【インタビュー】ピエール中野「イヤホンスパイラル…もうキリがない(笑)」

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■練習する時に使いたくなるような
■ドラムに特化したヘッドホン

──ところで、ツイートの「ナカノヘッドホン」って何ですか?

中野:楽器練習用に特化したヘッドホンを作りたいなと思ってて。手軽に扱えて解像度が高いヘッドホンを作りたいんです。フィット感もきちんとあって、軽くて。

──ドラムを叩きながらオケを聴いたりする時の?

中野:そうですそうです、個人練習とかに使うヘッドホンですね。

──そういうヘッドホンって、いくらでも売っているんじゃないんですか?

中野:意外と重かったりとか、フィット感が緩かったり、音がちょっとこもってたりとかして、何を演っているか聞き取りづらかったりするんですよね。

──ずいぶんとシビアなクオリティを要求していませんか?

中野:ですかね(笑)。Alesisの電子ドラム用のヘッドホンはかなりいいんですよね。でももっと良くできるんじゃないかなと思って。

──もっと軽くて丈夫で、音が良く?

中野:扱いやすくて、みたいな。構想はあるので、それはちょっと作りたいなと思って。一般的にリスニングのヘッドホンはいいのがいっぱいあるんですけど、楽器練習に特化したヘッドホンって少ないんですよね。デザインとかもあんまり…。

──楽器練習用って、通常のリスニングヘッドホンと何が違ってくるんですか?

中野:普通のヘッドホンって、解像度って高ければいいってもんじゃない気がするんです。聴いててあんまりおもしろくなくて、なんか味気なくなってくるので。

──礼儀正しいだけでつまんない感じ?

中野:うん、なんかワクワクしなかったりとかドキドキしない、みたいな。でも練習するうえにおいては、解像度が高くないとフレーズが聞き取れないし、演奏している時に自分の音が混ざった感触とかをちゃんと捉えらないので。そこを計算したヘッドホンって多分ないと思うんで、そういうのができればいいのになって思ってて。

──それはドラムに特化したもの?

中野:基本的にはまずはドラムに特化させたいですね。ドラム練習する時に使いたくなるようなもの。

──ワガママなヘッドホンだな(笑)。

中野:あははは(笑)、とはいえもちろん普段使いもできればいいと思いますし、ギター、ベース、いわゆる楽器練習と普段使い、どっちもできればいいとは思います。でもまずは楽器練習に特化したところを目指して作る。まずは振り切ったものを作りたいっていうのがあって。

──さらなる条件としては軽いこと、頑丈であること…

中野:軽くてフィット感がちゃんとあるもの。じゃないとズルッて落ちちゃうんで。かといって固すぎると痛くて練習したくないってなっちゃうんで、そのへんのバランスをどうとるか。

──なるほど。DJ用のヘッドホンがあるんだから、ドラマー用だってそろそろあってもいいかもしれません。

中野:そういう感じです。

──同期モノが出てきて、クリックを聞くためにヘッドホン必携になったのは、バンドの中でまずドラマーでしたしね。

中野:そうなんですよ。それにイヤモニが苦手っていう人も当然いると思うんですよね。イヤホンはあんまり…みたいな人がいると思うんで、そこに向けてもこのヘッドホンを提案できればいいなと思います。

──2015年のうちに何らかの発表、ありますかね。

中野:できればいいですけどね。そろそろ話を進めていかないとっていう感じではありますけど。

──本気ですね。

中野:ちゃんとやりますよ。

──コラボヘッドホンを作る例はいくらでもありますけど、アーティストが企画して製作したヘッドホンって、過去にもほとんど例がありませんよね。

中野:意外と少ないですよね。まあ、それを振り切ってやったのがドクタードレー。

──おー、Beatsに続くわけだ。

中野:続くかどうかはわかりませんけど(笑)、でもやるからには…っていうのはありますね。もともとポータブルオーディオが好きなんで、じゃあもっとこういうのがあってもいいんじゃないのかなっていうのが提案を続けられればいいなと思います。

──いいですね。楽しみだなあ。周りのアーティストもたくさん巻き込んだらもっと楽しくなりそうだし。

中野:そうなんです。本来、ほんとはそういうのができればいちばんおもしろいですよね。例えば、小室哲哉さんチューニングのヘッドホンとか。限定台数でもいいんで、同じデザインでチューニングだけ変えてあるみたいな。

──オタクの片鱗が見え始めました(笑)。

中野:アーティストコラボシリーズ的なやつで出したりとかすれば、かなりおもしろいと思うんですよね。

──急いでやってください(笑)。

中野:そうですよね。技術的・予算的に可能であれば、そういうものを定期的に出していきたいと思っています。

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