【インタビュー】morioni 森友嵐士＆鬼龍院翔の偶然の出会いと2人がともに歌う理由

◆サビの頭で声が重なり合う入り口はちゃんと
アイコンタクトで合わせていくと、気持ちいいしキレイですよ。


──森友さんならではの歌声とデュエットする場合、鬼龍院さんなりに心がけたことは何かありましたか？

鬼龍院翔：森友さんの歌のクセをよく理解して歌うというのを心かげましたね。

森友嵐士：ははは（笑）。僕のクセか！

鬼龍院翔：はい。そこが大事だなと思って。デュエットは大竹しのぶさんとやらせていただいたことはありましたけど、ユニゾンとかではなかったんですよ。でも、森友さんとは同じタイミングで歌うことが多かったので、少しでもクセのニュアンスがずれるとどっちもリズム感が悪く聞こえちゃうんですよ。そこは、決して足を引っ張らないように理解して歌うようにしましたけど。でも、皆さんがカラオケなどで歌うときは、森友さんのパートも普通に歌っていただければと。

──そして、デュエットにも挑戦してもらいたいですよね？

鬼龍院翔：やっていただけたら嬉しいですね。普通のCDよりも声の音量を大きくしていまして、普通のCDってハーモニーやコーラスの音量は下げていることが多いんですけど、2人とも目立つように、そこは。どちらの声も聞き取りやすくなっているので、練習しやすいと思います。

森友嵐士：デュエットするときは、サビの“旅立ちの～”という、ここの鬼龍院くんのハモリはキレイに入れてほしいですね。

鬼龍院翔：ええ。ぜひ皆さんやってみてください。

──デュエットをするとき、何かアドバイスがあったら教えてください。

森友嵐士：2人で歌うときは、歌い出しとかアイコンタクトをしてちゃんと息を合わせる。

鬼龍院翔：はい、大事ですね。

森友嵐士：そういうことが重要なんだよね。歌い出しから交互に歌って、サビの頭で声が重なり合う入り口はちゃんとアイコンタクトで合わせていくと、気持ちいいしキレイですよ。


◆自分の意見をはっきりと言う。しかもそれが的確。
人に届けるための作品を作る。そのすごく大事なことをちゃんと忘れずに持っている。


──カップリングにはこのユニットが生まれるきっかけとなったT-BOLANの「離したくはない」が収録されていますね。

鬼龍院翔：もともと大好きな曲ですし。番組でコラボしてさらに好きになったので、一緒に歌わせていただけるならと。

──では、今回一緒に作業をしてみて、お互い改めてリスペクトした部分はありましたでしょうか？

鬼龍院翔：歌を歌っている者としては、森友さんって当然尊敬する方で。歌声っていろいろありますけど。熱い歌声が僕は大好きなんですね。それを僕も体現しようと頑張っているんですが。森友さんはそういった歌声の先駆者、パイオニアなので、少しでも近くにいてそのワザを盗みたいですし、学びたいですし。

森友嵐士：はははっ。そのまんまでいいと思うよ（笑顔）。

鬼龍院翔：いえいえ。そういうリスペクトがあるんで、僕は一緒にやれることはとてもありがたいというか、光栄なことだなと思ってやらせていただいております。

morioni 「サヨナラは歩き出す」

森友嵐士：低音から高い所まできれいに出て、鬼龍院くんはいいボーカリストだなというのが第一印象。しかも、一緒に歌ったときに声の相性がめちゃくちゃいいなと思ったんですよ。単純に気持ちよかった。ミュージシャンの本能として。そこが今回一緒にやることになった一番の動機ですよ。あと、今回のレコーディングのミックス現場で、鬼龍院くんがエンジニアと話すとき、彼のほうが年下だから言葉を発するのは勇気がいると思うんだけど、自分の意見をはっきりと言う。しかもそれが的確なの。耳もすごくいいから、僕が気付けなかった音に気付いて細かい調整をやるんだけど、その調整の先に何を作ろうとしているかということも明確なんですよ。とかく自分の欲求で“ここはもっと上げて”とか、そうなりがちなんだけど、人に届けるための作品を作っている。そのすごく大事なことをちゃんと忘れずに持っているんだよね。

――森友さんはゴールデンボンバーというバンドはご存知だったんでしょうか。

森友嵐士：もちろん知っていましたよ。エアバンドというだけでどんなライブをやっているかまでは知りませんでしたけど、鬼龍院くんと出会って、初めてライブに行かせてもらいました。

──どうでしたか？

森友嵐士：楽しかった！ 最高だったね。2014年末は鬼龍院くんのソロライブ＜ひとりよがり＞にも行ってね。

鬼龍院翔：はい、東京の初日に来ていただきました。

森友嵐士：演出にビックリした。ステージで「あ、ピアノがない！」って言うから、弾き語りやるんだと思ったらスクリーンにピアノが出てきてね。

鬼龍院翔：はい、ピアノの映像の前に僕が座って、ピアノを弾いてる振りをするというエアー弾き語りで「離したくはない」を歌わせていただきました。

森友嵐士：本当ビックリした。僕もやってみたかったな（笑）。僕なんかはずっとライブハウスから上がってきたミュージシャンだから、ライブのアイデアの出し方が全然違うんですよね。だからめっちゃくちゃ刺激を受けますね。せっかくこうして出会ったんだから、僕は僕で、鬼龍院くんからいろんなアイデアを盗みたいと思います（笑）。


◆森友さんという大ベテランのボーカリストの前で、鬼龍院がどんなふうに
頑張っているのか、1回聴いていただけたらうれしいです。


──morioniの活動は今後も継続的に続けていく予定なんでしょうか？

森友嵐士：それぞれが音楽活動をやっているなかで、これはmorioniでやったほうが面白いなというものがあれば、連絡を取り合ってできればいいなと思います。2人でやると盛り上げられる。そういうものが見つかればやる、というのが僕たちらしいかなと。

──最後に読者の方にメッセージをお願いします。

鬼龍院翔：一応僕、最近やっと自分のことをシンガーかもしれない、と思うようになりまして……でも、まだそう言っちゃいけないな。世間的にはまだ僕はチャラチャラしたエアーバンドの真ん中のスキッ歯野郎なので、僕としては、お手柔らかにとしか言えないです。この森友さんという大ベテランのボーカリストの前で、鬼龍院がどんなふうに頑張っているのか、1回聴いていただけたらうれしいです。視聴もできますので。

森友嵐士：こうやって何かの縁で2人が出会って、声を重ねることになりました。そして、何より今回、卒業、旅立ちをテーマに2人で歌っています。卒業をずいぶん前に経験した方にもピュアで何かに熱くなったり感動できたり、涙が止まらないぐらい激しい思いを抱いたり。中学とか高校の頃って仲間内と一つのことを成し遂げたりすると、とてつもない感動があったでしょ？　そういうものを思い起こすきっかけになって欲しいなと思います。そして、まさに今、卒業を迎えようとするみんなには、自分たちの思いをこの曲に重ねてもらって、記憶に残る瞬間を作ってもらえたらうれしいなと思います。

インタビュー＆文◎東條祥恵



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