【インタビュー】Purple Stone、完全復活作に「3人でステージに立てる嬉しさや貴重さ」

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Purple Stoneが11月26日、シングル「甘酸っぱいマンゴー」をリリースする。メンバー個々がそれぞれにキャリアを重ねて結成されたPurple Stoneはバンド始動からわずか半年で西川貴教主催<イナズマロックフェス2013>に出演するなど、際立つヴィジュアルと高度な演奏力で高評価を得てきた3ピースだ。しかし2014年、ボーカルkeiyaの喉の疾患によって順風満帆の活動にストップがかかる。その間にバンドはボーカリスト不在のままライブを続け、keiyaは「原因不明で完治が難しい」と医師から宣告されながらも、わずか半年で病気を克服した。そして生み出されたナンバーが「甘酸っぱいマンゴー」だ。

◆「甘酸っぱいマンゴー」ミュージックビデオ

「ポピュラーミュージックのフィールドで名曲を残したい」と公言する彼らの意欲作は、アップテンポながらオシャレな味わいを持つハードチューン。メロディー本来の良さを引き立たせる巧みなアレンジは彼らならではのアンサンブルに満ちたものであり、その上をkeiyaの圧倒的なボーカルが疾走する。BARKS初登場となるインタビューでは、バンドの結成から現在までの歩みと、「甘酸っぱいマンゴー」に封じ込めたメンバーそれぞれのこだわりについてじっくり訊いた。

   ◆   ◆   ◆

■自分たちはロックバンドという認識で活動しているけど
■大衆音楽というところに入っていきたい気持ちがある──風麻(B)

▲Keiya(Vo)

──インタビュー初登場ということで、まずバンドのプロフィールから教えてください。

keiya:もともと僕とベースの風麻くんは同じスタジオを使っていたこともあって、以前から顔見知りだったんですね。そういう背景がありつつ僕が新しいバンドを組みたいなと思って、紹介されたのが風麻くんだったんです。話をしてみたら、2人とも目指すものが同じだったし、気も合ったので一緒にやろうと。しばらく経ってから、ギターが必要だよな……ということなって(笑)。探し始めたら、GAKというイケメンがいるという話をいただいたので、どんなもんじゃいと思って会ってみたら、すごくいい子だしイケメンだし(笑)。バンドへも快く加入してくれました。それが2013年の3月のことです。

──メンバーが決まった時点で、こういうバンドにしたいというコンセプトは見えていたのでしょうか?

keiya:全く決まっていなかったです。Purple Stoneを始める前は、僕はヴィジュアル系ではないロックバンドをやっていたんですけど、ちょっと煮え切らない感じがあって。新しいバンドでは違うところに行きたくて、3人でいろんな曲を作ったりしていたんです。その頃にヴィジュアルシーンを見に行く機会が何度かあったんですけど、すごくカッコよかったんですよ。振り返ってみると、自分も昔はSIAM SHADEやL’Arc~en~Ciel、GLAYといったバンドをよく聴いていたんですけど、バンドとしてカッコいいし、メロディーの良さが抜きん出ているところに惹かれてて。自分のルーツがそこだということに気づいたというか。ヴィジュアル系をやりたいという話を風麻くんとGAKに話したところ、いいんじゃないかということになりました。

風麻:僕はB’zと出会ってロックに目覚めたんですけど、L’Arc~en~Cielや黒夢を聴くようになったんです。その後、洋楽も聴いていたんですけど、ずっとヴィジュアル系は好きで。常に自分の中にあったシーンだから抵抗はなかったですね。

GAK:一番影響を受けたアーティストはT.M.Revolutionと浅倉大介さんなんですね。僕はギタリストだけど、音楽を聴くようになったきっかけが彼らだし、サウンド・クリエイターになりたいという思いがあるので、もうずっと変わることなく尊敬しています。ギタリストとして好きなアーティストは、ボン・ジョビのリッチー・サンボラとSUGIZOさん、高見沢俊彦さん。3人ともプレイだけじゃなくて、見た目もカッコいいじゃないですか。僕はトータルでカッコいいギタリストに惹かれるし、自分もそうなりたいと思っています。

keiya:さっき話した3バンドが僕の音楽的なルーツになっていて、歌いたいと思ったきっかけは西川貴教さんでした。それに中島卓偉さんもすごく好きです。歌も本当に上手くて尊敬しています。“歌は上手さじゃない”と言う方もいらっしゃいますし、そういう意見もわかりますけど、歌が上手いというのは大前提としてあって、そのうえで表現力が問われるものだと考えているんです。

