【ライヴレポート】VAMPS主宰<VAMPARK FEST>2日目、NikkiがHYDEにベースのプレゼント

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2015年2月18日および19日、VAMPS主宰<VAMPARK FEST>が行われた。NOTHING MORE、[Alexandros]、Gerard Way、VAMPSといった4バンドが日本武道館を震わせた初日に続いて、Nikki SixxがHYDEに自身のベースをプレゼントするなど感動のシーンも飛び出した2日目、全バンドTattoo入りのBAD BOYSたちによる夢の共演を速報レポートしたい。

◆<VAMPARK FEST>2日目 画像

<VAMPARK FEST>2日目、トップバッターとして武道館を震わせたのはLA発のナチュラルボーン・ロックンローラー、BUCKCHERRYだ。デビュー・アルバム『Buckcherry』(1999)からの代表曲「Lit Up」で爽快にステージの幕を開け、観客を一気にヒートアップさせる。続けて、会場の熱をさらに上げるように間髪入れず「Broken Glass」「All Night Long」を見舞った。ドライヴ感満点のハードロックなサウンドに、フロントマンJosh Toddのハスキーなヴォーカルが映える。

中盤のバラード曲「Sorry」をエモーショナルに歌い上げると、観客は手を大きく左右に振ってそれに応えた。いつの間にかジャケットやシャツを脱ぎ棄てたJoshの身体の真ん中には、彼のトレードマークであり彼の人生そのものである“CHAOS”のタトゥーがデカデカと刻まれている。フロントマンとして、デビュー時からのカリスマティックな存在感は色褪せることなく、より色っぽさを増して観客を魅了した。そして後半はICONA POPの「I Love It」のカバー「Say Fuck It」で場内に大合唱を巻き起こし、「We Love Japan! We Love Tokyo! We Love BUDOKAN!!」というJoshの叫びとともに、ファンキーなロックンロール・ナンバー「Crazy Bitch」で観客を心ゆくまで踊らせた。

続いてはsadsだ。スクリーンに彼らの登場を告げるバンド名が映し出されるや否や、会場に歓喜の叫びがこだました。メンバーがステージに姿を現すと歓声と拍手が会場をビリビリと振動させる。清春が高くスタンドマイクを掲げ、重厚なギターリフが鳴り響いた。1曲目は「See A Pink Thin Cellophane」だ。ヘヴィなサウンドが武道館を蹂躙、続けて「暴れてください」という清春の言葉とともにファストなパンクナンバー「Hate」でフロアをかき回していった。

「すごいフェスに呼んでもらって光栄です。いつもフェスでは、ぶち壊して終わるか、ひんしゅく買って終わるかに命をかけてる。とはいえ今日は、VAMPSやSIXX:A.M.、BUCKCHERRYとのステージなので、ちゃんとやります」と清春がMCで観客を笑わせつつも、一筋縄でいかないのがこのバンド。ラウドなアンサンブルに身をよじるように歌い、跪いては歌い、またステージを闊歩しては観客を煽りまくり、ワイルドに突っ走っていく。そして「GOTHIC CIRCUS」でビザールな世界へと誘い込んで会場をどっぷりと酔わせ、「残りあと2曲! 踊り狂ってください」と「SANDY」のパンキッシュなビートでステップを踏ませる。観客の絶叫と熱が渦巻く中、ラストは「WASTED」。あっという間ながら、しかし武道館に音のくさびを深く打ち込むステージを披露した。

この数日前に、<the FINAL TOUR>と題したジャパン・ツアーを行なったMOTLEY CRUE。そのベーシストであるNikki Sixxのソロ・プロジェクトがSIXX:A.M.だ。メンバーがステージに登場すると場内の興奮は一段と大きくなったのが肌でわかる。すでに公開しているインタビューではHYDEが「初めてギターでコピーしたのがMOTLEY CRUEだった」と語っていたが、まさに“80年代アメリカン・ハードロックの生ける伝説”といえるNikki Sixxの出演は、<VAMPARK FEST>第1回目にして最高のラインナップ。また、この日の終演後には、VAMPSが4月からSIXX:A.M.の全米ツアーに帯同することが発表されるなど、2バンドの蜜月を物語るものとなった。

