【インタビュー】FULLSCRATCH、最新アルバムは“最速”「むちゃくちゃでもええんちゃうかな」

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FULLSCRATCHが12月3日、フルオリジナルアルバム『THE GREATEST FASTEST』を発表した。同アルバムはPIZZA OF DEATH RECORDSと合体したレーベルTIGHT RECORDSから発表されたもの。そのレーベルオーナーにして、FUCK YOU HEROESやBBQ CHICKENSのドラマーでもあるANDREWがFULLSCRATCHに正式加入後の初アルバムであり、セルフカバーと新曲で構成された前作『ASSHOLE RETURNS&THE HISTORIC COLLECTION』から7年ぶり。全新曲のオリジナルアルバムとしては実に11年ぶり通算5作目となる。

◆「Always Rising After Fall」ミュージックビデオ

タイトルに“最速”を掲げたアルバムは、初期そのままのアグレッシヴな勢いと熟練のスキルが絡みあって小気味良い。全14曲全28分が、まさに最速の音像で届けられる仕上がりだ。また、ウエノコウジ、THE CHERRY COKE$、GOOD4NOTHINGなどゲストミュージシャンも豪華。復活に至る経緯について、アルバムについて、ANTON、YOSHIHIRO、ANDREW(masasucksは欠席)が語る爆笑インタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■復活したの、結構俺らが早かったよね
■流行る前に復活してた(笑)

──まずはFULLSCRATCH復活から、アルバム『THE GREATEST FASTEST』に至る流れから伺っていきたいと思いますが、より活動が活発になったのはANDREWさんが加入してからとなりますね。

ANDREW:そうですね。僕がいちばん新しいメンバーなんですけど、なぜかリーダーっていう(笑)。

ANTON:すごい勢いで駆け上がった(笑)。

ANDREW:まとめ役がいないので(猛爆)。もともと僕は、解散前はFULLSCRATCHのサウンド・エンジニアとしてずっとやってきたので、付き合いは10年以上になるんです。解散してからは……4年くらい活動してなかったんだっけ?

YOSHIHIRO:うん。

ANDREW:それで復活してからもまたエンジニアとして参加していたんですけど。ひょんなことから、「お前叩けや」となって。それで、叩きはじめたのが2010年くらいかな?

YOSHIHIRO:全然覚えてないなあ。でも、知らんまに叩いとったよな。

ANDREW:正式に「メンバーになります」って言った記憶もないし、リーダーになった記憶もない。謎な感じなんですけどね(笑)。

──ドラムを頼むならANDREWさんだろうということだったんですかね?

ANTON:曲もよう知ってるし、いけるやろと。

ANDREW:練習も1回くらいしかやらずに、ライブやらされたりしてましたね。実は、復活直後に出したベストアルバムのなかに新曲も入っていて、そのなかの1曲を叩いたりしているんです。そういうのもきっかけのひとつかな。

──今のメンバーに固まって、さあ活動していきましょうというモードになっていたんですか。

YOSHIHIRO:でも、ぼちぼちしかやってなかったよな。

ANDREW:その時からそれぞれ別のバンドの活動もあって。みんなそれぞれバンドやってたのに……何で復活したの? 俺が訊きたいわ。

ANTON:俺は知らんわ(笑)。

YOSHIHIRO:最初、masasucksがやろうって言ったのかな。なんかのイベントだったよな?

ANDREW:恵比寿LIQUIDROOMで一夜限りの復活みたいなスペシャルなライブがあったよね。

YOSHIHIRO:そうそう。それで「やってくれ」って言われて。そこから調子に乗ってちょこっとずつやりはじめたら、音源作ろうかっていう話になって。

──では、その流れに乗ってきたというくらいの感覚なんですか。

YOSHIHIRO:そうですね、自然に。

ANDREW:復活、流行ってたしね(猛爆)。

YOSHIHIRO:でも復活しはじめたの、結構俺らが早かったよね。流行る前に復活してた(笑)。

──再始動してみたら楽しいなっていうのもあって、こうして続いているんですかね。

ANTON:うーん、楽しかったとしても今は言いたくないですね、楽しいとかは(笑)。こういう場では。

──今だからやる意味はあるのかなっていうのは?

ANTON:常に意味なんか感じてないですよ、バンドに。

ANDREW:ははは。

YOSHIHIRO:でも、“ライブ=飲める場所”を求めてて。

ANDREW:飲み行こうかみたいなね。実際にライブ前にも飲むし、ライブ後にも飲むし、ライブ中も飲む、常に飲んでるっていう。その飲み仲間みたいな感じで(笑)。

──集まる理由にはなりますね。でもその復活から作品リリースまでは、時間がありますよね。アルバムを作ろうかっていう話はずっと出てはいたんですか?

YOSHIHIRO:作る作るっていうのはずっとあったから、作っていて。

ANTON:4年前くらいから作ろうと話とって、ちょこちょこ曲のネタはあったんですよ。でもみんな無視してて。誰もそれに手をつけようとしないっていう(笑)。だいぶ寝かせてたよな。

YOSHIHIRO:4曲か5曲たまってきてはじめてやな、「ちょっと見えてきたから」って話になってんな。

ANDREW:そうだね。毎回なにかが見えたなと思うと誰かがめちゃめちゃ忙しくなったりとかして。masasucksがthe HIATUSでツアーに行っちゃうとか、ANTONもRADIOTSのツアーがあったり、自分も仕事が忙しいかったり。だから、「できた曲を聴いてよ」ってメールで送られてきたりして。それに「じゃあドラム入れてみるわ」っていうのを繰り返して(笑)。そんなことを何年もやりとりしたね。そもそも、“なんで作ることになったのか”っていうのが、このメンバーでライブでやる曲が10年以上前のものなんですよね。そんなことをやっていてもしょうがないなと。せっかく4人で集まって、音楽やってるんだったら新しいことやろうよっていうことから、何年もかかってしまったという。

ANTON:それで去年くらいに、「もうレコーディングの日にち決めてもうたらええねん」って、決めてしまって。強引にやった感じですね。

──逃げられない状況を作って始めたと。

ANDREW:結構みんなそんな感じなんですよね。締切とかを決められたほうがやるんですよ、インディーズのバンドはみんな(笑)。

──そうかもしれませんね。そこでアルバムをANDREWさんがオーナーのTIGHT RECORDSで出そうというところまで決めていったんですか。

ANDREW:そうですね。選択肢は特になかったよね。

ANTON:ANDREWおるし。

ANDREW:クルーのなかで全部完結できちゃうんですよ。エンジニアがいて、曲作る人がいて、デザインする人がすぐそばにいるし。

◆インタビュー(2)へ
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