──さすがです。ヴィジュアル系一筋ではない3人が揃っているというのはPurple Stoneの個性と言えますね。

keiya:そこを強みにしたいというのはありますね。ヴィジュアル系という括りには捉われずに、自分たちなりの音楽やバンドのあり方を提示したいと思っています。今のバンドシーンはヴィジュアル系も含めてヘヴィなものが多いじゃないですか。昔のハードさと違ってゴリゴリに低音を効かせたサウンドで、デス・ヴォイスでシャウトするみたいな。それを批判する気は全くないけど、僕らは歌というものを一番大事にしたいから、しっかりメロディーがあるものをやろうというところで意見が一致しています。ヴィジュアル系が好きな人に気に入ってもらえるのは当たり前で、それこそ幼稚園児だったり、その子のお母さんだったり、お年寄りの方にも楽しんでもらえるような音楽を作りたい。そういうことも常に意識して、このバンドには取り組んでいます。

GAK:シンセアレンジに関しては、主に僕が担当することが多いです。良い意味で、その時その時の流行りは採り入れるべきだと思っていて。逆に懐かしいアレンジやサウンドも活かせるものは活かしていきたい。僕らはダウン・チューニングでやっているけど、もっとライトでポップな曲も作っていって。Purple Stoneが無限の可能性を持っていることを提示していきたいと思っています。

風麻:keiyaが言ったことと繋がりますけど、このバンドでは分かりやすい音楽をやりたいですね。自分たちはロックバンドという認識で活動しているけど、大衆音楽というところに入っていきたい気持ちがあって。よりオープンな感覚で、ポピュラリティーを持った音楽を突き詰めていきたいと思っています。

──楽しみです。Purple Stoneは2013年の6月にライブ活動をスタートして、そのわずか3ヶ月後に<イナズマロックフェス>に出演しているんですよね。このフェスは主催が西川貴教さんで、keiyaさんもGAKさんも、先ほど好きなアーティストとして名前を挙げていましたが。

keiya:本当にありがたい話が降って湧いてきました(笑)。僕とGAKにとって西川さんは憧れの人ですし、個人的に何度か話をさせてもらったこともあるのですごく嬉しかったです。メインではないエンタメ・ステージでの出演でしたけど、すごく大きいんですよ。お客さんもたぶん1,000人くらい。僕らはオープニングアクトで、朝の10時くらいにライブをしたんですね。フルメイクで、フル衣裳で、朝から野外でライブをするという(笑)。生まれて初めてステージ上で「おはようございます!」と言いました(笑)。

風麻:たしか集合したのが夜中の3時とかだった(笑)。

keiya:そう(笑)。3時頃にメイクを始めて、ちょっと余裕を持って会場に行くために6時くらいに出発したんですよ。メッチャ早く会場に着いたのに、すぐに衣裳を着たもんだから「暑い!」とか言ってました(笑)。

風麻:ライブは照明じゃなくて直射日光が(笑)。ひたすら眩しかったことと、ものすごく暑かったことが印象に残っています(笑)。直射日光で客席が見えないんですよ。なかなか大変でしたけど、あれほど多くの人に見てもらえる機会はそれまでなかったから燃えましたね。すごく楽しかったし、お客さんも朝からすごくノリが良かった。なんか、ゆるキャラがメッチャ踊ってたよな?

Keiya:踊ってた(笑)!

GAK:僕は野外で演奏することの難しさを痛感しましたね。普段と同じ音量でも、バンドの音の聴こえ方が全く違ったし、風が吹くとギターの音が流れてしまうんです。だから、すごくヒヤヒヤしながら演奏していました。でも、そういうことは全部自分の経験値になるし、大きなイベントに出させてもらえるのは、すごくありがたいことだなと思いました。

keiya:本当にいい経験をさせてもらいました。<イナズマロックフェス>に参加させていただいてなにが一番良かったかというと、メインステージに立ちたいと思ったことで。エンタメ・ステージに立たせてもらえたのはすごく光栄なことですけど、メイン・ステージでは先輩方が良いライブをして、お客さんもワァーッ!と盛り上がっていて。次に来るときは自分たちも!という目標ができました。

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