5月2日、ついに歴史が動く。LOUDNESSとOUTRAGEの共謀による真新しいイベント<LOUD∞OUT FEST 2015>が東京・新木場STUDIO COASTにて開催されるのだ。邦楽/洋楽の壁をあらかじめ超越しながら、常にこのシーンをリードしてきた2組のレジェンドの共闘自体が画期的な事件といえるが、さらにここに出演者として名を連ねているのがsads、そしてHER NAME IN BLOODだという事実がまた興味深い。

◆スペシャル座談会画像

今回はLOUDNESSから高崎晃と山下昌良、OUTRAGEから丹下真也と阿部洋介を招き、4名での座談会を決行。話は脱線に脱線を重ね、爆笑を重ねながら進んでいく。今回のイベント開催の意義や意図についてももちろんご理解いただきたいところだが、秘話満載のやりとりを通じて、この愛すべき重音楽家たちの素顔に触れていただければ幸いだ。

――LOUDNESSとOUTRAGE。そもそもこれまではどういった関係にあったんでしょうか?

阿部:こちらとしてはもう完全に、ファンとバンドとしての関係から始まってますね。

山下:えっ? そんなことないんじゃないの?

丹下:いや、あの、お2人とも記憶にないだろうとは思うんですけど、僕らはLOUDNESSの最初の名古屋公演を観に行ってるんですね。

高崎:1982年ぐらいの話だよね、それは。

丹下:ええ。確かその日は皆さん、ライヴが終わって戻られたと思うんですね。で、それをタクシーで名古屋駅まで追っかけていって、パンフレットにサインをもらって。今もそれは押入れの奥のほうに大事に保管してあるんですけど(笑)。とにかく僕らとしては、そういうところからスタートしてるんで。

――当然、他にもいろいろなバンドのライヴに?

丹下:ええ。当時からいろんなバンドを観に行ってたし、それこそMOTORHEADとかそういうバンドが来日した時に追っかけるのと同じ感覚で、LOUDNESSを追っかけてたんです。まあ僕の場合、ちょっとミーハーなところもありまして(笑)。

阿部:当時の名古屋界隈じゃ僕ら、わりと有名な存在でしたよ。

丹下:Gジャンの袖を切ってパッチをいっぱいつけて、それでいろんなバンドを追っかけたり、コンサートを観に行ったり。当時はチケットぴあとかさえない時代だったんで、プレイガイドとかに並ぶじゃないですか。名古屋だと玉音堂って店にいちばんいい席がまわってくるらしいという説があって、そこにJUDAS PRIESTのチケットを手に入れるのに1週間並んだりとか。

高崎:出た、JUDAS PRIEST!

阿部:時期的に旬な話題ですよね(笑)。

高崎:チケットを取るためだけに、コネとか使わずに並んでたん?

丹下:当時の自分たちには、コネなんてなかったんで。

阿部:なんせただの高校生ですから(笑)。

山下:それは俺も一緒やったわ。大阪のウドー音楽事務所でチケット発売日の前日から徹夜でみんなで並んで。それが楽しいねん(笑)。

阿部:そうそうそう!

山下:ラジカセとか持参で並びに行ってな。「マイケル・シェンカーの新譜でも聴こうか?」ってみんなで聴いたり。で、最前列とかを手に入れて。

高崎:グループでそういうことしてたん?

山下:そう。ほんでそのままチケット買った後に「RAINBOWはあそこに泊まってるらしいで」とか情報交換をしたり。「じゃあサインもらいに行こか?」みたいな(笑)。

阿部:おんなじおんなじ(笑)。

高崎:それってほとんどバンギャルやん、もう(笑)。

山下:俺もJUDAS PRIESTのサインをもらいにホテルに行ったことがあるよ。ロブ(・ハルフォード)と一緒に撮った写真も持ってる(笑)。高校生の俺とロブっていう写真(笑)。

高崎:なんか結構ええ勝負してるね、OUTRAGEと(笑)。

山下:あとK.K.ダウニングの写真も持ってるし、実はコージー・パウエルとグラハム・ボネットのサインも持ってる。

高崎:それはまだLOUDNESSが始まってない頃やな?

