【インタビュー】木村カエラ「自分じゃないキャラクターになれる開放感」

2月13日に公開される映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』に木村カエラがイメージソングを提供、劇中で声優にも挑戦していることが発表された。

◆木村カエラ画像

長編アニメの声優に初挑戦した木村カエラは、「予想以上に楽しかった」と、初アフレコを存分に堪能したようだ。木村カエラが声優を務めたのは、ムーミンたちがバカンス先で出逢ったピンプルという名の犬で、犬なのに猫しか愛することができないというコンプレックスを持ったちょっと変わった犬だ。

──初めてのアフレコはいかがですか？

木村カエラ：予想以上に楽しかったです。自分じゃないキャラクターになれる開放感というか快感がありました（笑）。言葉だけで、ここまで抑揚をつけて感情的に話すことはないので、大げさに演じる感じが面白かったです。やっぱり、サウンドやリズムのあるレコーディングとは違いますね。

──大変だったことは？

木村カエラ：犬が本能に返るというか、犬らしく振る舞うシーンがあるんですが、そこはどうしよう！と思いました。人生初の経験だったのでドキドキしました（笑）。でも、1発OKだったのでよかったです。

──オファーをもらった時はどう思いましたか？

木村カエラ：子供のころからムーミンは大好きだったので嬉しかったです。かわいくて夢の世界に連れて行ってくれるのに、ただかわいいとか、ただ楽しいだけではなくてとっても深いですよね。今もアニメをみるんですけど、刺激をもらえます。

──イメージソングについてお聞かせください。

木村カエラ：もともとのアニメの主題歌だった「夢の世界へ」という曲がすごく素敵で、その美しさや歌詞の深さが大好きだったんです。なので、今回この曲からイメージを受けて作っていきました。切なくて、きれいな曲になるようにって。それに、本編を見させていただいてとっても印象に残ったセリフがあって。水着を見たフローレンにムーミンが「まるで裸みたいじゃないか」というセリフなんですけど。ふざけてるのか？と思いつつ、普段のムーミン谷でも裸のはずの彼女に対して、都会の南の海に行ったときにだけそう言うのって、見え方が変わっちゃっているんだなって。きっと、本当に大事なことは目でみているんじゃなくて、心の目でみている、ということなのかなと。自分なりの解釈でもあるんですけど、そこから歌詞を広げていったりもしました。

──ムーミンが大人に愛される魅力は何だと思いますか？

木村カエラ：真面目さとシュールさをあわせ持ってるところが素敵なんだと思います。ムーミンを見ると、いつも気持ちがゾクゾクするんですよね。なのに、ファンタジーのかわいい部分もあって。愛される理由が分かります。

──最後にメッセージをいただけますか？

木村カエラ：イメージソングとピンプル役で初のアフレコに挑戦しました。とっても楽しいいい経験になりました。この映画はきっとファンにはたまらない作品になっていると思いますし、私自身、映画をみてとても素敵な映画だなと思っています。ファンタジーで優しい世界に連れて行ってくれますよ。




配給会社によると、1964年のアニメ放送から、実に50年以上もの時を経た今、子供から大人まで、とても幅広い層に愛されているムーミンは「とても優しくて、楽しくて、どこか不思議で、ちょっぴりせつなさもある存在」…そんなその要素を全部持っているのが木村カエラだったとか。時代や世代を超えて普遍的なテーマを伝え、それがずっと受け継がれているムーミンと木村カエラが、アーティストとして表現される楽曲とのイメージもぴったりという。大人になっても子供心を思い出させてくれる両者だからこそ、楽曲も映画も両方で2倍楽しんでもらいたいとのことだ。

映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの生誕100周年記念作品だが、木村カエラも2014年6月から10years anniversary！と題し、2015年6月までアニバーサリーイヤーの活動に突入している。ベスト盤やシングルのリリースに続き、10月25日（土）、26日（日）には横浜アリーナにてこれまでの10年間を凝縮した記念ライブを開催し、ロックサイドの楽曲ばかりを集めた25日の「Rockin'ZOO」、ポップサイドの楽曲ばかりを集め26日の「Poppin'PARK」）で、全50曲を2万人のファンに届けた。ライブ最終日26日には2年ぶりとなるニューアルバム『MIETA』を12月17日にリリースすることを発表、今回映画に書き下ろした『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』日本版イメージソング「eye」は、アルバムの最後を飾る11曲目に収録される。