【インタビュー】フォール・アウト・ボーイ「奇妙なポップ・ロック・バンド」

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2015年1月21日、フォール・アウト・ボーイのニューアルバム『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』がリリースとなった。前作『セイヴ・ロックンロール』で全米1位に輝く華麗なる復活を遂げた彼らの、勢いに満ちたさらなる新作だ。4年ぶりの復活となった前作をもって世界ツアーを敢行した彼らは、世界中で復活を待っていた熱きオーディエンスとの交流を深め、今作のリリースへとつながっていく。

◆フォール・アウト・ボーイ画像

『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』には、映画『ベイマックス』のエンディングテーマ「インモータルズ」も収録されている。最高のポップソングであり、エレクトロニックな要素を取り込んだチャレンジ作でもある。

全世界から注目を集める『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』はどんな作品なのか?彼らに話を聞く機会を得た。

──『セイヴ・ロックンロール』をリリースしてからバンドの状況はどうでしたか?日本を含め世界各地をツアーで回る毎日でしたよね?

パトリック・スタンプ:うん、かなり容赦なくツアーしていたよ。だから全員が疲れてたけど、いい疲労感だった。そのことを喜んでもいたんだよ。僕たちは、音楽に突き動かされてた。僕たちはいい状態だよ。起こっている全てのことに満足しているし、今でもこのバンドでプレイし続けていられることを、幸運に思っている。多くのバンドは、こんなに長く続いていないからね。

──アルバム・タイトル『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』は、ともに同名の映画がありますが、そこに込めた意味は何ですか?アメリカの光と闇を象徴しているようにも思えますが。

パトリック・スタンプ:明らかに映画『American Beauty』と、本と映画の『American Psycho』を指したタイトルなんだけど、この二作品の相違点と類似点を使っているんだ。どちらも、“プライバシー”“強迫観念(あるいは執着)”“自分だけの心の内”といったことを扱っていると思うんだ。それで、この新作に存在する“強迫観念”に、そこがマッチしている気がしたんだよね。ああいう強烈さみたいな部分がね。ピートはこんな風に説明しているんだけど、サーカスを見に行くと、訓練された熊がいるよね。訓練されているからといって、その熊が野生の動物ではないってことにはならない。僕たちを叩いて傷つけることができないわけじゃない。だからそこにあるのは、偽りの安心感なんだ。そして、新作の曲の数々は、そういうことを多く扱ってるんだよ。そして、この2つの映画もまた、それぞれの方法で対照的に、そういうことを扱っているって思ったんだ。だから、この2つを一緒にしたタイトルが相応しいって感じたんだよ。


──「センチュリーズ」のMVはまるで映画『グラディエーター』みたいな世界で、FOB史上最も凝ったストーリー性のある仕上がりになっていますね。

パトリック・スタンプ:僕たちがやってみたかったことなんだ。僕たちは、すごくダークなビデオを連続で作っていたから、あまりネガティヴじゃない感じのビデオを作りたかった。でも同時に、この曲は壮大でエピックな作品になっていたから、大作に感じられるビデオにする必要があった。それで僕たちは、あの『グラディエーター』の物語が完璧だと思ったんだ。


──一方「インモータルズ」は、映画『ベイマックス』のサントラ用に制作された曲ですね。

パトリック・スタンプ:映画の中のあるシーンのために曲を書いたのは、僕たちにとってこれが初だったんだ。だから、そのシーンや登場人物を理解しなきゃならなくて、フォールアウトボーイの曲なんだけど、映画のためにフォールアウトボーイが書いている曲だったから、普段とはすごく異なる曲だった。通常、曲を書く時は、自分の見方で曲を書いている。必ずしも洞察じゃない。自分の見方なんだ。自分の人生について書いているわけじゃなくても、比喩を使ったりする時も、常に自分の目を通しているんだ。だから、他の誰かのため、すでに完成された役のために曲を書くのは、チャレンジだった。すごくクレイジーだったけど、でもすごくクールだったよ。その上、音楽的に映画の世界にフィットするものにしなきゃならなかったんだ。だから、適切なレベルの攻撃性とテクノロジーを見つけるのが僕にとって大きなチャレンジだったよ。この映画はテクノロジーの発明を奨励する内容になっているから、音楽もそれに合わせる必要があったんだ。だからこの曲にはエレクトロニックがよりふんだんに使われているんだ。とてもクールで楽しい経験になったよ。

──3月にはPUNKSPRINGのヘッドライナーとして来日することが決まっていまね。

パトリック・スタンプ:何曲かはまだ分からないけど、新曲はいっぱい演ることになると思うよ。どの曲もライヴでやるとなると完全に別物になるからね。僕と話したことがある人は誰でも知っていると思うけど、僕は日本が本当に大好きだから日本に行くのが楽しみだよ。

──最後にアルバムの聴きどころも含め、日本のファンにメッセージをお願いします。

パトリック・スタンプ:僕はこのアルバムを聞いた皆に、ダビデとゴリアテの物語みたいに、自分の力で立ち上がって自分に自信を持って、何をやるにしてもそれがやれるんだって感じてもらえたらいいなと思っている。僕たちってやっぱり奇妙なポップ・ロック・バンドなんだよ。ポップ・バンドからロック・バンドになったバンドじゃなくてね。僕たちは本物のロック・バンドだよ。でも、僕たちにはユーモアのセンスもあるんだ(笑)。だから、アルバムを聞いて、皆に楽しんでもらえたら嬉しいな。シリアスな曲ばっかりじゃないからね。日本のファンへのメッセージは、(日本語で)“オゲンキデスカ?…アー、ンー、ワカリマセン”。他に思い出せないや」

──“お元気ですか?”でばっちりです(笑)。ありがとうございました。

フォール・アウト・ボーイ『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』

2015年1月21日リリース
日本独自企画CD+DVD \3,100(税抜)UICL-9111
通常盤CD \2,200(税抜)UICL-1129
1.イレジスティブル
2.アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ
3.センチュリーズ
4.キッズ・アント・オールライト
5.ユマ・サーマン
6.ジェット・パック・ブルース
7.ノボカイン
8.7月4日
9.フェイヴァリット・レコード
10.インモータルズ
11.ツイン・スケルトンズ(ホテル・イン・ニューヨーク・シティ)
12.センチュリーズ- GAZZOリミックス) 日本盤ボーナス・トラック
DVD(日本盤デラックス盤のみ)
*センチュリーズ(ミュージック・ビデオ)
*センチュリーズ(ビハインド・ザ・シーンズ)
*センチュリーズ(ミュージック・ビデオ・ハイパーラプス・エディション)

<PUNKSPRING 2015>
2015/3/27(Fri)Nagoya
2015/3/28(Sat)Osaka
2015/3/29(Sun)Tokyo
http://www.punkspring.com/15/
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