山下:もちろんもちろん。高校生の時やもん。RAINBOWが来た時に、コージー・パウエルのソロ・アルバム持っていって、サインをもらって。

丹下:僕、リッチー・ブラックモアのサイン持ってます(笑)。

――あのー、今回は“メタルお宝対決”という企画でないんですけども(笑)。しかし実際、好きなバンドを同じようにファンとして追いかけてた時代があったということなんですね。


▲まさに「新バンド、LOUD∞OUT始動へ?」という見出しが似合いそうな対談当日の写真。左から阿部洋介(OUTRAGE:G)、山下昌良(LOUDNESS:B)、丹下真也(OUTRAGE:Dr)、そして高崎晃(LOUDNESS:G)。

山下:あんまり変わらんもんね、年代も。

丹下:そうですね。

山下:あと、使ってる楽器のエンドースが同じESPだったこともあって、そういう関係のパーティーとかで一緒になったり、その打ち上げとかで一緒に呑んだり。一緒に演奏したことはないけど、よう一緒に呑んでたね(笑)。

丹下:うちのベースの安井(義博)とは確か、ESPのクリニックか何かで……。

高崎:そうそう、安井君とは一緒にやったことがあった。

――『LOUD PARK』で一緒になったこともありましたよね?

山下:あれはもう4年ぐらい前かなあ(注:両者とも2009年に出演)。

阿部:急遽、出た時ですよね、LOUDNESSが。

――エース・フレーリーの出演が中止になったんでしたっけ?

山下:詳しい経緯はよう憶えてないけど、フェス自体はがっつり観たよ。最初から最後まで。

高崎:でも、確かそうだった気がするね。この世界では「困った時のLOUDNESS」って言われてるんで(笑)。だいたい外タレで穴が開くとすぐ電話がかかってくるんですよ。直接来るからね、俺んとこに(笑)。

――そういうわけで過去に接点がなかったわけではない両バンドですけど、こうやってがっつり組み合うというのは初ですよね?

高崎:ライヴを一緒にやるのもそうやけど、実は話をするのも今日が初めてみたいなもんやから。

阿部:山下さんとは、酔うていろいろ話してきましたけど。

山下:酔うてな。だからよう憶えてへんけど(笑)。

阿部:高崎さんとちゃんと話すのは今日が初めてだし。

――しらふで話すのも今日が初、ということになるわけですね。

山下:そうそう。昼間会うのは今日が初めて(全員笑)。

――このまま進めていくと話に収拾がつかなくなりそうですが。

高崎:うん。でもそろそろ足りるんちゃう、文字数(笑)。

――いやいや、まだ肝心のライヴの話ができてませんから(笑)。今回、この<LOUD∞OUT FEST 2015>というイベントを実施することになった経緯についてまず聞いておかないと。これはどなたに聞くべきでしょう?

高崎:それはやっぱり阿部君でしょう(笑)。

阿部:えーっ(全員爆笑)。

高崎:さもなきゃ、マーくんやろうな。

山下:なんで俺なん?(笑)

高崎:みんなさっきまであんなに元気に喋っとったのに、肝心のコンセプトの話になったら誰も話さないなんて、おかしいやん(笑)。

山下:ははは! それにしても、どう考えても男くさすぎるよね、この顔ぶれ。

高崎:うん。だからこそスペシャル・ゲスト(=sads)がおんねん。

山下:そういうことか。上手いことできてるよね、これ(笑)。

高崎:この2組だけで行くとね、ホンマに9割5分が男性客ばっかりということになってしまうからね。

――黄色い歓声、無しですか?

高崎:「タカサキくーん!」みたいな? それはもう30年以上ないですね(笑)。

――実際、どんな経緯で実現することに?

丹下:ものすごく簡単に言うと、スタッフが共通してたっていうのが大きいんです。でも、とにかく自分にとってはもう夢のような企画ですね。ありがとうございますって感じです。

高崎:説明になってへんなあ(笑)。じゃあ俺から説明するわ。元を正せば去年ぐらいから、今の僕らが所属するレーベルのフェスをやろうじゃないかという話が持ち上がっていて。実際、LOUDNESSはいちばん最後にそこに入ってるんですけど、OUTRAGEも同じレーベルで、担当者も同じで。そんな話になった時に、たまたま5月2日に新木場のSTUDIO COASTが空いてるというのがわかって。僕らも去年、この会場ではFear,and Loathing in Las Vegasと一緒にやったことがあるんだけど、すごくええコヤやしね。

山下:うん、ええね。家からはちょっと遠いけど(笑)。

高崎:ロックをやるにはサイコ-にいい雰囲気のある会場なんで。

山下:OUTRAGEはあそこでやったことある?

阿部:ありますね。CHILDREN OF BODOMのサポートが急遽決まったことがあって。

高崎:困った時のOUTRAGE?(笑)

丹下:実際、その時も確か外タレがキャンセルになって。それで直接、担当者から電話がかかってきて(笑)。

高崎:実はANTHEMも同じレーベル所属でね。だからホンマやったら彼らも出られたら良かったんだけども、スケジュール的に合わなかったみたいで。だったらLOUDNESSとOUTRAGEで、『LOUD PARK』の国産版みたいなフェスをやって、そういうものとして育てていければいいなというのがあって。

――育てるということは、これは単発のイベントではないということですね?

高崎:考え方としてはそうですね。まずはとにかく今回の一発目を大成功させて、LOUDNESSとOUTRAGEを中心にしたフェスとして定着させて……。ゆくゆくは、この形でツアーもできたらいいなとも思うしね。

山下:OUTRAGEの地元の名古屋でも是非やらんとアカンやろうしね。

高崎:ともに西のバンドやしね。こないだも俺、名古屋に行ってきたんよ。JUDAS PRIESTを観に。

山下:わざわざ名古屋まで観に行くぐらい良かったんや?

高崎:うん。やっぱり今回はロブが強力やったね。新しいギター(=リッチー・フォークナー)もええ感じやったし。

山下:ベースも上手いしな。オルタネイトが死ぬほど上手いもんね、あの人。

――イアン・ヒルのいつもの動きを見るとなんか安心しますよね。というわけで話がまたまた脱線してしまいましたが(笑)、満を持してのイベントでもあると同時に、今後を見据えながらのものでもあるわけなんですね。

高崎:そうですね。

丹下:一回目を成功させて次に繋げていきたいですね。もちろん今も話に出たように名古屋でもやりたいし、大阪でもやりたいですし。


――こういった発想になったのは、やはりシーンの現状についてどこか煮え切らないものを感じているところがあったからなんでしょうか?

高崎:いや、べつにそういうわけではなくて。今、日本のなかでもメタル・シーンがまた盛り上がってきてると思うんですよ。日本のポピュラー・ミュージックのなかでもハードめな要素がようやく定着してきたというか。こうなるのにやっぱ30年ぐらいかかってるわけですよね。もちろん、いつかかならずこうなるはずだっていうのは30年前からわかってましたけど。絶対ロックはもっと伸びてくるはずやって、当時から思ってましたからね。で、実際そういう手応えも感じられるようになってきてるなかで、よりいっそう日本のメタルを盛り上げていくためにも、タッグを組んだほうがいいだろう、と。

――まさに最強タッグですよね。すごくプロレス的な言い方になりますけど。

山下:濃いよね(笑)。うるさそうやけど、音。

――いや、うるさそうなのではなく確実にうるさいはずで(笑)。今の時代、それをメタルとして認識しているかどうかは別として、そういう音楽を好む世代が広がっているのは間違いないですよね。

山下:そうやね。タッカンも言うてた通り、ポップスのなかでもちょっとしたアレンジにメタル的な要素が入ってきてたり。BABYMETALの成功なんかを見ててもそれは明らかやと思うしね。

高崎:アニメの音楽とかも、かなりそうなってきてるし。

阿部:実はさっき、レコード会社の人にJ SOUL BROTHERSの曲を聴かせてもらったんですよ。スラッシュがギターを弾いてるっていうんで。で、聴いてみたら歌謡曲でもなんてもなくて、もう普通にロックというか、カッコ良かったですよ、なんか。

丹下:たとえば今回のイベントにも出るHER NAME IN BLOODのCDを聴いた時、自分にとってはメタル以外の何物でもない音だと思ったんですね。彼ら自身がどう思っていて、ファンがどう捉えてるのかは別として。で、実際にメンバーと話をしてみたら「お父さんがOUTRAGEの大ファンで、家にCDありますよー」みたいな(笑)。「まさかこうして一緒にやれるとは思ってませんでした」と言われて。そういう世代の子たちが今、こういう音楽を演奏してるわけで、ある意味この30年間で音楽のサイクルが一周したというか、繋がったようなとことがあるんじゃないかと思うんですよ。LOUDNESSが出てきた頃から今現在まで、30年ちょっとの間に、ぐるーっと一回りして輪になったというか。まさに今がそういうタイミングだってことだと思うんですね。

――丹下さん、声がすごくて聞き取りづらいけど、いいこと言いますよね(全員爆笑)。

丹下:すいません!(笑)

高崎:ハスキーやからね。

――インタビューおこしがいちばん大変なミュージシャンのひとりですよ。ザック・ワイルドに匹敵するくらい。

阿部:はははは!

丹下:こないだ、二井原(実)さんにラジオ番組に来ていただいたんですけど、2人とも声がしゃがれてるんで、リスナーの方から「2人の会話が聴き取れないです」っていう声があって(笑)。

山下:えっ、そうなん?(笑)

――MOTORHEADのレミーの自伝映画では、レミー自身が喋ってるところに英語の字幕が出ますもんね。欧米人でも聞き取り困難だから(笑)。

山下:マジで?

阿部:はははは!

――話を戻しますけど、要するに聴き手がメタルを聴いているという感覚であるかどうかはさておき、そういった音というのは30年前とは比べものにならないぐらい広く浸透しているわけですよね。しかし時間の流れの速さというのを感じさせられます。OUTRAGEが現れた頃は「驚異の18歳バンド」みたいに言われてたもんじゃないですか。その人たちの音楽を聴いて育った人が父親になっていて、その子供たちが今やバンドをやっているわけですから。

高崎:OUTRAGEって、デビュー当時まだ18歳やったん?

丹下:僕は20歳ぐらいだったんですけど、ヴォーカルはまだ18歳とかで。メジャー・デビューは自分が21歳の時でしたね。

阿部:俺は20歳でした。

高崎:まだそんな若かったんや! マーくんは19歳やったっけ、LOUDNESSのデビューの時。

山下:20歳になって4日後ぐらいやったかな(笑)。

高崎:俺のデビューは16歳ですけどね。史上最年少のロックンローラーっていうキャッチやったんですよ、その当時。それが今や最年長になりつつありますから(笑)。

――いやいや。そして他2組の出演者について聞かせてください。sadsと、さきほども話の出たHER NAME IN BLOOD。この両者の出演に関してはどういった経緯で決まったんですか?

丹下:僕らはHER NAME IN BLOODとはこれまで2回ほど一緒にやったことがあって。東京のバンドなんですけどね。OUTGRAGE側からの推薦というわけではないんですけど、このイベントとして相応しい若者のバンドというか。いわゆるラウド・ロックのなかでもちょっとメタル側からすると遠い感じのバンドもいれば、近い感じの人たちもいると思うんですけど、彼らは音を聴くかぎり、すごくこっちに近いと思うんで。

山下:なるほど。しかしsadsというのは意表を突くゲストやね。

高崎:sadsに関しては、去年ぐらいから清春がLOUDNESSのライヴを観に来てくれるようになって、急激に仲良くなってね。去年の暮れぐらいに黒夢が大阪でやったライヴに俺が飛び入りしたり。そんな感じでちょっと付き合いが始まりまして。

山下:sadsはドラムがGO君やしね。

高崎:そうそうそう。

山下:彼なんかもよう観に来てくれるから、僕もポロッと「今度観に行くわ」って言うてしもうて(笑)、実際、sadsを観に行ってきたんですよ。去年のハロウィンの日。1時間くらい押して始まったんで、最後まで観られなかったんですけどね。

高崎:1時間も観れば長いほうなんですよ、山下の場合は(笑)。

山下:いや、でも良かったですよ。いまどきあんだけ各自のソロでまわしてるバンドって、いい意味でめずらしいしね。僕らがやるんならまだしも、sadsがそんなんやるんやなって思わされたし。まあきっと、あの日に限っては特殊メイクを落とすための都合もあったんだろうけど(笑)。

――ハロウィンでしたからね。ちなみに僕もあのライヴのあとに行なわれたFCイベントには特殊メイクをして司会者として出演したんです。

山下:そうそう。あの日に会うたもんね。

高崎:増田さんまで特殊メイクしたん? キング・ダイアモンドみたいになったんちゃう?(笑)

丹下+阿部:ひゃひゃひゃひゃ!

