【インタビュー】BREAKERZのAKIHIDE、アルバムに「“自分の居た場所がある幸せ”を感じる物語」

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■“本当の幸せとはなんだろう?”という
■今の自分が考えているものと照らし合わせながらストーリーを進めた

▲<Premium Night Show -月と星のキャラバン-> with Gibson ES-335

──ステージではこれまでのトレードマークだったギブソンのSGではなく、最新アーティスト写真で抱えていたギブソンES-335を弾いていましたが、レコーディングではどんなギターを?

AKIHIDE:やっぱりギブソンES-335が多かったです。あとはフェンダーのストラトキャスターを使ったくらいでしたね。ストラトはボディーが軽いカスタムショップ製を最近手に入れて、それを使いました。

──えっ? SGは?

AKIHIDE:使わなかったです。今回はアコースティックギターやガットギターも含めて初めて使ったものが多かったです。

──ビックリしました。まずギブソンES-335を使うようになった経緯は?

AKIHIDE:前作『RAIN STORY』を作った時には、ジャズっぽい温かみのある音色を自分が持っている楽器では出せなかったんです。スタッフと「ES-335がいいんじゃないかな」という話をしつつ、実際に弾いてみたら“なんていいギターなんだ!”と(笑)。ソリッドとアコースティック、それぞれの長所を併せ持っているし、自分が出したいプレイのニュアンスを再現できるレンジの広さもある。何よりも弾いていて気持ちいいんです。ただ、この間、久しぶりにSGを弾いたら、前よりもSGでニュアンスを出せるようになっていたんですよ。おそらく、ES-335とかストラトを弾き込んだことでニュアンスというものを知ったんだなと。

──ストラトは弾きこなすのが難しくないですか?

AKIHIDE:難しいですねー(笑)。ちゃんと弾かないといい音がしないですし、ゴマカシが一切効かないんで。でも、フィットした時の楽しさは最強じゃないですか。ギタリストの多くが、最後はストラトに落ち着く理由が分かります。それはES-335も同様ですよね。そういう意味では『月と星のキャラバン』は、ES-335とストラトで録っていて、自分もそういうところに入り始めたのかなというか。

▲<BREAKERZ COUNTDOWN LIVE 2014-2015> with Fender STRATOCASTER

──BREAKERZのカウントダウンライブ<BREAKERZ COUNTDOWN LIVE 2014-2015>では、ストラトがメインでしたね。

AKIHIDE:BARKSさんの密着レポート
に書いてもらったとおり、当日の会場リハではES-335を弾いていたんですよ(笑)。でも、悩みに悩んで、本番の直前にストラトでいくことにしたという(笑)。

──どうしてだったんですか?

AKIHIDE:当日リハをした時に、なにか違うなと感じたんですよね。それまでソロ活動を通してギターを深く追求してきたわけで。BREAKERZで弾いた時、その成果をみんなに感じてもらいたかったんです。これまでとあまり違いがなかったら意味がないというか。そういう気持ちが大きくてストラトを使ったんです。

──まず、当日リハを終えてからメインを変えたということが本当に驚きです。普通は、とりあえず今回はES-335を使って、次のライブまでに改めて考えようとするでしょう?

AKIHIDE:そういうふうには思えなかったですし、PAさんが僕のソロツアーを一緒に廻ってくれた方だから信頼関係できていたということも大きいですね。本番前に、「やっぱりストラトのほうがいいですかね」と相談したら、「全然ストラトのほうがいいと思うよ。出音は俺が追いかけるから任して」と言ってくれたんです。いいスタッフに恵まれているからこそできたんですね。

──お二人ともプロッフェショナルですね。では、レコーディングでのストラトとES-335の『月と星のキャラバン』の使いどころは?

AKIHIDE:ジャジーで大人っぽいパートは全部ES-335でした。ストラトはES-335よりも軽い音なので、わりと明るい曲。たとえば、「Aurora」の前奏とかで弾いています。

──ストラトでもメロウな音を出せるタイプなんですね。

AKIHIDE:最近はジャズを聴くことが多いというのもあるのかもしれないけど、強いピッキングで弾かなくなったんです。だからストラトを弾いてもキンキンした音にはならない。強く弾かないというのはすごく大事で、軽いタッチのほうが音の抜けはいいんですよ。それに加えて、音を丸くしたい時はピックの鋭角な部分ではなくて縁の丸いところで弾いたり、指で弾いたりもしています。わざわざアンプを替えるよりも、弾き方を変えるほうが早いんですよね。

──どんどん進化していますね。アコースティックギターはどんなものを?

