【ライブレポート】＜HighApps×スペシャドラマ「スリーピース」＞、ドラマとライブの交錯＆コントありの特別な一夜

12月4日、東京 TSUTAYA O-EASTにてライブイベント＜HighApps Vol.22 -collaboration『スリーピース～クソバンドたちの逆襲～』＞が開催された。

◆＜HighApps Vol.22 -collaboration『スリーピース～クソバンドたちの逆襲～』＞　画像

このイベントはHIP LAND MUSICによる主催ライブイベント＜HighApps＞と、スペースシャワーTVのドラマ番組『スリーピース～とあるクソバンドが自然消滅するまで～』のコラボレーション企画として行われた。イベントにはドラマに出演していた面々の所属するバンド、KEYTALK、SAKANAMON、THE ORAL CIGARETTES、赤い公園という4組が登場。バンドの演奏に加え、転換時には同ドラマに出演していた面々によるミニコントも繰り広げられるスペシャルな一夜となった。

開演に先立っては、まずはサイドステージにHIP LAND MUSICが手掛けるUstream番組『夜のぶっちスタジオ』のマスコットキャラクターであるカエルの“ぶっち”が登場し、注意事項をアナウンス。さらには“元気”こと藤森元生（SAKANAMON／Vo&G）と“あきりん”こと佐藤千明（赤い公園／Vo）、さらには警官に扮した森野光晴（SAKANAMON／B）と木村浩大（SAKANAMON／Dr）が登場してのミニコントが繰り広げられ、集まった観客の笑いを誘う。

そしてトップバッターに登場したのは、先日O-EASTでのワンマンライブを成功させたばかりのTHE ORAL CIGARETTES。「Mr.ファントム」で口火を切ると「モンスターエフェクト」「出会い街」とアップテンポなナンバーを畳み掛け、フロアの温度を上げる。

「自分がドラマで演じたヤマタクは、借りた金を返さないようなゲスなキャラで。スペシャのドラマから僕らを知ったって人には、すごい悪いイメージがついた。恨んでおります（笑）」
そうMCで山中拓也（Vo＆G）が番組を振り返ると、やはりドラマに出演していた“たけっち”こと小野武正（KEYTALK／G）から「金返せボケー！」と突っ込まれる一幕も。再び4人は演奏に戻り、「俺らはあと３曲、盛り上げに盛り上げきって帰るだけやから」と「STARGET」をプレイ。中西雅哉（Dr）の叩き出すビートに、あきらかにあきら（B）が足を高く振り上げ、鈴木重伸（G）も客を煽り、白熱の演奏を見せる。「大魔王参上」では、「お前ら全員、俺らの味方にしたいんです」という山中に応えて、サビでは大合唱が湧き上がる。ラストは“最後に俺らの人生を変えた一曲を”という「起死回生STORY」。エネルギッシュな演奏とバンドの勢いを見せつけるようなステージだった。

幕間に繰り広げられたのは、居酒屋の店長とバイトに扮したKEYTALKの面々が「◯◯いただきました！」「ゴキゲンで！」と声出し練習をするというミニコントがあり、続けて赤い公園が登場する。

ブルーハーツ「夢」をSEに登場した4人は、「今更」からライブをスタート。アルバム『猛烈リトミック』をリリースし、東京 EX THEATER ROPPONGIでツアーファイナルを行ったばかりの彼女たちは、ツアーを経て一回りも二回りもパワーアップしたバンドの今を見せる。「絶対的な関係」では佐藤の力強い歌声が響き渡り、藤本ひかり（B）が飛び跳ねるようにベースをプレイ。「のぞき穴」では津野米咲（G）が激しくギターを弾き鳴らし、歌川菜穂（Dr）が強靭なアンサンブルを支える。

MCでは「あきりん、さっきすれ違ったらテレビで観るより全然可愛かった」と語る藤本に「私はすれ違ってないけどね？」と佐藤がいなすというやりとりも。「“元気ちゃんとラブラブな役だから、ファンの子大丈夫かな？”って言ったら「全然大丈夫！」って言ってたんだよね」とドラマを振り返った。

後半は、静かなムードで会場を包んだ「いちご」から「夏にできた最高の片想いソング」という「サイダー」、そして代表曲「NOW ON AIR」と弾けるようなポップチューンを続ける。激情に満ちた轟音で締めくくった「ふやける」まで、唯一無二の存在感を見せた。

