F.I.Bが3月1日に京都MUSEで活動休止前、最後となるワンマンライブを開催した。

◆F.I.B 画像

11月に突然の活動休止と共に、自らのバンド名を冠にした<FILL IN THE BLANKS TOUR>を発表した彼ら。チケットは瞬く間に全公演ソールドアウト。3月1日は活動休止前最後の姿を見届ける為に多くのファンが駆けつけ、会場の外では「チケット譲って下さい」というボードを持った沢山の人達がチケットを求めて会場前に集まっていた。開演直前になっても諦めない人々をかいくぐって歩いていると、この日のこの場所が幻のようなものにも思えた。

ライブ開始直前になると、袖に日本中からバンドマンが集結し、京都MUSEのステージを囲む。さながらアメリカのハードコアバンドのライブを思わせる光景。パンク・ハードコア・メロディックの先輩・後輩ありとあらゆるバンドの面々がステージを囲んでいるのだから…。どれ程、F.I.Bが仲間から愛されていたのか、ジャンルレスで活動してきたのかが心底伝わる光景だ。

程なくして楽器隊4人のメンバーが登場。「最高の1日にしよう!」とホワイティ(B)の絶叫に近い掛け声と共に、インストナンバー「Intro」からいよいよライブがスタートした。曲の終わりで中途(Vo)が登場すると全照明がONになり、ステージと客席を真っ白に照らし出していく。「やりますかぁ! 京都! F.I.B始めます」と告げると「Cast Off Tinsel Lie」の高速メロディック・パンクナンバーの疾走感が超満員の会場をのみ込んで行く。「For All Time」、「Fill in the blanks」と畳み掛けると、寂しい/嬉しい/楽しい/悲しい/やめるなといった感情がぐっしゃぐしゃになって渦巻く場内にマイクの声を上回るぐらいのオーディエンスの歌声が響く。それもそうだ。このライブを最後にF.I.Bは活動を休止するのだから、フロアも1音足りともを聴き逃さないように必死だ。

前半戦9曲目まで時間が惜しいと言わんばかりに駆け抜けると、「なんやねん、今日はホンマ最高やねぇ!」。活動休止という悲壮感を一切まとわりつかせず、中途の笑顔が今日はより一層輝いて見えた。続けて「今日は俺らの全国の仲間たちが遊びに来てくれてホンマに心から嬉しく思う」とにっこり笑ってみせると、「F.I.Bのライブはこの5人で作るもんじゃなくて、フロアと一緒になっていつも作り上げてきたけど、前半戦でみんな解ってるように、最後の1本になっても変わらないから、ガッツのあるやつはどんどんステージに上がって来い、その代わりトロトロしてる奴は後ろから蹴飛ばすぞ(笑)」といつものF.I.B節を投げかけ、「ワンマンなのでたまにしかやれない曲を」とアルペジオの旋律が印象的な「TANGLE」を披露。ミッドテンポのナンバー「Strings」で伸びやかな歌声を響かせると、唯一無二のメロディで勝負してきたF.I.Bの底力を改めて魅せつけられる。

中盤戦では、「F.I.Bを聴いてくれた人たち、仲間のパワーに支えられてここまでこれたと改めて実感しました。俺らはライブでしか返すことが出来ないけど、遊びに来てくれたみんなに向けて今日は目一杯、楽しく、いつも通りに俺ららしくライブをする事が最大の恩返しだと思ってるから」と心境を吐露。「俺らの12年間を一旦置いて帰ろうと思うから、昔の曲をやるわ」と初期ナンバー「The things which I thought in yesterday」を投下。「START FROM HERE」、「moonlight」等人気ナンバーを披露し、フロアを再び着火する。