AKIHIDE:ガットギターと、いつも使っているテイラーのアコースティックギターと、事務所が所有しているYAMAHAのアコースティックギターの3本ですね。YAMAHAはいいギターなんですけど、すごく弾きづらくて。でもだからこそ良い音がするんですよ。この3本以外では、マンドリンとか12弦ギター、エレクトリックシタールも使っています。

▲『月と星のキャラバン』通常盤

──先ほどの話にもありましたが、アルバム『月と星のキャラバン』という作品の土台になった物語は、ブックレットとして絵本の形に仕上げられていますね。

AKIHIDE:まず最初に浮かんだイメージは、ライブをしているイラストで。

──冒頭でお話いただいた「今回のメンバーの基本編成になっているベースとドラム、アコーディオン、サックスというバンドのイラスト」のことですね。

AKIHIDE:そうです。ギターを弾いている僕と、その時にすでに4匹のウサギもいたんです。その中からウサギだけでストーリーを膨らませることにしたら、ウサギが故郷を離れて幸せを探しにいく話が降ってきました。“本当の幸せとはなんだろう?”という今の自分が考えているものと照らし合わせながらストーリーを進めていきつつ、最後には故郷や自分が居た場所があることの幸せ、そういうものを感じる物語にしようと。ブックレットに関しては、今回は自分で影絵を描いていたり、今までの中で一番僕が作画している割合が多いですね。

──上質な楽曲とプレイ、ブックレットも含んだアートワークなどが相まって、ソロ4作目となるアルバム『月と星のキャラバン』も優れた作品になりました。

AKIHIDE:ありがとうございます。今回は今まで以上にいい音で録りたかったんです。だからミックスはアナログテープで行なったり、ドラムもアナログで録っている曲がほとんどなんです。その結果、出来上がったアルバムは家のスピーカーで聴いても、ヘッドフォンで聴いても、カーステレオで聴いても、音が綺麗で聴きやすいんです。ギターもクリーンサウンドやアコースティックギターが多いけど、攻めるところは攻めたアプローチになっているので心地よい作品に仕上がりました。ずっと応援してくれているみなさんはもちろん、より多くの人に届くといいなと思っています。

──インストゥルメンタルに取っ付きにくさを感じている人も楽しめることは間違いないです。通常盤同様のCDに加えて、アコースティックバージョンのCD、『月と星のキャラバン』のライブDVD、40Pのスペシャルブックレットなどがセットになった豪華仕様『月と星のキャラバン -Musing Special Package-』も見逃せないアイテムと言えます。

AKIHIDE:アコースティックバージョンのCDは『月と星のキャラバン』収録全10曲から8曲をアコースティックギターだけで弾いたもので、これはなかなかない試みだと思います。元々のアイデアは、知らない曲ばかりで行われるライブでは、お客さんがあまり楽しめないかもと思って、1分くらいのサイズのトラックをオフィシャルサイトにアップしていたんですね。それが、お客さんやスタッフからの評判も上々で、今回CD化することにしました。バンドアレンジとはまた違った癒しとしての楽しみ方をしてもらえると思います。それにライブDVDがすごくいいんですよ。インストのライブ映像は言葉がないし、ボーカリストがいないというところで制作の難しさがあるんですね。それを理解したうえで、ライブの躍動感を余すことなくパッケージしてくれたスタッフに感謝しています。

──では最後に、アルバム『月と星のキャラバン』のリリースに伴って、2月28日に国際フォーラム・ホールCで行なわれるライブ<AKIHIDE Special Live 月と星のキャラバン ~旅の終わり、そして始まり~>は、どういうものになりますか?

AKIHIDE:去年の夏頃から始まったツアーの締め括りですし、それにふさわしいライブにしたいと思っています。それに今回はアルバムが出た後のライブなので、これまでとはまた違った感覚で楽しんでいただけるはず。会場もホールということで観応えのある内容になります。楽しみにしていてください。

取材・文◎村上孝之




■New Album『月と星のキャラバン』

2015年2月18日発売
【Musing限定盤(完全生産限定)2CD+LIVE DVD】『月と星のキャラバン -Musing Special Package-』
ZACF-9005 ¥7,407+税
・三方背ハードカバーBOX/デジパック仕様
・40Pスペシャルブックレット
・月と星のメッセージカード
<Disc.1:「月と星のキャラバン」>
1. Moon Wind
2. Aurora
3. Silver Rain
4. Electrical Pirates
5. Starlight Wizard
6. Machine Heart Blues
7. Ring
8. Gypsy Sweets
9. Warrior
10. 月と星のキャラバン
<Disc.2:「Music Letter’s ~月と星のキャラバン Guitar Only Ver.~」>
1. 月と星のキャラバン
2. Aurora
3. Electrical Pirates
4. Starlight Wizard
5. Machine Heart Blues
6. Ring
7. Gypsy Sweets
8. Warrior
<LIVE DVD:「Premium Night Show -月と星のキャラバン-」>
1. 月と星のキャラバン
2. Warrior
3. Namida
4. Machine Heart Blues
5. Aurora
6. Electrical Pirates
7. Gypsy Sweets
8. Libertango
9. Ring
※ この商品はビーインググループ音楽ポータルサイト「Musing」限定で購入いただける商品となります。

【通常盤(CD Only)】『月と星のキャラバン』
ZACL-9081 ¥2,593+税
・28P ブックレット
※CDの内容はMusing Special PackageのDisc.1と同様です。

■<AKIHIDE Special Live 月と星のキャラバン ~旅の終わり、そして始まり~>

2015年2月28日(土)東京国際フォーラム ホールC
開場15:30/開演16:00
7,000円(税込)
※5歳以上有料、4歳以下膝上可。ただし、お座席が必要な場合は有料。
チケット一般発売:2015年1月31日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(12:00~16:00)

◆<Premium Night Show-月と星のキャラバン->特設サイト
◆AKIHIDE オフィシャルサイト
◆AKIHIDE オフィシャルTwitter
◆BREAKERZ オフィシャルサイト

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