【ライブレポート】ナカコー、田渕と345と沼澤による4ピースで「中学生やってみますか」

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ナカコーことKoji Nakamuraが10月30日、恵比寿リキッドルームにてアルバムレコ発ツアー<uP!!! Presents Koji Nakamura “Masterpeace Tour”>の東京公演を開催した。

◆<uP!!! Presents Koji Nakamura “Masterpeace Tour”> 拡大画像

本名による新プロジェクトKoji Nakamuraの第一弾アルバム『Masterpeace』がリリースされたのが4月30日のこと。横浜アリーナで行われたBeady Eyeのゲストアクトほか、アルバムリリース後には<RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO>、<SUMMER SONIC 2014>、<BAYCAMP 2014>などの夏フェス出演を経て、同ツアーが大阪、名古屋、東京にて開催された。そしてその最終公演となる恵比寿リキッドルームは満員のオーディエンスによって埋め尽くされた。

オープニングアクトとしてNYANTORAが登場。NYANTORAはナカコーによるプロジェクトのひとつであり、デビュー当時から続く実験的アンビエントユニットだ。ストイックなナカコーの世界感が表現されたサウンドはダイナミズムでクリア。約20分間、その音像がリキッドルームに響き渡り、オーディエンスを静へと取り込んだ。

場内が暗転すると、いよいよKoji Nakamuraのライブのスタートだ。ステージにサポートメンバーの田渕ひさ子(G/bloodthirsty butchers、toddle、LAMA)、345(B/凛として時雨、geek sleep sheep)、沼澤尚(Dr/THEATRE BROOK)の3人とナカコーが登場。ナカコーが客席に目をやりボソリと「じゃあ、やりますか」とつぶやいたと同時に波の音が流れ、アルバム『Masterpeace』のオープニングナンバー「Blood Music」が演奏された。

そして2曲目は「Dive」、3曲目に「WHITE SURF style 5.」とスーパーカーの楽曲が2曲続けて繰り出される。馴染み深いイントロが会場に鳴り響くと、各メンバー横に備え付けられた4つの映像モニターが各々の姿を映し出し、紫色のレーザーが放たれた。その後、LAMAやiLLのナンバーから「Aanemone」「Kiss」「Scum」へ。半年を経てますます息の合ったメンバーとのセッションによるテクニックの応酬は、膨れあがったオーディエンスを熱狂させるに十分だ。

メンバー紹介を挟んで「Masterpeace」から「DAISY」「I Know」「B.O.Y.」「Rain」と4曲を披露。進化し続ける現在のナカコーサウンドを十分堪能できるセクションとなった。その後のMCでナカコーがこう語った。

「えー、この後ですが、僕たちは“中学生セクション”って呼んでまして。いわゆるギターポップってヤツですかね。中学生やってみますか」

そして演奏されたのは「MOTORBIKE」「Summer Tune」「Jet Bee Town」といったスーパーカーの楽曲だ。このタイミングではメンバーそれぞれの足元がモニターに映し出される。どの場面でどのエフェクターを踏んでいるかなどが確認できる映像がライヴを一層リアルなものとした。

「エウレカにまつわる楽曲をやります」とのナカコーのMCからスタートした後半戦は、『EUREKA SEVEN AO ORIGINAL SOUNDTRACK』収録楽曲からのナンバーが披露される。ドラム、ベース、ギター、そしてストリングスの音が重なり、うねるようなインストゥルメンタルによるグルーヴがフロアに広がった。息をつく暇もないほど次から次へと曲を連ねたエウレカセクションの最後は「STORYWRITER」で観客を魅了した。

怒濤のラストセクションはソロから「Diamond」「Reaction Curve」「Kisetsu」を披露。特にファンキーなサウンドがループする「Diamond」では会場全体が体を揺らし、スーパーカーから「Love Forever」「Sunday People」「Aoharu Youth」「Golden Master Key」とたたみかける選曲にフロアの熱気は最高潮を迎えた。

「僕たちアンコールやらないバンドなんで。アンコール代わりに一曲」

と、この日の最後に演奏されたのは「Playstar Vista」。ジャムセッションのようなエンディングでライブの幕を閉じた。

全28曲約2時間。告知通り、ナカコーの全キャリアを網羅したオールタイムベストようなセットリストにオーディエンスは満足したに違いない。しかし、ナカコーとサポートメンバーの田渕ひさ子、345、沼澤尚によって鳴らされた音は、もちろん“現在”の音であり、キャリアを重ねて進化し続けるナカコーそのもの。デビュー時から本質がブレないナカコーの今後の活動がさらに楽しみとなる一夜だった。

Koji Nakamura名義の次回ライブは1月22日の新宿LOFT。ZAZEN BOYSとツーマンとなる。サポートメンバーは今回同様のメンツを予定しているとのことだ。

(c) Daisuke Nozawa

■<uP!!! presents Koji Nakamura “Masterpeace Tour”>
2014.10.30@恵比寿リキッドルームSETLIST
[Opening Act:NYANTORA]
1.Blood Music
2.Dive
3.White Surf Style 5.
4.Anemone
5.Kiss
6.Scum
7.DAISY
8.I Know
9.B.O.Y.
10.Rain
11.MOTORBIKE
12.Summer Tune
13.Jet Bee Town
14.Thatness and Thereness
15.OP Signal "ALERT"
16.Sparkplug Revolutionary
17.Too Young To…?
18.Versus Secret
19.Know Your Rights
20.STORYWRITER
21.Diamond
22.Reaction Curve
23.Kisetsu
24.Love Forever
25.Sunday People
26.Aoharu Youth
27.Golden Master Key
28.Playstar Vista


◆『Masterpeace』特設サイト
◆Koji Nakamura オフィシャルサイト
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