【インタビュー】山崎あおい、小学生時代に友達と遊んだ放課後の風景があたたかく蘇る「ふたりで歩けば」

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新世代の“ギター女子”として注目の山崎あおいのニューシングル「ふたりで歩けば」が11月19日にリリース。この楽曲はNHK総合テレビで放映中のアニメ『団地ともお』のエンディングテーマとしてすでにオンエア中。夕日が似合うノスタルジックなタイトル曲をはじめ、カップリングの「サヨナラ」「マスク」ともども、深まる秋にピッタリのシングルについて語ってもらった。

◆山崎あおい〜拡大画像〜

■小学生時代を振り返って一番思い出したのが放課後の風景だったんです
■「ふたりで歩けば」はその情景を思い浮かべながら書きました


▲「ふたりで歩けば」初回限定盤
▲「ふたりで歩けば」通常盤

――「ふたりで歩けば」はアニメ「団地ともお」のエンディングでいち早く聴いていたんだけど、アニメのために書き下ろしたとか。

山崎あおい(以下、山崎):はい。私自身、アニメーションをしばらく見ていなかったので、話をいただいてからDVDや放送を見たりして、そこから知ったんです。周りの人に話したら、意外と好きな人が多くて。私の世代では見ている人が多いのかなって。

――内容的にも普遍性のあるアニメだもんね。

山崎:そうですよね。見ると懐かしい気持ちになるんです。見終わった気持ちのまま曲を作ったんですが、アニメの制作の方が曲にピッタリのエンディング映像にしてくれました。あの夕焼けの景色って、自分が曲を書いていたときにまさに思い浮かべていた風景だったので、「伝わったんだな」と思って、それがすごく嬉しかったです。

――夕日の情景は歌詞にも出てきますからね。

山崎:はい。「団地ともお」を見た後にすごくあったかい気持ちになったので。自分の小学生時代を振り返ったりする中で、一番思い出したのが友達と遊んだ放課後の風景だったんです。大人になると、夕方、放課後に外で遊ぶってないですものね。昔は放課後に遊んだあと、みんなでふざけながら回り道して帰ったなとか、友達と日が沈むまで公園で遊んだなっていうのを思い返す中で、出て来た時間帯っていうのが夕方だったんです。それが一番、思い出の中に出て来た風景だったので、その情景を思い浮かべながら書きました。

――そういう懐かしい夕景と、大人になった今見えている夕景っていうのも感じられますよね。今、子供の時とは違う視点があるからこそ、子供時代を懐かしむことができるという視点も一曲の中に描かれていて。そこがまた郷愁をそそるというか。

山崎:そういう時期を経て、今、振り返って昔をどう思うか、振り返った思い出をどう唄うか、それを踏まえて、今の自分の友達とか今の自分がいる場所を考えたんです。その上で、この先を思うっていうところも含めて書きました。

――編曲もそういう懐かしさが膨らむイメージでお願いしたんですか?

山崎:はい。編曲は島田昌典さんなんですけど、アレンジをしていただく前に一度お話をする機会があって。そこで、「この曲はどういうイメージなの?」っていうことを聞かれて。あまり「こういう音が鳴ってて」とか、細かいことは事前に伝えてなかったんです。私がお願いしたのは、各駅停車に乗りながら、夕日をぼーっと見て思いに耽っているイメージでって。

――ざっくりですね(笑)。

山崎:ははは(笑)。そう、すごいざっくり。そうしたら、「なるほど」とおっしゃって、こういう編曲が上がってきたんです。私の中で思った通りの編曲をしてくださって。

――音楽やっている人同士だからこそっていう感じですね。

山崎:もともと島田さんは、私が好きで聴いて来た音楽を作っていた人だったので、自分から「こういう音で」って狭めてしまうよりは、島田さんだったらどういうアレンジをしてくれるんだろうっていうのを楽しみにしていた部分もありますね。

――ワクワクして待ってたんだね。

山崎:はい。ざっくり伝えたイメージをどう仕上げてくれるのか聴いてみたかった。

――結果、すごく夕日が似合うアレンジに仕上がって。ミュージックビデオでも夕日の中で撮ってますよね。アルパカと共演してますけど、山崎さんになついてましたね。

山崎:超可愛かったです。ベタベタ触りまくっちゃいました。動物との撮影は二回目なんです。以前、「Just Friend」っていうシングルのジャケットで猫とチューするっていうのがあったんですが、猫はどちらかと言えば小さい動物ですよね。今回は大きいって聞いてドキドキしていたんですけど、ぜんぜん怖くなくて。猫のほうが怖かった。アルパカはおとなしくて、何をしても怒らない。

――ぬいぐるみのような可愛い顔ですしね。フワフワだし。

山崎:はい。警戒心がないのか、寄って来てくれるし、ぜんぜん逃げないんです。散歩させるシーンはカメラも結構遠かったので、人にはジロジロ見られて恥ずかしかったですけどね(笑)。

――この曲では唄い方が変わったような気がしますね。

山崎:変わってきているとは思います。昔の音源を聴いていても。他のアーティストさんと比べても、私の場合は、歌を聴いただけでどの時期の歌なのか一発でわかると思います。いいのか悪いのかわからないですけど、唄い方は変わりますね。

――試したりしてみてる?

山崎:はい、しています。今、アルバムを作っているんですが、その中で考えている部分もたくさんあります。

――自分なりの唄い方は元々持っていましたよね。

山崎:理想はありますね。私の場合は、音程を外さないとか、声量がすごいとか、そういうことではなくて、声質を大事にしたいと思っているんです。音源だと特にそう。ライヴだとちょっと違う部分もあるんですけど。音源では、息の使い方、息を吸う音とか、そういう部分にもいちいちグッとくるポイントが絶対あると思うので、そこまで気を使ってレコーディングしたいと思っています。

――ブレスの入れ方って大事ですよね。まさに絶賛研究中。

山崎:たぶん一生定まらないとは思うんですけど(笑)。やりたいこともその時、その時で違うし。あと、声変わりをした気がするんです。

――声変わり!? 確かに歌声も太くなったかも。

山崎:年々しゃべり声も低くなっているので(笑)。

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