Aldious、“炎上”した歴史的一夜を伝える熱きライブ作品

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国内ガールズ・メタル・シーンのトップに君臨し続けるAldious。その最新作となる、去る2月11日にリリースされたライブDVD『Live Tour 2014 “Dazed and Delight” ~Live at CLUB CITTA’~』が好調なセールスとなっている。

◆Aldious画像


この公演は彼女たちの歴史において、特に重要な意味を持つ記録映像となった。まず、音楽的な進化に挑んだ4枚目のアルバム『Dazed and Delight』の楽曲群をステージでどのように披露するかといった観点だが、結果的に言えば、積極的に取り込んだ新鮮な要素が、過去のマテリアルと並んで配されることで、それぞれの個性が際立って響いてくる。様々な場面描写が伝える、Aldiousというバンドの多面的な魅力。アグレッシブに畳み掛けるものから、弾き語りスタイルでじっくりと聴かせるものまで、従来以上の振り幅で奔放に表現する光景には、彼女たちのさらなるポテンシャルを感じ取れるはずだ。

それを実現させた根本的な理由は、パフォーマンスそのものにある。華やかで楽しいステージはファンにはお馴染みながら、精力的なツアーを行ってきたこれまでの足跡が、この時点での最大値として形となった。経験と鍛錬の繰り返しから生まれた自信。もちろん、ミュージシャンとしての成長を含めて、目指す完成形はまだまだ先にあるに違いないが、5人の堂々とした立ち居振る舞いには、信念を貫いて活動を続けてきた崇高な精神性まで見えてくる。

派手に立ち上る火柱を始め、この日は大掛かりな特効も話題だった。クラブチッタという会場ゆえに可能となった豪華な演出は、確実にAldiousのライブを新たな高みへと導いた。ただ、それがある種のギミックに感じられないのは、やはりバンド自身が文字通りの熱演を繰り広げているからに他ならない。すべてがそこにあるべきものとして機能している。


満ち溢れる笑顔、そして思いがけずこぼれ落ちる涙。オーディエンスと一体になって作り上げられていくライブの充実感は、自然に彼女たちを素直な表情にさせる。いわゆる“人気バンド”と目されるAldiousとはいえ、決して順風満帆だったわけではなく、むしろその歩みは逆風と対峙する連続だった。聴き手の心に訴えかける楽曲はもちろん、そのつど前進してきた逞しさ、果敢な姿もまた人を惹きつけるのである。

さて、気になる今後について、本ツアーの後に引退したAruto(Dr)の後任に関しては現時点で具体的な発表はなく、サポート・メンバーを招いて東京と大阪のイベントに出演したのは既報の通り。しかし、彼女たちは恒常的にリハーサルに入っており、活動を止める気配は一切ない。これまでも幾多の試練を乗り越えてきたAldiousだけに、不安を感じる必要もないだろう。そう遠くない時期に、吉報を届けてくれるはずである。

文:土屋京輔

『Live Tour 2014 "Dazed and Delight" ~Live at CLUB CITTA'~ 』
BSRD-003 ¥4,600円+税
130分 全23曲収録

◆アルディアス・オフィシャルサイト
◆アルディアス・レーベルサイト
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