【ライブレポート】MEANING、「今日は“始まりの日”になると思っています」

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MEANINGが3月8日、恵比寿LIQUIDROOMにてミニアルバム『150』のリリースツアーファイナルを開催した。

◆MEANING 画像

このツアーは10月29日の新代田FEVERを皮切りに、約半年をかけて全国25ヶ所を巡るロングスケールのものとなった。ファイナルのゲストには、MEANINGが対バンを切望して止まなかった日本が世界に誇るポストハードコアバンドenvyが出演。対バンする相手に特別なこだわりを持つenvyの参戦は、発表当初ロックシーン界隈を騒然とさせた。ちなみにPIZZA OF DEATH RECORDSオフィシャルサイトには、HAYATO(MEANING/Vo)とTetsu(envy/Vo)が、この日に向けて語り合ったスペシャル対談も掲載されているので、あらゆるジャンルの方々にチェックいただきたい。

ライブ当日は少し肌寒く、今にも雨が降り出しそうな曇天。オープン直後のリキッドルームに到着すると、フロアはすでにMEANINGのマーチを着たキッズとポストロックファンっぽい人たちをはじめ、各バンドと親しいバンドマンたちが大勢詰め掛けて、どこかヒリヒリした空気が漂っていた。この日のツアーファイナルが特別な1日であり、これから始まるライブへの期待が会場内に充満しているといった様相だ。

スタート時刻の18:00を回り、まずゲストであるenvyが登場。「擦り切れた踵と繋いだ手」のイントロが会場を包み込むと遂にライブがスタートした。張り詰めた糸が切れるように体を揺らすオーディエンス。そこから「覚醒する瞳」「左手」と往年の名曲を畳み掛け、早くもクラウドサーフが続出する。続く「風景」では情景的に空気を彩ったかと思うと、次曲ではenvyの楽曲のなかでも特にアグレッシブな印象の強い「NURO DEVILMAN」を叩きつけ、「暖かい部屋」へ。初めてenvyを見るオーディエンスも緩急激しいセットと、圧巻の迫力を前に立ち尽くし、ステージを見入っているようだ。ラストは「さよなら言葉」で歓喜の盛り上がり。新旧問わない名曲のオンパレードで圧倒的な空間を作り出した。

約20分ほどの転換を経て、場内が暗転するといよいよMEANINGの登場だ。ステージを覆っていた幕が開き、ファイナルへの覚悟を表した死神のフラッグをバックにメンバーが姿を現した。この日のオープニングナンバーはEP『150』より1曲目の「Sleepless Night」だ。ボーカルのHAYATOが歌詞に“いくつもの眠れぬ夜を超えて、アンタたちに会いに来たんだ”とメッセージを織り交ぜて叫ぶと、前へ前へ押し寄せるオーディエンスから大きな歓声が上がる。そこからは早速の猛攻。「What We Love, What We Hate」「My War」と立て続けて、こう挨拶を。

「MEANINGです。こっからどんどん行くからさ。オレたちの場所、みんなの場所って曲です!」──HAYATO

そして演奏されたナンバーは「This is My Place」だ。HAYATOは、いつにも増して抜き身の刀のような危うさを放ちつつ、鬼気迫るパフォーマンスでフロアをガンガン煽る。さらにはMEANINGが敬愛するFC FiVEへのリスペクトを体現した「Not Fucking Dead」をFC FiVEの名曲「My Strife」のイントロにつなげて投下。フロアに飛び込むHAYATOに呼応するようにクラウドサーファーが溢れ返った。

「HERE FOR YOU」の中盤では、「ちょっと空けてくれねぇか?」とHAYATOが語りかけ、真っ二つに割れたフロアに降りてPA前のテーブルに登り、「歌ってくれ!」と呼びかけた。もちろんリキッドルーム全体がシンガロング。早くもこの日のハイライトシーンの1つとなった。MCでHAYATOはツアーの感想を次のように語った。

「早く終わってほしい反面、終わってほしくないって気持ちもあって。そうこうしているうちにファイナルまできました。出てくれたenvy、何回も何年越しに誘って、やっと一緒にできる機会ができて…。長く願っていれば、こんなステキな場所で2バンドだけで、みんなの前でライブできて。本当にすげー幸せ。ありがとうございました。見届けてくれて本当にありがとうね!」。さらに、「明日、誰かの糧になると思って、バンドをやってる。オレたちは間違いなくそうだからさ。今日のことを、また思い出してくれたらいいと思ってやってる。そんな曲をやります」、と「INFECTION」へ。続く「Rise In Rebellion」でモッシュピットを作り出し、『150』に収録されたMEANING流バラード「May the peace be with you」を高らかに歌い上げる。その姿はどこか神々しさを感じさせる貫禄があった。

クールダウンしたフロアに力強く響き渡るのは「UNBROKEN HEART」のイントロだ。「あれからずいぶん年月が経ったけど、今でも3月11日の気持ちを持っている人がいるなら、その気持ちは何ら恥じることはないから。この歌は、オレたちが声が出なくなるまで、この場所で歌い続けるから。そのときまで拳を上げ続けてくれ!」とHAYATOが叫び、リキッドリーム中に拳が突き上がる。「今、上げた拳さ、そのまま上げていてくれよ!」と曲がスタート。「リキッドルームに集まったオレたちは自由であるべきだから」と歌詞にこの日ならではの言葉を織り交ぜフロアへ向ける。彼らの信念を感じさせるパフォーマンスに、素晴らしい光景が会場中に広がった。