そんな親密ぶりをより深く印象づけたのが2曲目の「Stars」だ。同曲では突如ステージにHYDEが登場し、James Michael(Vo)とエモーショナルな歌声をかけ合うなど、サプライズなシーンがフェスを盛り上げた。また、SIXX:A.M.はスケール感たっぷりの重厚なロックナンバーだけでなく、女性コーラスを交え、Jamesがピアノを弾きながら美声を響かせるバラード曲「Drive」や「Before It's Over」といったじっくりと聴かせる曲もセットリストに組み込むなど、その幅広い音楽性は圧巻。粋なロックンロールから、Nikkiのベースがうねりながら会場を駆け抜けていくラウドなナンバーまで、ワンマンライヴの如くドラマティックな構成で魅せる贅沢な時間となった。

2日間にわたったフェスを締めくくるのはもちろん、ホストであるVAMPSだ。始まる前から会場は歓声や手拍子と熱気で溢れる。そしてステージに真っ白なスモークが立ちこめ、メンバーのシルエットが浮かび上がるとその興奮は最高潮へ。インダストリアルロック的なヘヴィで隙間ないビートと、K.A.Zのソリッドなギターリフが縦横無尽に武道館を駆けめぐる「EVIL」でスタートしたこの日のライヴは、観客のステップやスクリームを止めることなくスピードを上げてく。

「武道館、楽しもうぜ。好きにやっちゃって」。HYDEのこの言葉を合図に、「DAMNED」ではずっしりとヘヴィなサウンドに客席がヘッドバンギング。「REVOLUTION II」では“Bang on stomp everybody!”の大合唱を巻き起こす。HYDEはフラッグを肩に担いでフロアにシンガロングを促し、K.A.Zは大きく腕を振りおろして轟音を紡ぎだし、会場の一体感を高めていった。後半は、さらにステージと客席との結束を高める最高にエネルギッシュなナンバー「BLOODSUCKERS」でクライマックスを更新。わずか1分半ほどの曲だが、「まだいけるか?」と観客を煽りながらエンドレス状態でリピート。このドラッギーなライヴナンバーで雄叫びを上げ、ふらふらになるまで踊らせたあとは、「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」で再びハイスピードにドライヴさせる。まさに狂乱と呼べるステージで、フェスのホストでありつつ1番やんちゃな暴れっぷりを見せてくれた。

鳴り止まない歓声と拍手のなかアンコールに登場したVAMPS。HYDEは観客や出演者に感謝を述べてひと言。「ドタキャンなくてほんとよかった」と笑顔を見せた。そして、「最後はみんなで1曲」と、sadsのメンバーとNikki Sixxを呼び込み、MOTLEY CRUEのカヴァー曲「Live Wire」を披露した。VAMPS流アレンジが施された同曲カバーはZEPP会場を中心とした全33公演の<VAMPS LIVE 2014 - 2015>で披露されていたが、この日は完全MOTLEY CRUEバージョンのカバーだ。Nikkiのベースに、HYDEと清春のボーカルが乗るといった光景はこのフェスならではのものだろう。

すべての演奏が終了すると、Nikkiが自らのベースをHYDEへプレゼント。嬉しそうにHYDEがいちロック少年の顔を覗かせた場面もまたこの日のハイライトとなった。

■VAMPS主宰<VAMPARK FEST>
2015月2月19日(木)@日本武道館セットリスト
【BUCKCHERRY】
1.Lit Up
2.Broken Glass
3.All Night Long
4.Somebody Fucked With Me
5.Sorry
6.Say Fuck It
7.Ridin'
8.Gluttony
9.Crazy Bitch
【sads】
1.See A Pink Thin Cellophane
2.Hate
3.tell me what you lie
4.SPIN
5.WHITE HELL
6.GOTHIC CIRCUS
7.SANDY
8.WASTED
【SIXX:A.M.】
1.LET'S GO
2.STARS
3.GOTTA GET IT RIGHT
4.DRIVE
5.LIFE IS BEAUTIFUL
6.BEFORE IT'S OVER
7.THIS IS GONNA HURT
8.LIES OF THE BEAUTIFUL PEOPLE
【VAMPS】
1.EVIL
2.LIPS
3.DEVIL SIDE
4.DAMNED
5.REVOLUTION II
6.AHEAD
7.BLOODSUCKERS
8.SEX BLOOD ROCK N' ROLL
EN1.LIVE WIRE


■VAMPS主宰<VAMPARK FEST>

2015月2月18日(水) 日本武道館
出演者:[Alexandros] / Gerard Way / NOTHING MORE / VAMPS
2015年2月19日(木) 日本武道館
出演者:Buckcherry / sads / SIXX:A.M. / VAMPS
17:00開場 18:00開演(※両日とも)

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