【ライブレポート】ベイビーレイズ、日本武道館へのリベンジを誓い「改名します」

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ベイビーレイズが12月18日、東京・日本武道館でワンマンライブ<「伝説の雷舞!—虎虎壱番—」〜とりあえず生!生!生!生!生で見てくれ武道館〜>を開催した。

◆ベイビーレイズ 日本武道館ワンマンライブ 写真

2年間の奮闘の末、ついに辿り着いた日本武道館。メンバー5人が生の影アナで開演を告げ、この日のライブはオンタイムで始まった。5匹の虎が疾走するオープニング映像が流れた直後、メンバー5人は舞台下から勢いよくポップアップで登場。1曲目「ベイビーレイズ」で幕開けを飾ると、客席からはとたんにメンバーをコールする熱い掛け声がわき起こる。このライブでは5人編成のバンドが彼女たちのロックサウンドをがっちりサポート。5人の生歌×バンドの生演奏×オーディエンスの生の声援が相乗効果を生み、のっけから武道館はまるでロックバンドのステージのようにヒートアップした。「Level.1」ではステージからアリーナ中央に伸びたスロープをみんなで勢いよく駆け出し、サブステージで5人がカッコよく腕組み。その後コミカルなポップチューン「ぶっちゃけRock’n はっちゃけRoll」ではメンバーの笑顔につられ、場内に大きな手拍子が響き渡った。


「こんばんはー! 私たち、“乗り込み!乗っ取り!!アイドル”ベイビーレイズです」とまずは全員で挨拶。そのあと「今日は汗の水たまりができるぐらい動きたいと思います」(大矢梨華子)「みんなの笑顔が輝く最高の1日にしましょう!」(傳谷(でんや)英里香)「うわっ!(笑顔)ぶどうかーん、来たよ!!」(林愛夏)「ライブハウス武道館へようこそー!」(高見奈央)「りおトン占いいっくよー! 今日はみんなハッピーです」(渡邊璃生)と5人の自己紹介を挟んで、再びライブへ。“踏み出せ”という歌詞に合わせて5人が一緒に1歩を踏み出す「ベイビーステップ」、5人がサークルになって移動しながら歌とダンスを披露する「充電満タン~サタデーナイト」、メンバーの表情も含めキモかわダンスがキュートな「恋はパニック」など、ここでは熱血ではないベイビーレイズのコミカルな側面を次々と披露。その後、客席が暗転。スクリーンにはサンタに扮した傳谷が登場。こちらに向かって「あーんして」といってケーキを食べさせてくれた後、カメラが舞台にいる本物の傳谷をとらえると「じゃあ、最後にアタシも食べて!」と萌え台詞をキュートに生披露! 直後、沸き上がる客席とメンバーを前に、本人は大照れなご様子。

この後は「最上級!!」から人気曲5曲を一つにまとめてメドレーで披露するコーナーへ。そのなかでも、心に沁みる美メロソング「スーパーノヴァ」では、ピアノの弾き語りから歌唱力バツグンの林が、伸びやかな声にちょっぴりせつな成分を混ぜて歌う歌い出し、「クリスマスがライバル」では、渡邊が2年前、ラッキィ池田のレクチャーを受けてもできなかったランニングマンステップをソロで披露するコーナーをフィーチャーするなど、ライブならではのスペシャルな見せ場を作って観客を魅了した。さらにライブ中盤にさしかかると、「虎虎タイガー」、「ゲート・オブ・ザ・タイガー」などでメンバーと虎ガー(ファンのこと)たちが “ガオ! ガオ!”という独特な声援で汗だくになりながら熱く、一つになっていく場面を作り、ベイビーレイズならではの世界観を武道館でも作り上げてみせた。

また、この武道館で初めて見せたベイビーレイズの姿もあった。ステージがスモークで真っ白になったところで、着替えを終えた5人が定位置につく。すると、これまでロックなショーパン姿が多かったベイビーレイズが、なんと天使のような真っ白でふわふわのフーデッドワンピにヒールというファッションで登場! 客席がどよめくなか、「冬の魔法」、「涙の名前」というバラードを持ち前の歌唱力で各々気持ちを込め、しっとりと歌い上げた。

ライブの合間には武道館にまつわるエピソードとして、前日に待ちきれずにメンバー全員で武道館に来て写真を撮ったこと。そして、その写真は、他のアイドルグループが武道館で公演を行っているとき、初めてティッシュ配りをしたときに撮ったものと同じアングルで撮ったことを大矢が教えてくれた。


ライブも終盤に突入すると、ベイビーレイズと観客たちの熱いソウルは大爆発。ハート形の紙吹雪がアリーナに降り注いだ「SMILE」で、みんなを最高の笑顔にした後は、ベイビーレイズの武道館までの歩みをまとめたショートムービーを挟んで「いままでを振り返ったものと、これからの未来を歌った曲です」という高見の曲紹介で武道館限定発売の新曲「2years」をパフォーマンス。そして、多数のレーザービームが飛び交う「新しい世界」、(メンバーがずっと要望していた)火柱も上がった「ミチシルベ」、CO2が勢いよく吹き出した「ベイビーレボリューション」など、メンバーと虎ガーたちが一つになってパンキッシュなファイターソングを歌い、叫び、拳を振り上げてジャンプし、武道館の盛り上がりはピークに到達。そして、最後に虎ガーたちのハートを鷲掴みにしてしまう「TIGER SOUL」を気持ちを込めて届けて、本編は幕を下ろした。

そしてアンコール。Tシャツ姿に着替えた5人が登場し、「GET OVER NIGHT」で観客との掛け合いを楽しんだ後、2015年のベイビーレイズの重大発表として、春に9枚目のシングルと武道館ライブDVDを発売し、全国17カ所を巡るツアーを行うこと。そして、夏には東京・大阪で計画しているなにかがあることを伝えた直後のことだった。

“グループ結成から2年以内に日本武道館公演を行なわなければ解散”という公約を見事クリアした、本当に、本当に記念すべきこの日のライブ。誰もが武道館の舞台で、感動の涙を流すメンバーの姿を想像していた。だが、ベイビーレイズは違った。彼女たちは誰一人涙を見せなかったのだ。誰も浮き足立っていなかった。ファン以上に、彼女たちは、自分たちが置かれたリアルな現実をしっかりと受け止めていた。こんなにもハングリーなアイドルグループが、他にいるだろうか。リーダーの傳谷英里香の話を聞いて、彼女たちが泣きたくても泣けなかった本当の理由が分かった。

「正直、悔しいんですよ……。デビューして2年。みんなと力を合わせて、がむしゃらに走って追いかけて、この武道館に立つことができた訳ですけど。みなさんの期待通りに、武道館を満員にすることができなかったことが、本当に悔しいんです」

1万3872人の署名を集めて実現へとこぎつけた武道館公演。だが、この日会場に集まった観客の数は、正直満員と言い切るには厳しいものだった。「だから、この悔しい気持ちを胸に、ベイビーレイズ、改名します」と傳谷の口からいきなり衝撃発言が告げられると、「えー」「なんで?」「どうして?」と場内は一時騒然。そして、新グループ名「ベイビーレイズJAPAN」が発表されると客席からは、それを讃える拍手がわき起こった。グループ名にJAPANを加えた理由を、傳谷は「日本人全員を乗っ取るという意味」だと説明。改名後は「日本武道館を満員にする」こと、「日本を代表するアイドルになる」こと、そして「日本一有名な歌番組『NHK紅白歌合戦』に出場する」ことを宣言。その未来に向けて「JUMP」、「暦の上ではディセンバー」、そして最後に再び彼女たちの始まりの歌「ベイビーレイズ」を観客とともにそれぞれの胸に刻んで、3時間におよぶベイビーレイズ初の武道館ワンマンライブは終了した。

這いつくばってでも夢に向かってのし上がる。あり得ないといわれた武道館という目標をそうやってクリアしたこの日。ベイビーレイズは、この武道館へのリベンジと、またまたあり得ない目標を自らに掲げ、新たな戦いのスタートを切った。これだから、ベイビーレイズの応援は止められない。ガオッ!!

取材・文●東條祥恵

セットリスト<「伝説の雷舞!—虎虎壱番—」〜とりあえず生!生!生!生!生で見てくれ武道館〜>

2014年12月18日 日本武道館
1.ベイビーレイズ
2.ベイビーアンビシャス!
3.Level.1
4.ぶっちゃけRock’n はっちゃけRoll
5.ベイビーステップ
6.充電満タン~サタデーナイト
7.恋はパニック
8.メドレー(最上級!!/トゥゲザー!トゥゲザー!トゥゲザー!/スーパーノヴァ/クリスマスがライバル/夏色パーティー)
9.マジックアワー
10.ビッグ☆スター!
11.虎虎タイガー!!
12.ゲート・オブ・ザ・タイガー
13.ロックオン・ダーリン
14.S.O.K.
15.チャリンコアイドル
16.冬の魔法
17.涙の名前
18.SMILE
19.2years
20.新しい世界
21.ミチシルベ
22.ベイビーレボリューション
23.TIGER SOUL
EN1.GET OVER NIGHT
EN2.JUMP
EN3.暦の上ではディセンバー
EN4.ベイビーレイズ

<日本武道館公演ライブ写真販売>

リハーサル、ライブ本編、ステージ袖等の写真を撮影し、期間限定で販売いたします。
http://photochoice.net/event/00273158.html
<受付期間>2014年12月25日午前10時より~2015年1月5日23時59分まで

◆ベイビーレイズ オフィシャルファンクラブ「吾輩は虎である」
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365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

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