【インタビュー】OBLIVION DUST、ライブ映像作完成「人生って失敗からしか学べない」

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■音楽に限らず、人生のテーマって失敗から学ぶこと
■だから、失敗を恐れてはいけないけど、繰り返してはいけない

──ボーカルは肉体ひとつで歌って会場をひっぱるし、いちばん人間臭さが出るパートですしね。

KEN:そうなんだけど、俺、ステージで見られてるっていう感覚があまりないんですよ。お客さんの中の一人がステージに上がって、音に反応して、動きまわって好き勝手やってる感覚に近いのかもしれない。そういう意味ではお客さんの代表じゃないですけど、別に誰も見てないし、って。

──ははは。みんな、見てますよ。俺はロックスターだ的な感覚がないっていうことなんですか?

KEN:それは昔のオブリでもFAKE?でも一緒なんだけど、カッコつけようって感覚もないし、見える部分より見えない部分のほうが遥かに重要だと思ってるから、衣装もどうでもよかったりするし。

──でも、DVDの中でステージに立って曲が鳴り出した瞬間、違うモードになるって言ってますよね?

KEN:そうそう。違うところに行っちゃう。でも、お客さんも一緒じゃないですか。バンドが出てくる前は友達としゃべってたり、BGM聴いてたり、飲みもの飲んでたりしながら、どんな感じかなって待ってる。俺もステージに上がる前は「今日は何が起こるんだろうな」って。何かをしようっていうより、何をするんだろうなって。

──じゃあ、ステージで前を向いたまま、すごいスピードで横に移動する独特のパフォーマンスも衝動的なんですか?

KEN:うん。「あっちに今すぐ行きたい」って(笑)。K.A.Zが左に行ったから、俺は右に行こうっていう感覚じゃないから、メンバーとぶつかったりするんですよ。たまに全員、左側にいたりして(笑)。

──ははは(苦笑)。あまり、そういうバンドは見たことないですね。

KEN:なにか左に吸い寄せられるパワーがあったんでしょうね。お客さんが振り付けしてくれたりするのは全然いいんだけど、こっちが同じ動きをするのは苦手。日によっては、やりたくないこともあるし、それはリアルな感情じゃない。お客さんだって、やりたくないことやってる姿は見たくないと思うから、やりたいことしかやらないっていうか。

──なるほど。熱血のRIKIJIさんがいてクールなK.A.Zさんがいて本能的なKENさんがいるというバランスがOBLIVION DUSTでもあるという。

KEN:K.A.Zも熱いんだけど、青い炎って感じ。

──内側で燃えてるっていうね。

KEN:いちばんタチ悪いヤツですよ(笑)。でも、RIKIJIもK.A.Zも俺がこういう感じだから、こうするっていうのはあると思うんですよね。逆に俺もRIKIJIがこうでK.A.Zがこうだからって行動してるし。

──大人になりつつも、いいライバル関係のテンションを保っているのはライブから伝わってきますからね。

KEN:そうですね。バンドは競い合っているほうがいいと思うけど、お互いに対する思いやりがなければ、ライバル同士はうまく行かないんですよ。実際、解散前はそういう気持ちがみんななかったから。でも、DVDの中でも言ってるけど、1回、失ってるからね。音楽に限らず、人生のテーマって失敗から学ぶことだと思ってるし、失敗からしか学べない。だから、失敗を恐れてはいけないけど、繰り返してはいけないと思ってる。ここ太文字にしておいてください(笑)。

──それと復活してからのOBLIVION DUSTはKENさんが、FAKE?、ATOM ON SPHERE、K.A.ZさんがVAMPS、RIKIJIさんがMEGA8BALLとそれぞれのユニットやバンドがありつつ活動しているじゃないですか。それだけにお互いの変化、成長も見えると思うんですけれど、KENさんから見て2人が変わったなと思うところは?

KEN:あ~! 最近、写真撮影するとK.A.Zのポージングがモデル並みにうまいんですよ。解散前は……。

──棒立ちみたいな?

KEN:そこまで行かないけど、VAMPSで写真撮られてる回数が多いから、(ポーズを見て)「え~!?」って、俺のほうが棒立ちになっちゃうみたいな(笑)。それがカッコいいんですよ。あからさまに成長したところですね。

──自分の見せ方に意識的になっているということですね。

KEN:すごく上手だし、美に対して……。

──敏感になっている?

KEN:敏感というか、もう“美”そのものですね(笑)。RIKIJIは昔よりOBLIVION DUSTの中での立ち位置について考えていて口癖のように「KENとK.A.Zがいてのオブリで、俺は2人を支えればいいから」みたいなニュアンスのことを言うんですよ。要はそれって陰のリーダーみたいなものじゃないですか。シンプルに言うと頼れる感じになっていて、それはファンにも伝わってるのかなって。「RIKIJIさん、カッコいい」っていう意見も多いし、スタッフやファンとコミュニケートしてるし、自分がやるべきことをわかってる気がしますね。

──KENさんは自然体が基本なところは変わらず?

KEN:自然体にしない理由がないですね。解散前もありのままで、とげとげしくてケンカっ早くてキライなものは「キライ」ってハッキリ言うから、イメージ悪かったんだけど(笑)、今もありのまま大人になってるから、なんで作る必要があるのかなって感じですよね。客観的に自分を見てキャラクターを作る人を否定してるわけじゃなくて、作れるってスゴイなと思う。いろんな人がいるべきだと思うし、そのほうが楽しいよね。

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