【連載】山岸賢介(ウラニーノ)[vol.9]「バンドマンに学ぶ正しい加湿と半身浴」

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あけましておめでとうございます!BARKSさん、今年もよろしくお願いします。更新サボっても打ち切りにしない、BARKSさんの度量の大きさ、懐の深さには今年も頭が上がりません。今年もウラニーノあってのBARKSです。間違えた!BARKSあってのウラニーノです!

さて、ロックが不良の音楽と言われたのも今は昔、セックス&ドラッグ&ロックンロールなんてスタイルは、昨今のバンドマンには見る影もございません(※当社比)。挨拶ちゃんとします。お片づけみんなでします。みんな真面目なんです!朝までお酒飲んで夕方起きて「だりぃ~」と言いながらタバコ吸ってライブかアルバイトに行く、バンドマンにそんなイメージしか持っていない皆さん。時代は変わっております。禁煙は当たり前、お酒もつき合い程度、下手したら早起きしてジョギングなんかしちゃうような、ガンダムでいうところのニュータイプのバンドマンが増えております。そう、もしかしたらあなたより健康志向!そこで、今回はついにバンドマンがヘルス&ビューティーについて語ってしまいます。なんて女子力の高いコラム!

その1「加湿」

冬の乾燥はお肌の大敵。そしてボーカリストの大敵。しかし、冬に限らず年がら年中乾燥しているところがこの世界にはあります。そう、それは地方のビジネスホテル。「欲しがりません、勝つまでは」「帰れるところは帰ってこい」が鉄則の、単発・日帰りが当たり前のバンドマンにとって、ビジネスホテルに泊まれるのは非常にラッキーではありますが、浮かれてホテルの乾燥をなめると非常に痛い目にあいます。例えば出張で、旅行で、あるいはお目当てのバンドを追いかけて地方遠征してくださるバンドフリークの皆さん、そんなビジネスホテルに宿泊にされるすべての方にお送りします、バンドマン直伝の乾燥対策!

まず「そんな大げさな…」と、ビジネスホテルの乾燥を甘く見ているみなさんに、その恐ろしさをお話ししましょう。まず、何も対策をせずにベッドで眠ってしまった場合、翌朝あなたは息が出来なくて目が覚めるでしょう。そう、あなたの舌は上あごにペタリと貼り付き、まさに窒息寸前。「フンガッ!」というけたたましい自分の鼻の音で目が覚めます。ホテルなのに枕元のナースコールをまさぐるレベルの最悪の寝起きです。そのまま二度寝、三度寝をすればおそらくセルフでミイラになれます。酔っ払ってそのままバタンとベッドに倒れ込んで眠ってしまった翌朝、私は何度も死にかけました。「それはお前が口を開けて寝ているからだろう」なんて野暮なことは言わないように。こうならないために、眠る前の対策が不可欠になります。

まず、この自らの殺人的な乾燥を把握しているホテルの場合、部屋にちゃんと加湿器が置いてあります。もしお部屋にない場合もフロントに言えばだいたい貸してくれます。問題は加湿器がない場合。この場合は人力で部屋の湿度を上げるしかありません。最も使われている技は、お風呂にお湯を張って眠ること。お風呂のドアを開け放しておけば、ある程度湿度は保たれるでしょう。しかしあんまりモクモクと湯気を出しちゃうと部屋の火災報知器が作動しますのでご注意を。もしくは、タオルをしっかり湿らせて部屋に干します。水滴が滴り落ちんばかりに湿らせたタオルも、朝には教室に干してあった雑巾みたいにカリッカリになります。ぼくは「少しでも顔の近くに」と思って枕元に干して寝たところ、まさに入眠したくらいのタイミングでビショビショに湿ったタオルが落下してきて顔面に張り付き、悲鳴を上げたことがあります。ご注意ください。それから床がフローリングではなく絨毯の場合は、ちょっと失礼してコップの水を床にぶちまけさせてもらいましょう。朝にはすっかり乾いております。窓からテレビを投げ捨てたYOSHIKIに比べれば、水をこぼすくらいかわいいものです。

とにかく、ビジネスホテルの一晩の乾燥力はハンパなものではございません。余談ですが、以前、飲んだ帰りにコンビニでカップラーメンを買って帰り、飲み残した汁をテーブルに残したまま眠ったところ、翌朝これが空になっていたと騒いでいた男がいました。さすがにカップラーメンの汁が空気中にすっかり蒸発することはあり得ません。間違いなく、飲み干して眠っております。


その2「半身浴」

続いて健康志向の代名詞、半身浴でございます。皆さん、正しい半身浴はご存知ですか?まず半身浴の基本を押さえておきましょう。「友人に薦められて半身浴をやってみましたが、鼻や耳にお湯が入ってしまいうまくいきません。右ですか?左ですか?」「下半身です。左右ではありません」というのは、ヤフー知恵袋で殿堂入りしている珍問答ですが、もちろん誤って上下を逆にしてもいけません。犬神家の一族になってしまいます。下半身、だいたいみぞおちくらいまで浸かるのが正解です。ややぬるめのお湯で長めに浸かるのがいいと言われています。代謝がよくなることで美容効果が高いイメージがありますが、身体が芯から暖まりますので歌う前にもとてもいいんです。ぼくはある気功の先生に、「3時間の睡眠より10分の半身浴!」と力説されてから半身浴するようになりました。さて、長く浸かるのがいいと言われましても、20分、30分ただお湯に浸かっているというのはなかなか時間が経たないものです。そこで誰もが考えることが、お風呂場に本を持ち込むことでしょう。これは非常にいいのですが、身体があったまってくると100%眠くなります。読む気満々で入浴したのに、半ページも読まずに落ちることもよくあります。手に持った本を何度お湯の中にダイブさせたことでしょう。ぼくの本棚の文庫本で、通学路の途中の茂みに捨ててあったエロ本みたいに波打っているものは、だいたい半身浴中に溺死したものです。意識が飛んで手から離れても落ちないように、蓋の上で読むことを強くオススメします。それから携帯電話を持ち込むのも手ですね。しかし携帯電話は水落すればまさに大事故です。ジップロックに入れて持ち込みましょう。スマートフォンで動画なんか見てればあっという間に時間が経ちますのでこれもオススメです。が、エッチなやつはやめときましょう。たちまち半身浴が「半身欲」になっちゃいます。時間もあっという間にたちますが、アッチもあっという間にたち…。女子力の高いコラムにするつもりが、非常に男子力の高いコラムになってきてしまったのでこのへんでやめておきます。

不摂生に見えるバンドマンたちも、最高のパフォーマンスのために意外と健康に気を使っているものなんですね(※当社比)。セックス&ドラッグ&ロックンロール?いいえ、時代は加湿&半身浴&ロックンロールでありますよ!!(※当社比)



◆【連載】山岸賢介(ウラニーノ)「ツアーメン~バイトのシフトに入れない~」まとめページ
◆ウラニーノ・オフィシャルサイト
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