山下:似てた似てた(笑)。でも意外でしたね。僕もやっぱ、清春君のイメージがあったから、ああいうライヴをやるとは思ってなかったし、実際むちゃくちゃハードやったしね。なんせドラムもGO君やし、ギターのK-A-Z君も上手いしね。

高崎:彼はどんどん弦を増やしていってるよね。そろそろ10弦とかになるんちゃう? どこまでいくんやって感じで。ちょっと酒癖悪いのだけなんとかして欲しいけど(笑)。

――酒癖が悪いんじゃなくて、高崎さんが呑ませ過ぎてるという話ですが(笑)。

高崎:イエガーマイスターを山ほど呑ませて、いつも倒しますんで(笑)。まあ彼の場合、体の大きさも違うからね。

丹下:はははは!

――今みたいな話を聞いていると、sadsの出演についてもとてもナチュラルな人選であるように感じられます。しかも昔ながらのジャンル感には縛られていないのがよくわかりますし。

高崎:それに、LOUDNESSとOUTRAGEだけやと、ホンマに9割5分ぐらいの客がガイズ(=野郎ども)になってしまうからね(笑)。

山下:すごいことになってまいそうやね。でもなんか、この流れでヨーロッパとかアメリカも行ってみたいね。どんだけ外国でも男ばっかりになるのか、試してみたい(笑)。我々、今、ヨーロッパとかでやっても男しか来ないから。アメリカは多少、女性も来るんやけどね。でも若い女の子がいると思うと、それは娘なわけ。お父さんがLOUDNESSファン、という(笑)。

高崎:その娘に目が行ってるんですよ、マーくんは(笑)。

山下:怖いわ(笑)。でもきっと、5月2日は女の子も来てくれますよ。OUTRAGEと我々が体験したことないくらい女の子が集まってくれるかもしれない。そこはちょっと期待してます(笑)。

高崎:でもその子ら、SADSが終わったら帰ってしまうで(笑)。スペシャル・ゲストをいちばん最後に出さなアカンかもしれへんな。

山下:そういえばLas Vegasとやった時は、お客さんがとにかく若くて、10代の子らも多かったんよ。しかも半分くらい女の子で。その時もびっくりしたけどね。こんなお客さん、何十年ぶりに目にしたかなという感じで。

――でもまあ、女子たちにも若年層にも、怖がらずに観に来て欲しいところですよね。

山下:そうですね。そして最初の2組が終わっても残っといてくれよ、と。ちゃんとOUTRAGEとLOUDNESSも観てくれよ、と書いといてください(笑)。

高崎:それにね、きっとみんな最後にも出ますよ。

山下:そうそうそう。だからみんなフロアの前のほうに残っとかんと。

高崎:女子率が何割ぐらいになるかによってマーくんのやる気がだいぶ変わってきますからね。

山下:そうそうそう……って。よう言うわ(笑)。

阿部:ガイズに失礼な話ですよ(笑)。

丹下:でも、ゴッチャな感じのオーディエンスっていいですよね。フェスなんだし、普段とは違う新鮮さも求めたいですね。


――今、「最後にみんな出てくる」という発言がありましたけど、各バンドのライヴ以外にも何か特別な趣向が用意されているわけですか?

高崎:やっぱり最後にね、出演者全員で何かしらジャム・セッションなり……。何か曲を演奏できたらええな、というのは言ってますけどね。大きなフェスとかではなかなかそういうこともできないだろうけど、せっかくの機会やし、何か特別なものを見せられたらいいなとは思いますね。

丹下:レアですよね、そういうのも。

――OUTRAGEはこの日のために何か特別なことを考えていたりとかは?

丹下:まあ、基本的には特別なことをするんじゃなく、自分たちがいつもやってることをそのままやろうと思ってます。ただ、気持ち的にはやっぱり、LOUDNESSが作ってきたこの長い歴史のなかに自分たちもいて、しかもその先にもずーっと繋がってるってことに対して、敬意をもって参加したいと思いますね。

――LOUDNESSとしてはどうでしょう? 普段のライヴに比べると、初めてLOUDNESSを観るという人たちの割合も高くなる可能性があるわけですけど。

高崎:何かある?

山下:いやいや。いつもの、ありのままのLOUDNESSを。それを受け入れてもらえれば嬉しいですね。しかし、どう考えても音がデカいバンドばかりになるやろうし、楽しみやね。

――しかしホント、これが国外も含めて展開できたら素晴らしいですよね。

山下:そう、夢は尽きないですよね。

高崎:なにしろイベントのタイトルにも“∞(無限大)”マークが付いてますからね。

山下:名古屋でやって、大阪でもやって……そうやって広がっていった末に海を越えて行けたら最高ですよね。

丹下:いやー、夢が広がりますね。

高崎:日本のアーティストだけで海外をサーキットするとか、そういうことになったらすごいよね。まあ最近はみんな、それぞれ単発ではいろんなところに行ってるやろうけど、そういうのは過去になかっただろうし、実現できたら画期的なことだと思うしね。

山下:しかも心強いよね、自分たちだけじゃないというのは。我々だけでアメリカとかに行く時とは違って、みんなにも同じ苦労をしてもらわんと(爆笑)。

丹下:体験しないとわからないことってありますもんね。自分たちも海外で単発ではやってきたんですけど、そこに手配されてるはずの機材が届いてなかったりとか、そういうことが全然普通にあったし。レコーディングなのにドラムセットが揃ってないとか、そんなのいくらでもあることなんで。だから結構いろんなところで鍛えられますよね。

山下:そうやね。基本、海外ツアーは珍道中になるよね。珍道中じゃなかったことがまずない(笑)。常に“えっ?”っていうようなことばかりやん。インドネシアでやった時、ツーバスのヘッドにKISSって描いてあって。しかもそれぞれが違うメーカーやったりもして(笑)。

高崎:ツーバスは揃わんことが多いね、しかもデカいのは。

山下:ヨーロッパ・ツアーに行った時は、前座の楽器で演奏しないとならなくなったこともあったし。僕らもやっぱ、必要最小限のものだけで行くんで。

高崎:3~4年前、シンガポールに行った時、照明のオペレーターが誰もいなくて。俺らが連れていかなかったというのもあるけど、現地の会場にいないんですよ。だから、もう始まるぞという時間になっても蛍光灯が付いたままの明るさで(笑)。SEが流れても、いつまで経っても暗くならない。で、「暗くならな演奏でけへんで」と言ったら、向こうのスタッフいわく「誰も照明を扱える人間がいない」と。それで、ツアーに同行してくれてたジョージ吾妻さんが慌てて照明卓のところに行ってくれたんです。ただ、いきなり素人に操れるものじゃないから、暗くしたり明るくしたりするぐらいしかできなくて(笑)。でも、その環境で演奏し続けましたよ。仕方ないですからね。

山下:そういう珍道中話なら、いっぱいありますよ。

――忘れないうちに1冊の本にまとめたいところですね。

高崎:いいですね、それ。あと、カリフォルニアとかに行くと、だいたい約束の時間から2~3時間遅れるのは当たり前なんですよね。1日にひとつ以上のことしようとしてスケジュール組んでも、無理なんですよ。1日に何かひとつできたら上出来だと思わないと。アメリカに行ってると、そういう考えになりますよね。日本人みたいな時間の組み方はしないから。

阿部:あと、海外はやっぱ……食いもんがね。気になりますよね。

高崎:楽しみにしてるんじゃなしに?

阿部:困る部分と、楽しみな部分と。スーパーマーケットとかに行くとテンション上がるんですよ。肉、肉、肉、みたいな(笑)。あれはいいですよね!

高崎:確かにステーキ肉とかは日本より全然安くて、いい感じだよね。

阿部:レコーディングで向こうに行くと、晩飯は俺が作るんですよね。肉焼いたりとか。今日は何にしようかな、みたいな(笑)。

――ということは、5月2日のケータリングは阿部食堂で決まりですね!

丹下+阿部:はははは!

高崎:俺らも確か、『HURRICANE EYES』の頃、どっか田舎のほうで合宿してた時、よう肉焼いて食ってたよな?

山下:ミックス・ダウンの時やな。一軒家にみんなで住んで。ニューヨーク郊外の……ベアーズヴィルだったかな。

高崎:そうそうそう。肉を焼くときは、もう油とか一切ひかないで、フライパンが真っ赤になるぐらいまで火力でガーッと熱くして、一瞬で焼いてしまうねん。そういうのをアメリカ人から教えてもらって。でもやっぱステーキソースは日本人やったら醤油が合うから、ガーリック醤油で味付けしてね。

阿部:いいっすねー。焼きますか、新木場でも(笑)。

――なんだか楽屋裏も楽しみになってきました(笑)。しかし今回は、両バンドのファンはもちろんですけど、普段あまりメタル系のフェスとかライヴに足を運ぶことのなかった人たちにも観に来て欲しいところですよね。半分怖いもの見たさでもいいから。

山下:それはありますよね。

阿部:美味しい肉もあるかもしれないし(笑)。

丹下:やっぱイベントですから、気楽に来ていただいて、その雰囲気を楽しんでもらいたいですね。で、その雰囲気が気に入ってもらえたら、それぞれのバンドを今後チェックするようにしてもらって、またそこから広がっていけばいいと思うし。だから今回は、一個の切っ掛けになればそれでいいと思うんです。とにかく来て、聴いてもらえれば。

山下:せっかくこうして一緒にやるんやし、観たことがない人たちにも体感しに来て欲しいですね。ホンモノのヘヴィ・メタルというか、ホンモノのゴツい音っていうのを。やっぱり『LOUD PARK』でOUTRAGEを観た時もサスガやなと思ったんですよ。音がデカいだけじゃなしに、キレが素晴らしいんですよ。だから聴いてて気持ちいい。もちろん僕らもそういう意味ではバッチリのもんを聴かせるんで、是非それを感じに来て欲しいですね。

高崎:やっぱりこのフェスを切っ掛けに、日本におけるハードな音楽のシーンがもっともっと盛り上がっていって、メタルが日本のなかでももっとポピュラーになっていけばいいな、と。そういったことの切っ掛けになるようなフェスに育てていきたいと思いますね。

阿部:……というわけで、まずはギター練習しておきます(笑)。

――当日を楽しみにしています。JUDAS PRIESTの来日時、高崎さんはツイッターで「グレン・ティプトンの目が黒いうちは、ヘヴィ・メタルは安泰」みたいなことを書いていましたけど、とにかくLOUDNESSにもOUTRAGEにも、まだまだ後続たちを引っ張っていってもらわないと

高崎:ふふふふ。あの人は確か、俺よりも14歳ぐらい上なんですね。その彼が今でもああやって現役バリバリやってるわけじゃないですか。JUDAS PRIESTを引っ張って。ロブもね、一時期よりもすごい声になってたし。身体も鍛えてるらしいんですよ。首とかも前より太くなってたでしょ? 今回のシャウトとか、すごかったですからね。「Painkiller」とか、音源以上のハイトーンだった。だから「これは一回観ただけじゃ勿体ないな」と思って大阪だけじゃなしに名古屋にも観に行ってしまったんだけど(笑)。それはともかく、あの世代があんなに頑張ってる以上は、僕らももっとやっていかないとね!

文・撮影:増田勇一

LOUD∞OUT FEST 2015

5月2日(土)東京・新木場STUDIO COAST
出演:LOUDNESS、OUTRAGE、sads(special guest)、HER NAME IN BLOOD (opening act)
開場16:00/開演16:45
INFO:クリエイティブマン 03-3499-6669
http://www.creativeman.co.jp/artist/2015/05loudoutfest/

◆LOUDNESSオフィシャルサイト
◆OUTRAGEオフィシャルサイト
◆sadsオフィシャルサイト
◆HER NAME IN BLOODオフィシャルサイト