「ヤマタク」こと山中とTHE ORAL CIGARETTESの面々によるミニコントを挟んで、三番手に登場したのはKEYTALKだ。

こちらも11月に東京 EX THEATER ROPPONGIでツアーファイナルを終えたばかりの彼ら。「わっしょい！」という大きなコールが巻き起こった１曲目「MABOROSHI SUMMER」から「UNITY」へ、ノリのいいビートと親しみやすいメロディを併せ持つダンスナンバーを連発。オーディエンスの興奮のボルテージをどんどんと上げていく。寺中友将（Vo＆G）と首藤義勝（Vo＆B）がメロディラインをわけあい、小野武正（G）がギターを弾きながらステージ狭しと走り回る。

MCでは小野が「ドラマの打ち上げがしたいがために集まったイベントです」と、小野が語る。メンバー紹介では「バイトA、バイトB、店長」というミニコントを引っ張り、「よろしくお願いします！」というコールにお客さんに「ゴキゲンで！」と返させるやりとりも。

後半もハイテンションなナンバーを連発した彼ら。「まだまだ踊り足りないよな！」とプレイした「MONSTER DANCE」でオーディエンスのテンションはさらに上がり、「最高にデカい声だしてくれ！」という八木優樹（Dr）のシャウトから始まった「太陽系リフレイン」ではフロントの３人が激しく観客を煽る。ポップなメロディと変幻自在の展開を見せる「FREEDOM」から、ラストは甘酸っぱいメロディの「エンドロール」へ。力強いダンスビートとキャッチーなメロディーセンスを放つバンドの底力を見せつけた。

ボビー・オロゴンや井上陽水のモノマネなど意外に芸達者なところを見せた「ヤマタク」と「あきりん」が登場したミニコントに続いて、この日のラストに登場したのはSAKANAMONだ。

ステージには藤森、森野、木村の3人とマスコットキャラクターの「サカなもん」が登場。「イケるか、渋谷！」と一曲目「マジックアワー」から疾走感に満ちた曲を繰り出す。ヒネりのあるポップセンスを武器にしてきた３ピースバンドの彼らだが、ステージはやはり激しくエネルギッシュ。「幼気な少女」ではサビでのコールでオーディエンスを巻き込み、藤森のしなやかな歌声を軸に３ピースの柔軟な演奏を見せる。

「ミュージックプランクトン」から「空想イマイマシ―」とポップなナンバーを披露した彼ら。曲中のブレイクでは、THE ORAL CIGARETTESの「STAGET」、赤い公園「NOW ON AIR」、そしてKEYTALK「MONSTER　DANCE」と共演者の代表曲を藤森がメドレー形式で歌うという、この日ならではのアレンジも見せる。

MCでは、ドラマで見たり音源は聴いていたけれどツアーで対バンするまでTHE ORAL CIGARETTESのライブを観たことがなく、ライブを観てメンバーの印象がだいぶ変わったと森野が語る。「ドラマを観てたらただの変態だと思ってた人もいるかもしれないけど、ライブを観て“格好いい変態”に認識を改めてもらえれば」と、続いては「TOWER」を披露。ディスコティックな曲調に藤森がギターを置き、ステージ中央に躍り出て歌い上げる。「♪ラララ～」のコーラスをオーディエンス全員に歌わせ、ラストは力強いダンスナンバー「アリカナシカ」でカラフルに本編をしめくくった。

そして、アンコールに応えてサイドステージに現れたのは「アキリン」（佐藤）。「元気くんと結婚してもう5年――」と、ドラマの後日談のようなエピソードを語り始める。そしてステージには「元気」（藤森）が登場し「君にプロポーズした時に歌ったあの曲を歌うよ」と呼びかけて、ドラマ主題歌「君の○○を××したい」を歌い始める。ドラマのときと同じ警官に扮した森野と木村が再びステージに現れて楽曲が始まると、「アキリン」もステージへ。さらに曲の途中からは、この日の出演バンドの全メンバーがドラマの衣装でステージに乱入というスペシャルな展開に。鈴木重伸、津野米咲、小野武正と3バンドのギタリストが代わる代わるギターソロを披露し、総勢15人がステージ上に入り乱れた。

「ありがとうございました、スリーピースでした！　今後とも4バンドをよろしくお願いします！」と藤森がしめくくって、ドラマとライブが交錯した独特の一夜は終了。最後には“店長”寺中の「写真、いただきました！」「はい、ゴキゲンで！」のコールと共に全員で記念撮影し、イベントを締めくくった。

また、終演後4月に大阪と東京でHighApps SPECIALが開催されるという発表があった。こちらの第一弾出演者の発表は12月18日にHIP LAND MUSICのUstream番組『夜のぶっちスタジオ」にて行われ、同時にお得な最速先行予約も開始されるとのことだ。気になる人は見逃さないようにしよう。



◆HighAppsオフィシャルサイト
◆＜HighApps SPECIAL!! ～SPRING ROCK PARTY 2015～特設サイト
◆HighApps Twitter