the peggiesが11月19日、1stアルバム『goodmorning in TOKYO』をリリースした。2011年の高校1年生の頃から本格的に活動を始めた彼女たちの楽曲は既に洗練されており、“若さ”や“ガールズバンド”などで括るのは野暮な域までに達している。3ピースによるポップなサウンドに乗せて語られる歌詞は、作詞作曲を行なう北澤佑扶の哲学を感じさせるもの。前へ前へと進もうとする等身大の言葉たちが、多くの人の心を掴むはずだ。12月4日に渋谷WWWにて自主企画ライブを控えたフロントマンの北澤佑扶に、バンド結成の経緯から最新音源、そしてレコ初企画<宣戦フ告 vol.1>まで存分に語ってもらった。

◆『good morning in TOKYO』全曲視聴トレーラー

■“バンド”だとか“ロック”だとかにこだわらず
■多くの人に届けるようにしたいなって思ってます

──まずはthe peggies結成に至るまでの話を。どのような出会いを経てバンドを組むことにしたのですか?

北澤:もともと3人とも中学のお友達だったんです。ただ3人でバンドを始めることにしたのは、中学2年生のとき。私は小さい頃から音楽を聴くのが本当に好きで、いつからか“バンドってかっこいいな”って思うようになって。中学時代、ベースのまぁちゃん(石渡万輝子)に誘われたんですよ。「好きなバンドがいるからライブハウスに行こう」って。1回行ってからというもの、ほぼ毎週ライブを見に行ってました。自分にとってそれがすごく大きくて、もともと歌うことも好きだったから、中学校の軽音部に入って。もちろんボーカルがやりたかったんだけど、“ボーカルやりたい”って恥ずかしくって言えなかった(笑)。「私、とりあえずギターで……」とか言ってたら、本当にギターになっちゃって。“えー、こんなはずじゃなかった……”とか思いつつ、でもバンド組んじゃったんで。それは今のthe peggiesのメンバーじゃなかったんですけど、しょうがないからギターを始めました。だけど全然面白くないからチューニングすらできないまま1年間過ごして(笑)。

──それはつらいですね(笑)。

北澤:ちょっとしんどかった。でもギター買っちゃったし、もったいないなって気持ちはあったから。中学2年になって、ギターを習いに行きました。それと同時に歌いたい気持ちとも向き合えたから、私がボーカルでもう一度バンド組み直したんですよ。そのときのメンバーが現the peggiesのまぁちゃんとみく(大貫弥久)で。その時は別々のバンドだったんですけど「一緒にやらない?」って誘ったら、「いいよ」って言ってくれたから。

──今のメンバーが揃って、佑扶さんもついにボーカルとしてバンドを始めることができたんですね。

北澤:そうなんです。なのにいざ歌ってみると、もともと自信家ではないほうだから“ボーカルやだな”って思いはじめて。“高校に入学したら、自分はもう一度ギターに戻って上手いボーカルを探そう”って考えながらバンドを続けてたんですけど全然見つからない。“ボーカルやるしかないのかな”って不安なまま中学時代は過ごしました。だけどそれじゃあ始まらないから、高校入学後改めて“もう一度歌おう”って決心しました。

──佑扶さんの歌声ってすごく自然で突き抜けてるなと思います。ひとつでもそういう風に突き抜けたものがあるバンドって強みになりますよね。どうやって歌うことに自信をつけていきましたか?

北澤:やっぱりバンドでライブを重ねていくこと。あとはアコースティックギターでの弾き語りも大きいかもしれない。歌が聴こえやすくなってしまうのはもちろん、勢いだけじゃやっていけないから。私は自分ができなかった時がすごく分かってしまうタイプで。でも、異常に負けず嫌いだし、悔しいと“次は次は!”ってタイプだから。ライブにしろ弾き語りにしろ、歌い続けて悔しがってを繰り返して、周囲の反応を見て自信をつけていきました。

──なるほど。高校時代のthe peggiesはどのように活動していったんでしょう。

北澤:初めてのライブが高校1年の7月でした。入学してすぐに曲を作りはじめて、30分のセットリストを組めるようにして。とにかくすぐに始めたい!って気持ちでした。初ライブは学芸大学のメイプルハウスっていうライブハウス。なんでかっていうと私たちが好きなバンドのホームみたいなところでもあるから、中学時代ずっと通っていたんです。だから中学生の頃から、「初めて出るのはメイプルハウスがいいね!」と言ってて。7月に出させていただいてから高校生の間は、the peggiesもメイプルハウスがホームみたいな感じでした。

──中学時代にバンドにたくさん触れて、高校生で本格的に表現を始めて、現在がある。音楽から得たものは大きいですか?

北澤:私はもともと、できないことがあったとしてもやたら自分の力を過信して“まあなんとかなるだろう”“今できなくてもどうせいつかできるだろう”みたいなところがあって。だけどバンドを続けて、歌い続けて“自分には音楽がある”って思いはじめてからは今持ってる自分の力をきちんと理解することができるようになったというか。勉強も運動も得意じゃなくてぼーっと暮らしてたんですけど、音楽を聴くことだけは好きで。音楽を自分がやる側に、少しずつでも着実になっていけたっていうのは、すごい自分の自信に繋がりました。

──そうですよね。ひとまず1stアルバム『goodmorning in TOKYO』のリリースを経た現在の気持ちはどうでしょう。

北澤:the peggiesとして最初の頃は、ひとつひとつが嬉しくて、ひとつひとつがゴールみたいな感じだったんだけど、こうやって続けていくとやっぱり上には上がいるし、狭い世界だけで褒められて満足する訳にはいかなくなるので。昔の自分よりは大きくなっているはずなのに、なんだかどんどん下にいる気がしちゃったり。できることが増えて成長していくほど、自分自身の成長する幅ってどんどん増やしていかなくちゃならないんだなと思って。

──ゴールはないと思いますが、現状のthe peggiesの目標は?

北澤:なんだろう……。私、知ってる人は知ってるバンド、みたいな風にはなりたくなくて。自分もそういうバンドで好きなバンドはたくさんあるし良いと思うんだけど、きっと私の作るthe peggiesの音楽は、いろんな人に受け入れてもらえる音楽だって思ってるから。それなら“バンド”だとか“ロック”だとかにこだわらずに、なるべく多くの人に届けるようにしたいなって思ってます。だからthe peggiesはTVにも出たいし。たくさんの人が聴いてくれる音楽をやりたいなって思います。

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