【インタビュー】fhana、いろんな可能性があった中で僕と君だけが出逢ったというかけがえのない物語『Outside of Melancholy』

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『僕らはみんな河合荘』『ウィッチクラフトワークス』『ぎんぎつね』『有頂天家族』と、さまざまなTVアニメの主題歌を担当し、最新シングル「星屑のインターリュード」では、TVアニメ『天体のメソッド』のエンディング主題歌を担当したfhana。アルバムを望む声が多く集まっていたなか、2015年2月4日、満を持して1stアルバムをリリースする。『Outside of Melancholy』と名付けられたこのアルバムの中に詰め込まれた、彼らからのメッセージとは?

◆fhana~画像&映像~

■日々の連続の中でのいろいろな選択が今の自分を作っている
■現実はかけがえのないモノなんだと肯定しようという意味です


▲『Outside of Melancholy』初回限定盤

▲『Outside of Melancholy』通常盤

──待望の1stアルバムですね。『Outside of Melancholy』というタイトルに、とても大きな意味を感じます。

佐藤純一:そうですね。Melancholyとは憂鬱で、Outsideとは外側という意味なんですが、みんなそれぞれが生きる上で、憂鬱な気持ちって持っていると思うんです。そこから外側に抜け出そうという意味で、『Outside of Melancholy』というタイトルを付けました。単純に“元気になろう!”という意味ではなくて、生きていくという日々の連続の中で、いろんな選択があると思うんです。たまたまの選択が、今の自分を作っている訳で。いろんな選択があった中で、違う選択をしていたら、今とは今の自分はここには居ない別の自分もあり得たわけなんですよね。どうにでもあり得たけど、現実、こうでしかあり得なかったという事実。だけどだからこそ、かけがえのないモノなんだって肯定しようという意味でもあります。それこそが、憂鬱の向こう側なんだよ、それこそが『Outside of Melancholy』なんだよということを、このアルバムで伝えたかった。このアルバムには、これまでfhanaが担当させてもらってきたアニメの主題歌たちもたくさん入っているんですが、アニメの物語たちも、今の話に当て嵌めるとするならば、そのすべてががfhanaという大きな物語の中の可能性の1つだったということでもあるんです。

──なるほど。すべてが、ここに導かれるための必然だったと考えると、素敵なことに思えますよね。

佐藤純一:そうなんです。今回、アートワークには序文と終文も付けているんですが、この2つが、このアルバムの世界観を補足しているというか。今の世の中というのは、価値観が多様化していて。ネットなどが広まったことによって、各々が自分のフィルターを通して情報を摂取するという時代になって、みんながバラバラになってしまった。でも、心の奥底の方では、幸せになりたいとか、美味しいモノを食べたいとか、根本は変わっていないと思うんです。だけど、そこに到達するための回路が複雑になっている。そんな世界の中で“僕は君に出逢った”んです。いろんな自分になりえた可能性があった中で、こうでしかあり得なかった僕を君が見つけてくれた。それこそがかけがえのない物語なんだということを表現したかった。みんながこのアルバムと、僕たちfhanaと出逢ってくれたことも同じ。それこそがかけがえのない物語なんだってことを描いている、アルバムになっているので、序文から本編、そして終文までを、しっかりと順番に受け止めてくれたら嬉しいです。

──これまでのシングルすべてが収録されるので、いろんな物語が存在していた訳ですが、1つの大きな物語としてとらえた、コンセプチュアルなアルバムになったという感じですね。そこは始めからコンセプトを立てられてたんですか?

佐藤純一:今話したうちの半分くらいは、最初からコンセプトとしてあって、その段階で歌詞を発注したんですが、“いろんな人生があり得た中で、今の自分があるのはかけがえのないことで、それを肯定していこう。それこそが憂鬱の向こう側なんだ”っていう、1曲目の「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」の歌詞が上がってきたときに、デビュー前のfhanaと今のfhanaが統合されたんです。自主制作時代の曲たちも、デビュー後に担当したそれぞれのアニメ主題歌の物語も、fhanaという大きな物語の可能性の1つなんだなと。

yuxuki waga:そこから一気にアルバムの全体像が見えていった感じでした。そういうところから、最後の曲である「white light」のピアノのフレーズを、1曲目の「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」の間奏に持ってきたりして構成していったんです。1曲目と最後の曲がリンクしているので、その2曲で全体の曲たちを挟んでいくことによって、全体が1つの物語としてまとまるという感じでしたね。

kevin mitsunaga:「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」と「white light」は、歌詞に関しても対になっていますからね。そこのリンクはとても色濃いモノになっているんです。

yuxuki waga:最後から2曲目に「星屑のインターリュード」が置かれているんですが、もともとアウトロの長い曲だったんですけど、こうしてアルバムの中に入ったとき、そのアウトロが、最後の曲である「white light」のイントロになっていったんです。そういう不思議な見え方も、まさに偶然という必然だったというか。

towana:「星屑のインターリュード」を作っていた頃には、そんなことまったく考えていなかったですからね。

yuxuki waga:そう。最初は、「white light」の前に、インスト曲を置こうっていう話も出ていましたからね。でも、途中で、あ、「星屑のインターリュード」があるじゃん! って話になって、そこに置いたっていう。その不思議なハマり具合は偶然とは思えないというかね。

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