【インタビュー】空想委員会、僕と清少納言は気が合うというところから始まった『空想片恋枕草子』

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春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮れ。冬はつとめて。『枕草子』をモチーフにした4曲入りEP『空想片恋枕草子』は、平安時代と平成の世を結び、四季の恋愛模様を描く見事なコンセプト作。三浦隆一の描く空想ラブストーリーはよりリアリティを増し、四季折々の景色と共にみずみずしい映像となって目の前に現れる。片恋の思い出を持つすべての人へ、胸キュン必至の強力な作品だ。

◆空想委員会~画像~

■『枕草子』は四季それぞれの良い時間帯を描いていて
■僕にとって女性が一番素敵に見える季節と時間帯が一致したんです


▲『空想片恋枕草子』初回限定盤
▲『空想片恋枕草子』通常盤

──今回はコンセプト作ということで。

三浦隆一(以下、三浦):そうです。前作がシングルで、1曲でドーンという感じだったので。今回は1枚のCDとして物語を作りたいなというのがありました。もともと『枕草子』というテーマが最初にあったんです。

──それはどこから?

三浦:ラジオの番組で、教科書に載ってる言葉で、空想委員会の曲になりそうなものがあったら教えて、というコーナーをやっていたんです。そこで“春はあけぼの”という言葉を送ってきた人がいて、そういう曲はできませんか?と。その言葉をもらった時に、当時僕が『枕草子』を習った時のことを思い出して、あれは四季それぞれの良い時間帯を描いていて、それと、僕にとって女性が一番素敵に見える季節と時間帯が一致したので。そこから始まった企画ですね。僕と清少納言は気が合うな、というところから(笑)。

──そういう、お題をもらって曲作りをすることは、わりとあるんですか。

三浦:そうですね。同じことをやってると飽きるので。前にも“雨”をテーマにしたCDを作ったりとか、そういうのはけっこう好きなので。今回は『枕草子』をテーマに、空想委員会なりの四季の恋愛模様を描いてみました。

──そこまで設定が決まれば、作りやすい?

三浦:そうですね。歌ってる歌詞としては、中学の話だったり高校の話だったり、時間軸はバラバラなんですけども。でもそれぞれの季節に女の子との思い出があったので、“このシチュエーションだったらできる”と。作っていてすごく楽しかったです。

──じゃあ1曲ずつ吟味していきますか。まずは「春恋、覚醒」。通学電車の中で片想いをするという、初々しい物語。

三浦:僕はこういうモチベーションで学校に行っていました(笑)。高校時代の話ですね。学校には楽しく行っていたんですが、考えてみたら勉強が楽しかったというよりは、好きな子に会えるからとか、そういうモチベーションが大きくて学校に行ってたタイプだったなと。電車やバス通学をする中で、春は出会いの季節だし、期待するじゃないですか。それを歌いたくて書きました。

──この曲、最後の余韻がいいんですよ。この子、ふっと現れて、ふっと消えちゃう。もう同じ電車で見かけなくなってしまうという。

三浦:たぶん聴いてる人によって、この子が電車に乗ってこなくなった理由がいろいろあると思うんですよね。僕は僕で理由があるんですけど。彼氏ができて、違う電車に乗るようになったんだなって。でも人によっては、引越したのかな?とか。

佐々木直也(以下、佐々木):急にいなくなると、淋しくなるよね。めっちゃ想像する。

三浦:疾走感のある曲なので、こういう終わり方をすると、え?と思うかもしれない。そこがいいのかなと。

──二人には演奏的なポイントを訊きますね。聴きどころとか。

佐々木:イントロからいきなり聴きどころなんですけど。めちゃくちゃカッコいいと思うんですよ。特にイントロ1~イントロ2につながるところ。すごい疾走感が出せたと思います。

岡田典之(以下、岡田):この曲はテンポも速いし、攻めてる曲なので、ベースも攻めて行こうという感じで音を作りました。朝のせかせかした感じ、電車に乗ってる感じをうまく出せたかなと思います。

──では夏に行きましょう。「作戦コード:夏祭り」。

三浦:これは当時中学生の僕です。こういうことを思って生きていました。夏の夜の感じがすごく出たなと思います。それに引っ張られて、歌詞もけっこう生々しい感じになりました。中学生の時の夏休みの感じを、いまだに思い出します。「あの子に会えるかもしれない」みたいな。

──夏祭りの夜の、告白大作戦。でもこれ、結局何も起きてないですよね。

三浦:起きないです(笑)。

佐々木:惜しい(笑)。

──いいところまで行くんだけど(笑)。彼女に何も言えずに終わるという。

三浦:そうなんですよね。でもこういう感じでした。結局しゃべれないで、男友達同士で「まあまあ楽しいじゃん」とか言って、「まいっか」とか言って帰る(笑)。

佐々木:それ、すっごいわかる(笑)。中学の時はそうですよね。夏祭りは、女子は女子で固まって、男子は男子で固まって、最後にニアミスで、「じゃあまた学校で」みたいな。懐かしいですね。僕、地域のお祭り、全部行っていましたからね。7か所とか。

岡田:ええっ。すごいねー。

三浦:パトロールだね(笑)。

佐々木:だって夏休み、ヒマじゃん。住んでるところと、田舎のお祭りと、全部行ってた。

──演奏的には?

佐々木:インストでも聴けるぐらい、ギターのフレージングが目立つ楽曲を作ろうと思っていました。空想委員会のギター、ヤベェな、と思わせたくて。うまくできたと思います。

岡田:夏と言えば心踊る感じがあるなぁと思ったので。ベースに関しては、悪ガキみたいな、夜になると悪いことをしたくなるような感じを表現したいと思っていました。ポイントは悪ガキ感です!

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