【ライブレポート】山崎ハコ、軌跡を歌と共に

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山崎ハコのデビュー40周年を記念したライブが、11月1日(土)原宿クエストホールにて開催された。9月には2年ぶりのニューアルバム『歌っ子』を発売し、デビュー日である10月1日には彼女の歌手活動を総括するベストアルバム『ハ・コ・で・す 1975~2014』をリリース、10月15日にはポニーキャニオン時代の全アルバムが再発売されるなど、40thアニバーサリーを盛り上げている。

◆山崎ハコ画像

クエストホールには、雨天にもかかららず多くのファンが早くから集まり、開演を待ち望む中、ロビーには彼女のこれまでリリースされた作品やライブポートレート、フライヤー、特集記事などが展示され、さながら「小さな山崎ハコ博物館」となって、ファンを迎えた。

<40周年記念ライブ「歌っ子」>と題された今回のライブも、彼女の歌手人生を総括するものだ。彼女の音楽に欠くことのできないパートナー・安田裕美(ギター)はもちろん、島村英二(ドラムス)、エルトン永田(キーボード)、ミッチー長岡(ベース)、尾崎博志(スチールギター)、古橋一晃(エレキギター・アコースティックギター)ら名うてのミュージシャンが花を添え、彼女のソロからデュオギター、バンドスタイルまで、バラエティーに富んだ編成で彼女の道程が演出された。

ライブは彼女の衝撃的なデビューを思い出させる「望郷」「飛びます」からスタート。「織江の唄」「白い花」「ヨコハマ」などの代表曲、「リンゴ追分」「横浜ホンキートンク・ブルース」などいまやハコ作品としても定着した感のあるカバー曲など、時と共に進化する彼女の歴史を振り返るように進行していく。最新アルバム『歌っ子』からも「ターコイズブルーの空」、タイトルチューン「歌っ子」などが披露され、自らの歌の原点に立ち返りながら制作された「歌っ子」は、未来へ向けての決意表明のようにも感じられた。

ファンは、彼女の歌の数々に自分と彼女との歴史を重ねて見たことだろう。小さなライブハウスで、深夜のAMラジオで、芝居小屋の舞台で…。彼女に魅せられる理由は、その人がくぐり抜けてきた時代の中で、生きていく上で何にこだわりを持ってきたか、それを明らかにしてくれるその世界観に他ならない。観客の誰もがそれぞれの生き様を改めて振り返る瞬間を何度も噛みしめたに違いない。

ラストの「気分を変えて」で、この濃厚な一夜は幕を閉じた。



<山崎ハコ40周年記念ライブ 歌っ子>
2014年11月1日(土)@原宿クエストホール
OP.気分を出して(インスト)<曲中挨拶>
1.望郷(バンド)
2.飛・び・ま・す(バンド)
3.織江の唄(with安田裕美)
4.白い花(with安田裕美)
5.ヨコハマ(with安田裕美)
6.流れ酔い唄(ソロ)
7.ざんげの値打ちもない(with安田裕美)
8.リンゴ追分(with安田裕美)
9.横浜ホンキトンク・ブルース(バンド)
10.Beatle(バンド)
11.空の舟(バンド)
12.ターコイズブルーの空(バンド)
13.歌っ子(バンド)
14.縁<えにし>(バンド)
15A.安田ギター・ソロ
15.山の神さま(ハコ立・ギター+安田)
16.サヨナラの鐘(バンド)
17.気分を変えて(バンド)
18.Someone To Watch Over Me(DISK)


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