後半戦に入る前に、ぐしゃぐしゃになったフロアを見渡して、「凄くいい景色が見えてます。ツアーファイナルでいつもやっていた京都MUSE。ここでソールドアウトしたライブの景色が見たかった。その夢が今日叶いました。」と中途。「ここにいるみんなそれぞれの人生のちょっとした時間に俺らの音楽やライブが横にあって、寄り添ってくれてる人たちが今日こんなに集まってくれて嬉しいです。そんなみんなに“この両手で何が出来るかな”、そう思って書いた曲を」と「HANDS」を披露。その後、00年代メロディック・ハードコア最高峰のナンバー「You will be next」を投下すると柵なしのステージ前ではオーディエンスが次から次へと、ステージから客席へ飛び込み美しい放物線を描く。

ステージはF.I.Bの歴史が物語られるようなセットリストが繰り広げられ、オーディエンスの熱気による水蒸気の雨がフロアには降っていた。天井の高い会場ではありえない光景だ。MCで残り4曲という事が告げられると、会場からは悲鳴とも怒号とも聞こえる声が会場中に響いた。そして「バンドは、本気のそして最っ高に贅沢な遊びや!」と、ついて来いと言わんばかりに、1stフルアルバムと1stミニアルバムでミュージックビデオに選曲された「Promised Place」、「KIZUNA」、PIZZA OF DEATHのコンピレーション・アルバムで、一躍その名を全国区に押し上げた「Are you standing on?」、最後の作品となった2ndアルバムの代表曲「STORY」とキラーチューン4連発を力強く披露し、本編をクライマックスへと導いた。

メンバーがステージに捌けると、“One More!!”とアンコールを求める声がかなり長く続けられ、それに応える形でメンバーが再びステージに。

「F.I.Bを組んでから13年目。一番最初からのバンド共通の目標で、PIZZA OF DEATHからCDを出したいという目標があって、デモCDを送っていた日々があり。その後、縁あってコンピへの参加がキッカケで同レーベルからCDを出させてもらって、夢が叶った時は本当に嬉しかった」と当時を振り返る。「自分の目標が形になって、俺らは本当にラッキーなバンドだと思う。そして、こうしてみんなに支えてもらってライブができていて幸せです。感謝しかありません。ありがとう」と想いを述べるとオーディエンスに向けて、「一回きりの人生、納得行く人生を送ってや」とオーディエンスにエールを飛ばす。そして、「Trip」、「To Hope」、「Interrogative Everyday」を披露し、ステージを後にした。その後、ダブルアンコールに応えたメンバーたちはフロアを見渡しながら、ハードコアナンバー「So We Can Claim」を披露し、大団円を迎えた。

晴れ晴れとした鮮やかな終幕に、ポッと心に穴が空いてしまったような虚無感を味わったものの、帰り道で頭に浮かんでくるのは、2013年3月の2ndアルバムのツアーファイナルの時「99回負けても100回目で勝てばいい」、そう素直にステージから笑顔でいい放った彼らを思い出した。沢山の負けを知っているからこそ、負けたものの気持ちが解る。同じ目線で語りかけるどこまでも等身大の彼らが、“俺らこうしてステージに立ってるけど、大丈夫だよ。俺らだって同じなんだから”というメッセージを今日も感じさせてくれた、笑顔に溢れたどこまでも F.I.B らしいラストライブだった。

撮影◎瀧本 "JON…" 行秀

■<F.I.B “FILL IN THE BLANKS TOUR FINAL”>
2015年3月1日@京都MUSEセットリスト
1.Intro
2.Cast Off Tinsel Lie
3.For All Time
4.Fill in the blanks
5.NO WAR
6.The earth
7.Moments Not Words
8.Song of warning
9.TAKE ACTION
10.TANGLE
11.Strings
12.The things which I thought in yesterday
13.START FROM HERE
14.80%
15.Our Scenery
16.Your Special Days
17.moonlight
18.My Hands
19.To Another World
20.You will be next
21.I'm proud
22.BURN DOWN
23.GET BACK
24.Promised Place
25.KIZUNA
26.Are you standing on?
27.STORY
encore
28.Trip
29.To Hope
30.Interrogative Everyday
W.encore
31.So We Can Claim

◆F.I.B オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト