【ライブレポート】aiko、<LLP vol.17.5>横浜アリーナ公演で見せた“一対一”の思い

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aikoのライブツアー追加公演となる<Love Like Pop vol.17.5>が11月13日の大阪城ホールにて無事ツアーファイナルを終えた。1日の横浜アリーナ公演のレポートをお届けする。

◆aiko live tour <Love Like Pop vol.17.5>の様子

ライブ直前に雨が降っていた当日、横浜アリーナ前は開場時間前から数えきれないほどのaikoファンが集まっていた。会場内の全座席にはLED照明が内蔵され、演出側で光をコントロールするザイロバンドが配布され、会場を埋め尽くした観客がそれを各自腕につける。


aikoのライブでまず唸らされるのは、アリーナクラスのいかなる会場でも、あたかも自分のホームであるかのように感じさせてしまう抜群の安定感だ。M1「運命」でステージに飛び出したaikoは客席のザイロバンドが輝く中、クラップにメリハリをきかせて観客を引き込む。続くM2「be master of life」でのスウィングなイントロがスタートするとメインステージから場内に伸びる花道を少しずつ移動して観客に近づいていく。aikoはファン一人一人の顔をしっかりと見つめながら歌い、観客との圧倒的な信頼感がそこにあることが、aikoの集中したパフォーマンスから見て取れた。

「本日は雨の中来てくれて本当にありがとうございます。でも、もっと、ぐしょぐしょにしてやるからな!」というaikoの宣言に歓喜の声をあげる会場。M3「風招き」ではステージの端まで歩いて観客との距離をさらに縮めると、切ない歌詞のM4「愛の病」を熱唱して、最初のトークパートへ。

aikoはあちこちから飛んでくる会場の声に「なになに? 拾うからね」と耳を傾け、拾った声へ次々とレスポンスしていく。前日の公演がハロウィンの当日だったこともあり、お菓子を希望する声があがると「お菓子あげたいけどハロウィン終わってしまったので…(笑)お菓子くらいの曲をたくさんバンバンみんなにお届けできるようにがんばりますから(笑)」とコメント。そこからM5「花風」へ突入すると観客からは嬉しそうな悲鳴があがっていた。

久しぶりの横浜アリーナということで会場とのやり取りを楽しみつつ、この日はファンからのエピソードをきっかけにコンテストの話題も飛び出した。aikoは自身がデビュー前に出場した<TEENS' MUSIC FESTIVAL ’95 全国大会>の思い出として当時、決勝の渋谷公会堂で後にシングル「桜の時」の収録曲としてリリースされる「アイツを振り向かせる方法」を歌唱したというエピソードを語った。

「意外にaikoは視力がいいんで、みんなのことがすごいよく見えてるの」という語りかけから、話は今回使用されているザイロバンドへ。aikoが観客とのつながりを表現して“束縛バンド”と呼ぶザイロバンド。スタッフに「今ってつけれるんですか?」と呼びかけると一斉にザイロバンドが点灯し、色とりどりの光が場内に拡がると会場から歓声が沸き起こった。

トークに続いてこの日披露されたのは、ニューシングルカップリング曲であるM8「ドライヤー」。この曲についてはaikoは「髪を乾かしている間に、いろいろ思い出して、反省したりうれしくなったりしてるんですけど、そういうときに大事なことを思い返して曲にしようと思って作りました。皆さん、1対1で歌いますので聴いてください」と語って歌い始めた。新曲を披露するときにはいつも緊張するというaikoだが、この日はちょっぴりビターな日常の風景をありありと思い浮かべさせる歌で観客をすっかり歌の世界へと引き込んでいた。


M10「恋のスーパーボール」からは、バンドメンバーと共にセンターステージへと移動。黒のキュートなフリルスカートからターコイズブルーと白のあしらいが可愛いミニドレスへと装いを変え、繊細な色合いの光の中でしっとりとしたアレンジとなったこの曲を歌い上げる。髪型もポニーテールで登場したaikoは続いてM11「ポニーテール」をではアコースティックアレンジをで披露。センターステージでくるりと回ってドレスの裾を舞わせる姿が何ともキュートだ。

センターステージでは観客との近距離なトークで衣装について軽くふれたあと、会場限定販売商品「『あたしの向こう』LLP17.5 お近づき記念盤『着れないけどね!CD』」の話へ。実はネコアレルギーでありながら大のネコ好きであるaiko。CDに付属するシャツのネコイラストについても「絵の中やったらネコに囲まれても痒くならないから」とイラストについて語った。


