【インタビュー】LM.C、8年たった答えが音の佇まいや箱庭的世界観にすべて入った『PERFECT RAINBOW』
2014年10月にデビュー結成8周年を迎えたLM.Cがニューミニアルバム『PERFECT RAINBOW』をリリースする。前作『PERFECT FANTASY』の続編という捉え方もできる新作は、EDMアプローチの曲が多かった前作に対して、バンドサウンド寄りのナンバーが多いのが特徴。とは言え、「これLM.C?」とビックリするような情緒的なバラードや逆にこれぞmayaの世界観炸裂のほっこりする野球少年奮闘ソング(?)も収録されていて、タイトルどおり虹のように様々な色を持つ物語が展開されていく。そのめくるめくストーリーは“誰も本気にしない 宇宙に架かる伝説を僕らは信じてる”と歌う「Brand New Rainbow」で幕を閉じる。日常と宇宙をつなぐロマンティシズムこそLM.Cの真骨頂。全曲の制作エピソードについてmayaとAijiにたっぷり語ってもらった。
■“幻想の次は虹だな”ってひらめいたんです
■ファンタジーの向こうに虹がかかったらステキだし
■言葉の響きや文字の並びがハマった
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| ▲『PERFECT RAINBOW』初回限定盤 |
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| ▲『PERFECT RAINBOW』通常盤 |
──前作『PERFECT FANATSY』からわずか10ヶ月でリリースされるアルバム『PERFECT RAINBOW』は、あいかわらず曲のクォリティが高くて、新鮮な発見がありながら前作とのつながりも感じさせる。8曲入りのスタイルで2枚リリースする計画は前からあったんですよね?
Aiji:当初、『PERFECT FANTASY』はフルアルバムにするつもりで作業していたんですが、途中でセパレートにしようかっていう案が出てきたんです。制作中にmayaも“次は『PERFECT RAINBOW』にしよう”って言っていて。
maya:タイトルは、その瞬間のLM.Cを表していると同時に、向かいたい先も示唆している言葉を選びたいと思っています。そんな中で『PERFECT FANTASY』というタイトルが生まれて、前作のレコーディング中に“幻想の次は虹だな”ってひらめいたんです。ファンタジーの向こうに虹がかかったらステキだし、言葉の響きや文字の並びがハマったなっていうのもありました。
──PERFECTシリーズですね。じゃあ、『PERFECT RAINBOW』はどうだろう?ってAijiくんに伝えて?
Aiji:伝えられたというよりも「次のタイトルはこれです」って感じですけどね。
──(笑)いつも通り、事後承諾ですね。
Aiji:それ以上の説明はないんです。
maya:候補がいくつかあったら相談しますけど、独断っていうことじゃなくて、「LM.Cとしてこれだな」って思うときは間違いがないんで。
──2人は今作をどう捉えているんですか? チャレンジした部分があったら教えてください。
Aiji:LM.Cって自分で言うのもなんですけど、さっき言っていただいたように曲がいいんですよ(笑)。だから、挑戦というより、過去のLM.Cをどう超えていくかが、いつもテーマです。その集合体のアルバムという意味では全く変わらないんですが、気持ち的には8年前に2人でスタートさせたときと変わらずに作って、あらためて聴いて思うことは、LM.Cの世界の深度や説得力がいろんな意味で増しているなと。大人になったと思います。
──確かに。表現方法は大人になったけど、それでいて丸くはなってないですよね。攻撃性はちゃんと内包しているし。
Aiji:“LM.Cは8才です”っていう感じは出てますよね(笑)。そこは毎年、更新していくんだろうし、8年たった答えが音の佇まいやLM.Cの作っている箱庭的世界観にあますことなく入っていると思います。自分たちの熱量はまったく落ちていないし。
──サウンド面でいうと『PERFECT FANTASY』はEDM色が強くて『PERFECT RAINBOW』はバンドサウンドに置き換えられるロック色が強い曲が多いと思いました。
Aiji:前作がEDM方向の作風だったので、多少の反動があったのかもしれないし、今作のために新たに作った曲は「JUST LIKE THIS!!」と「Brand New Rainbow」だけなので、たまたまストックしてた曲にバンドサウンド寄りのものが多かったのかもしれないですね。いい意味で棲み分けができたと思います。
maya:あと全体的なトーンがそれほど明るくないと思うんです。短調の曲が多くて自然とそうなったんですが、それを良しとできるのも今までのLM.Cの歴史に後押しされているからだと思うし、前作があっての今作だから、なおさら際立つというか。2枚のアルバムがお互いに引き立てあって輝かせてくれている気がしますね。










