【インタビュー】7!!、『四月は君の嘘』EDテーマに「歌いながら感動で泣きそうに」

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■レコーディングすると決まって
■当時はなかった“既読”という言葉を新たに入れたり

▲「オレンジ」期間生産限定盤

──ギターは、エンディングのソロが秀逸ですね。間奏のストリングスソロのあとにギターソロが続くかと思いきや、サビを挟んで最後にギターソロを持ってくるあたりの曲構成がカッコいい。

MICHIRU:やっぱりあのソロ、いいですよね(笑)。実は最初、ギターソロを入れる予定がなかったんですけど、KEITAが「バンドらしさを出したいからソロを入れよう」って提案してくれて。急遽入れることになったんです。

──その音作りも、歪みが少ないだけにより感情的で表情豊かで。

MICHIRU:ディレクターさんと一緒に音作りをしたんですけど、ディレクターさん曰く「ロベン・フォードみたいにめちゃめちゃいい音ができた」って(笑)。本当にその音が良かった。僕としては、ソロを入れると決まった時に柳ジョージさんみたいなものをイメージしてたんですね。

──ブルージーな泣きのギター?

MICHIRU:少ない音数なんだけど、やっぱり泣かせるようなものですね。ソロ中盤からのチョーキングは特に気に入っていて、ライブで演奏しても気持ちがいいですね。もともと僕はあまりソロを弾きたがるほうじゃないんですけど、バラードのようなスローテンポの楽曲でソロを弾くことは自分の表現力のブラッシュアップにも繋がるので、やってよかったです。

──1月に東京芸術劇場で開催された「四月は君の嘘」のクラシックコンサートでは「オレンジ」を披露しましたが、これはNANAEさんがスペシャルゲストとして登場したもので、バイオリンとピアノだけをバックに歌ったそうですね。

NANAE:はい。7!!のメンバー以外の演奏で歌うことが初めてだったので、それだけでもう大緊張で。しかも、演奏してくださったのがすごいプロフェッショナルな方々だったので、それでまた緊張度がアップしました(笑)。ピアノやバイオリンって音色に情緒があるので、歌いながらその音に感動して自分で泣きそうになったんです。たった1曲しか歌ってないのに今までで一番体力を使ったなと感じましたね。

KEITA:そのステージはメンバー全員客席で見守ってたんです。コンサートが始まる前は親戚のおばちゃんみたいになんかソワソワしちゃって(笑)。でもいざ始まってみるとすごく惹き込まれたし、誇らしい気持ちになりましたね。

──では、カップリング曲についても伺いたいのですが、「恋のレシピ」はKEITAさん作曲の陽気なロックンロールですね。

KEITA:結構前に作った曲なんですよ。恋から遠ざかっていた女性がふとしたきっかけで恋に落ちるんですけど、久しぶりだから恋の仕方が分からない。その様子を“あの料理、どうやって作るんだっけ”という時にめくるレシビ本とリンクできないかなって、歌詞を書き始めたんです。ただ、書き上げたら思ったよりは“レシピ感”が出せなかったような気もするけど(笑)。

──そもそもレシピと恋をリンクさせる発想が独創的ですよね。完全に女性目線で書いていることも新鮮だなと思いました。

KEITA:自分としては結構チャレンジな歌詞だったんです。恋の歌だけど、ちょっとユーモラスな感じも出したり。他にも、サビの“世界中のラブソング集めるよりも”とか“映画の数の愛があるなんて言うけど”というところは、自分なりにいい表現ができたなと思ってますね。どうしても女の子目線で歌詞を書きたかったから、ドラマ『ホタルノヒカリ』を全巻借りて見て、このドラマのエンディングにどうかなって思いながら作ったりしたんですよ。歌詞も曲を作った時にほぼ書き上げました。なので、今回レコーディングすると決まって、当時はなかった“既読”という言葉を新たに入れたりしましたけど。

NANAE:5~6年くらい前の曲だから、あの当時はまだLINEとか多分なかったよね。

──温かくて少しユーモラスな雰囲気もあるこの曲をレコーディングするときにこだわったことは?

MAIKO:まず、この曲は自分のドラムセットで録ったことが大きいですね。私たちは大抵のレコーディングを沖縄でするんですが、そこにはマイドラムセットがないんです(笑)。この曲はスケジュールの都合もあって東京で録ったんですけど、自分のドラムセットは東京にあるので、それで録れるのが嬉しくてテンションが自然と上がりました。レコーディングでは、実際に叩いているフレーズとは違うんですけど、“ツー・チッチ・ツー”というリズムを感じながら叩いているんです。それで揺れる/跳ねる感じが出せてるんじゃないかと。ドラムテックにMASUOさんに来ていただいたので、ドラムの音を一緒に作れたのも勉強になったし、レコーディング後もドラム教室みたいな感じでいろいろと教えていただきました。

KEITA:僕も今回初めてマイアンプで録ったんですよ。いつもはラインでレコーディングしたものをリアンプするんですが、今回は実際にスピーカーを鳴らして演奏できたので気持ちよかったし、やっぱり自分のアンプという事実がテンションを上げてくれましたね(笑)。ベースラインは基本的にベーシックなランニングベースを弾いているんですが、後半に行くに連れて少し崩してみたりしてるので、前半との違いを比べて楽しんでもらいたいですね。

MICHIRU:僕自身はもちろん、ディレクターさんもエンジニアさんもギターを持ってきてくれたので、選び放題で(笑)。アンプも僕とディレクターさんのアンプがあったので、いろんな組み合わせが試せたんです。どれが一番いいかをみんなで見つけるのがほんとに楽しくて。ディレクターさんも普段と全然違うテンションで「すっげぇいい音できた!」ってハイテンションになってました(笑)。あれこれ試した結果、60年代後半のテレキャスターで弾いたんですけど、曲調的にオールディーな音が似合うと思ったし、プレイもそれを意識しましたね。ソロも勢いで弾けちゃう感じだから、「オレンジ」とは違ってただ楽しんだという。

──歌入れは難しくなかったですか?

NANAE:みんなのサウンドがノリノリだったから、それに乗ればいいと思ったし、サウンド感がすごく7!!らしかったからすごく楽しく歌えました。それに、KEITAの歌詞もすごくらしさが出ていて、“君のことを深く考えていたら 日が暮れた”という一節があるんですが、きっと深く考えてそうで考えてないんだろうなって感じが伝わってきて(笑)。

MAIKO:“日が暮れた”って、この歌詞の子、絶対に途中で居眠りしたよね(笑)。

NANAE:うん、絶対してる(笑)。そういう女の子の可愛らしさとか、ダメなところも表現したかったので、純粋に楽しみました。「スタートライン」のアコースティックバージョンもこの曲と同じ頃にレコーディングしたんですよ。秋のアコースティックツアーでもたくさんの方から「いいね」と言っていただいたので、改めて歌い直してみたいなと思ったんです。バンドバージョンとはがらっと雰囲気が変わって、別の曲みたいですよね。

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