会場に熱気がただよう中、M13「キラキラ」では文字通り会場中のザイロバンドが多彩にキラキラと光る。M14「染まる夢」からは会場前方の大スクリーンに歌詞を交えたロックテイストな映像を表示させ、aiko自身はセンターステージからさらに花道を走って会場後方に移動する。M16「相合傘」ではマイクスタンドの前でタンバリンを手に熱唱した。

ライブも終盤に入り、横浜アリーナの客席のブロック分けを「1階!斜め!2階!」とaiko流に変えてのコール&レスポンスで盛り上げたあとは、M17「ボーイフレンド」へ突入。この日は珍しく曲のイントロでバンジョーの音が出ないという機材トラブルがあり、コール&レスポンスからやり直すアクシデントがもあったものの、aikoが「何事も無かったように(笑)」と観客に語りかけ、その後のリトライでは一体感すら感じさせるほどの盛り上がりを見せていた。そして、ライブはアップテンポな「Power of Love」へと突入してさらに会場の熱気が高まると、最後に11月12日にリリースされたニューシングル表題曲「あたしの向こう」で会場に新しい息吹が吹き込まれ、ライブ本編が締めくくられた。

アンコールの「シアワセ」ではライブTシャツ姿のaikoがステージに登場。前回ツアーから今回の追加公演まであまり時間がない中、必死でやってきたことを振り返りつつ、歌うことが嬉しくてたまらないというaiko。「こうやってみんなと一緒にライブとかで、一人一人のみんなと目を合わせて会話することがすごく大事やなって今日のライブで歌いながら思いました」と語り、「どろぼう」と「明日の歌」を披露。ステージを去る前には即興の歌でファンに想いを伝えた。

終演後、観客らはステージに流されるセットリストのムービーを見届け、拍手で会場を満たした。aikoのステージは終わりまでぬくもりがある。それは各公演で丹念に作り上げられた演出の結果でもあるし、何よりaiko自身が会場の隅から隅まで駆けまわって観客へ近づき、声をかけ、“一対一”の思いで歌い続けてきたであろう日々の賜物でもある。

SET LIST
aiko live tour<Love Like Pop vol.17.5>
11月1日(金) 横浜アリーナ公演
1.運命
2.be master of life
3.風招き
4.愛の病
5.花風
6.サイダー
7.キスの息
8.ドライヤー
9.気付かれないように
10.恋のスーパーボール
11.ポニーテール
12.大切な人
13.キラキラ
14.染まる夢
15.舌打ち
16.相合傘
17.ボーイフレンド
18.Power of Love
19.あたしの向こう
EN1.シアワセ
EN2.どろぼう
EN3.明日の歌

aiko live tour <Love Like Pop vol.17.5>

10/31(金) 18:00/19:00 横浜アリーナ
11/1(土) 17:30/18:30 横浜アリーナ
11/6(木) 17:30/18:30 日本ガイシホール(名古屋)
11/7(金) 17:30/18:30 日本ガイシホール(名古屋)
11/12(水) 18:00/19:00 大阪城ホール
11/13(木) 18:00/19:00 大阪城ホール

32ndシングル「あたしの向こう」

2014年11月12日(水)発売
PCCA.15017  ¥1,200(本体)+税
<収録楽曲>
M1. あたしの向こう
M2. ドライヤー
M3. ハレーション
M4. あたしの向こう (instrumental)
written&words by AIKO
※M1. あたしの向こう:関西テレビ・フジテレビ系『素敵な選TAXI』主題歌
<仕様>
初回限定仕様盤:カラートレイ&初回限定ブックレット

「あたしの向こう」LLP17.5 お近づき記念盤『着れないけどね!CD』

※完全限定生産商品
2014年11月12日(水)発売
定価:\1,204(本体)+税
<収録楽曲>
M1.あたしの向こう
M2.ドライヤー
M3.ハレーション
※初回限定仕様盤・通常盤に収録される「あたしの向こう(instrumental)」は収録されません

<仕様>
スペシャルボックス仕様
CD+ミニサイズTシャツ
※aiko live tour「Love Like Pop vol.17.5」会場限定販売商品

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◆aikoオフィシャルサイト
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