7月5日))の中で、着物を着て、私の好きな坂本冬美さんの歌を歌わせていただいたことです。

烏丸:ほお~。着物を着て演歌を歌うというのは、それまでやったことはないですよね。なぜやろうと思ったんですか。

倉木:もともと私がカラオケで歌う十八番が、坂本冬美さんの「夜桜お七」だったんです。小さい頃に家にカラオケセットがあったんですけど、祖父が音楽好きで、演歌からマライア・キャリーまで聴く人だったので、その影響で演歌も歌っていたんですね。それで中学校ぐらいの時に、クラスの友達がカラオケに集う時に披露したら、みんながわーっと言ってくれて。

烏丸:ウケたんだ。

倉木:“渋いね”とも言われましたけど(笑)。演歌を歌う人は珍しくて、でも私が歌うとみんな喜んでくれたのがうれしくて、それ以来私の中での大事な1曲になっていたんです。それはファンの方もみんな知っていたので、幕張メッセ2DAYSの中でカバー曲をやってみようと思った時に、だったら着物を着て私の大事な1曲を披露したい!と。

西室:10周年ということで、ライブもお祭り感覚だったんですね。その中のひとつとしてカバー曲もいいんじゃない?という話になった時に、今までも洋楽のカバーはやってきてるけど、普段みなさんが想像しないようなサプライズをすれば盛り上がるよね、と。せっかくだから着物を着ようということになったんですけど、これが早着替えなんですよ。

倉木:リハーサルの時は間に合わなかったんです(笑)。でも本番は頑張ってうまくいきました。花道の真ん中から出てくるんですけど、スタッフの方が一番早い方法を考えてくれて、私が台車に乗ってさーっと運ばれていくという(笑)。そういうこともやりました。早着替え、本当に大変でしたよね?

西室:すっごい大変でした! あらかじめ、できるだけ簡単に着れるようにしておいて、全部クリップで留めておいて。着付けの先生にも来ていただいたんですけど、その方も“3分で着替えたことはない”とおっしゃるので。

烏丸:そりゃそうでしょう(笑)。

西室:ワンタッチで着替えられる着物もあるんですけど、安っぽく見えてしまうので。せっかくだからちゃんとした着物を着せたいし、すごく無理なお願いをしたわけです。大事なところをクリップで留めて、4人がかりで、こっちの人がガパッとかぶせたらこっちの人がパッと引っ張って、イチ、ニ、サン!みたいな感じで。

烏丸:職人芸ですねぇ(笑)。

倉木:それだけではなく、幕張メッセ2DAYSはそのほかの曲も、セットリストも演出も全部違うんです。

西室:あの数日間はみんな、ほとんど寝てないと思いますよ。

◆インタビュー(2)へ
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