曲の終了とともに、「今日はなんでそんなに行儀がいいの? 最後くらいちゃんとしようってこと?(笑)」と笑いかけると、待っていましたと言わんばかりに、「全然たんねぇぞー!」と野次が飛び交った。フロアとステージの距離感が近い。これは、どんな場所であろうともMEANINGのライブに貫かれている光景であり、彼らにしか作り出せない空気感だ。そして物販スペースに出展している震災復興支援活動を行う「Team K」を紹介。復興支援活動もMEANINGが何年も続け、貫いている。それらひとつひとつに、来てくれる人への感謝、関わる人への気持ちがにじみ出ている。

そして、ここからは怒涛の展開。「The Tragic World(But We Must…)」「STAND UP」で、つい先日、活動休止前のライブを終えたばかりのF.I.Bの中途(Vo)がゲストコーラスとして参加し、場内全員でシンガロングが繰り広げられる。さらには「Moral」とノンストップで展開し「Brave Heart」「Knock It Off」で、この日最も大きなモッシュピットが出現、ステージダイブが続出した。いよいよ終盤戦を迎えたステージで語られたHAYATOのMCは、とても印象的なものだった。

「MEANINGを10年やって、11年目に入って。今、こっから先のもっと違う景色を見たいと思ったときに、ノリや勢いだけじゃ、この先はやっていけないから、MEANINGを辞めるのか、それとも本気で続けるのか。そういう話が、このツアーの前に出ました。嫌なものを見ないようにすれば、ダラダラ続けることはできると思うんだけど、それでみんなから金もらったり、みんなの前に立つのは違うなと思って。今までの10年は10年で、すごく大切だったけど、こっから本当にまた新しい気持ちでMEANINGを進ませていこうと思うから、今日は区切りじゃなくて“始まりの日”になると思っています。このツアーは、自分の気持ちがボロボロになって、ライブやってる場合じゃない。バンドやってる場合じゃない。と、思う瞬間がたくさんあったけど、メンバーやレーベル、ライブハウスに行けば、いろんな人がそばに来てくれて、サポートしてくれたバンドがいて、本当に助けられました。恥ずかしげもなく言うけど、本当にありがとうございました」

と、真っ直ぐに思いの丈を伝え、フロアに笑顔を向ける。「自分のため、サポートしてくれたたくさんのバンドのため、みんなのためにやる。最後まで付き合ってよ」。その言葉に、大きな拍手で応えるフロア。「MEANING TO BE HERE…」「SMILE」、そしてCOUNTY YARDのSitをステージに招き「Stay Beautiful」へ。ラストに「150」だ。“オレたちは何度でも立ち上がれる、この街で!”の言葉で約1時間50分にわたるステージ本編の幕を閉じた。

アンコールは「作ったときはそんな気持ちじゃなかったんだけど、ロックしようぜ!」というHAYATOの言葉に続いて「Hope」、最後はバンドとともにこの1日を上り詰めたオーディエンスによるクラウドサーフやモッシュで最早フロアはぐっちゃぐちゃだ。その光景は最後の瞬間を噛みしめるように感動的であり、ツアーファイナルはその場にいる全員の笑顔で締めくくられた。

▲MEANING画像全39点

強さだけではなく、弱さも認め、等身大の自分たちをライブで表現したこの日のMEANING。そんなステージを見ていると、彼らの表現するハードコアパンクの素晴らしさがストレートに伝わってきた。メンバーそれぞれのパーソナルな問題を乗り越え、彼らは未来へ目指して歩き出した。バンドはこのツアーで大きな飛躍を遂げ、ファイナルを経て次なる挑戦が始まった。次にMEANINGが形にするものは何か? それは必ずロックファンを沸かせてくれるものに違いない。

撮影◎Ayumi Saruya

■<MEANING "150 TOUR FINAL" >
2015年3月8日(日)@恵比寿 LIQUIDROOM ※GUEST:envy

【セットリスト】
1.Sleepless Night
2.What We Love, What We Hate
3.My War
4.This Is My Place
5.Not Fucking Dead6.Here For You
7.Infection
8.Rise In Rebellion
9.May The Peace Be With You
10.THE UNBROKEN HEART
11.The Tragic World(But We Must...)
12.Stand Up
13.Moral
14.Brave Heart
15.Knock It Off
16.MEANING to be here...
17.Smile
18.Stay Beautiful
19.150
encore
EN Hope




■ミニアルバム『150』

10月22日発売
PZCA-68 ¥1,800 (without tax)
1.Sleepless Night
2.Stay Beautiful
3.This Is My Place
4.What We Love, What We Hate
5.Not Fucking Dead
6.May The Peace Be With You
7.150
全7曲 33分34秒

◆<150 TOUR FINAL SERIES>特設サイト
◆MEANING 『150』特設サイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト
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