トニー・アイオミ「残されたのは10年かもしれないし、1年かもしれない」

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トニー・アイオミがツアー中の闘病生活について語った。リンパ腫を患いながらも、ブラック・サバスのツアーで精力的に世界を飛び回っていた彼だが、その裏にはステージの上では見せなかった葛藤があった。

◆トニー・アイオミ画像

英『Daily Mirror』紙に寄せた手記でこう綴っている。「アルバムをリリースしてツアーに出た。28ヶ国で81公演をプレイした。本当に楽しかったよ。でも、タフだった」

「病気になって、疲れるようになった。6週間ごとにバーミンガム郊外の病院で治療を受けるため、家に飛んで帰らなくてはならなかった。点滴につなげられ、がん細胞をコーティングして広がるのを防ぐような抗体医薬を与えられていた。その後バンドに戻るまで2~3週間家で休まなくてはいけなかったんだ」

「全てのツアーを治療に合わせて計画しなきゃならなかった。つまり、移動がものすごくあるってことだ。さらに悪かったのは、フライトが血球に影響を及ぼした。ホテルに到着するころには、不安でいっぱいになり、震えるとかこれまで経験したことがなかった症状が出た。とてもひどくて、本当に良くなるのかって心配し始めたよ」

抗体治療は夏で終わったそうだが、まだそれが成功したのかはわからず、胃の痛みやしこりを感じるたびに癌ではないかと不安になり、夢まで見るという。「医者には、癌がなくなるとは期待しないようにって言われた。そうなる可能性は30%だそうだ。でも、それ以上に再発する可能性が高い。いつだっておかしくない。俺はいま、人生を違う目で見てるよ。自分がこの場にいられるのは10年なのか1年なのか…、わからない」

これだけ大変だったからだろう。ツアーの終盤、アイオミは「もうツアーはやりたくない」と話していた。しかし、最終公演の前には「ツアーは最高だった。いい1年だったよ。これ以上は望めないってほどにね。すごかった。君らはすごかった。ライブに来てくれて、それにサポートしてくれてありがとう。本当にありがとう。次のツアーで会おう」と、ポジティヴなメッセージを発信。いまは、「ときどき、もっと平穏に暮らすようにすべきじゃないのかって思う。そして、“病気に支配されたくない”って思い直すんだ」と考えているそうだ。

ブラック・サバスは2015年にニュー・アルバムを制作、それに続くラスト・ツアーがあるといわれている。アイオミは12月上旬、スタジオで曲作りの最中だと報告した。

Ako Suzuki
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