【インタビュー】華原朋美、「はじまりのうたが聴こえる」は「「I’m proud」のように大切に歌っていきたい」

◆不安で仕方ないというのが正直なところ
でも、だからこそ、負けたくない

――今回の「はじまりのうたが聴こえる」を聴いて改めて思ったのですが、華原さん、そして華原さんの歌からは真っ直ぐさや、一生懸命さ、そして強さが伝わってくるんです。たくさんつらいことがあったけど、こうやって乗り越えて今輝いている。華原さんは自身の強みみたいなところを感じたりしますか？

華原：うーん、正直言って私は全然強くないです。やっぱりギリギリのところで生きているところがありますよ。また歌いたいという気持ちが強くて、芸能界に復帰させてもらって……もう失敗はできないということに追われていたりとか……まだまだ不安で不安で仕方ないというのが正直なところです。でも、だからこそ、負けたくない。その意思は強いので、そこが伝わっているのかなぁ。もったいない人生だったかもしれない、もっと利口に生きていたらスムーズにいろんなことができていたのかなとか思いますけど、だからこそ、自分のことをじっくり考えることができ、今回もこの歌詞を書くことができたと思います。

――なるほど、ありがとうございます。そして、カップリングの「Dear Freiend」は、歌詞の内容が「はじまりのうたが聴こえる」とリンクする部分もありますよね。

華原：そうですね、この曲は特にファンの人たちとか家族に向けて歌いたいですね。全国ツアーが始めるので、ツアーのステージでお客さんと一体になれる曲というのが今まであるようでなかったので、直接伝えていきたいです。

◆一生懸命書いてくださった曲なので。
「I’m proud」のように大切に歌っていきたいです

――ツアーではもちろん「はじまりのうたが聴こえる」も聴けますよね。笑顔で！

華原：はい、必ず。この間、小室さんにお会いしたときに“「はじまりのうたが聴こえる」をライブのどのタイミングで歌うかだよね”って言われたので、「2回歌うのもいいですかね」って答えたんですよ。そしたら笑ってらしゃったので、2回歌うのもいいなって。

――それぐらい大切な曲になったのですね。

華原：そうですね、一生懸命書いてくださった曲なので。これから「I’m proud」のように大切に歌っていきたいです。

――そして、デビュー20周年イヤーの大きなトピックスとして、ベストアルバム『ALL TIME SINGLES BEST』と『ALL TIME SELECTION BEST』が同時リリースされますね。

華原：『ALL TIME SINGLES BEST』については、実は昔の自分の歌声を聴いて、すこし恥ずかしいと感じる部分もあるのですが（笑）、でも、ファンの方たちはその歌声を聞いてその時を過ごしているので、わざわざ今の自分を入れる必要はないかなと。



――『ALL TIME SELECTION BEST』はファン投票で収録曲が決定しましたが、この結果を見ていかがでしたか？

華原：実は少し意外なところもあったんですね。私が“ファンの人が聴きたいんだろうな“って思ってた曲がなかったりとか（笑）。でも“これが聴きたかったんだ“っていう新しい発見もあったので、とても面白い結果でしたね。ただ、やっぱり昔の自分の声が気になるので、自分自身、最初から最後までちゃんと聴けるかなっていうのは少し不安なところではあるんですが（笑）。

◆私自身、悔いのない20周年にしたいと思っている

――先にお話しに出ましたが、2014年に続く全国ツアーも楽しみですね。

華原：今回のシングルの他にも新曲があるので、それを歌っていこうと思っているのですが、20周年イヤーの記念のツアーなので、これまで小室さんに書いていただいた楽曲をメインに歌っていきたいです。私自身、悔いのない20周年にしたいと思っていて、今回ははりきってツアーグッズのデザインとかもやらせていただいているんですよ。

――昨年のツアーを踏まえて活かしていきたいところはありますか？

華原：あみちゃんとのいちゃん（愛犬）のコーナーは今回も入れてもいいかなと思っています。この間、あみちゃんに「やってもいい？」って言ったら「いいよ！」って言っていたし（笑）。

――今回もダンスは見られるのでしょうか？

華原：……ダンスは前回不評だったので、それを一切やらないために他のことを満載にしようと頑張っています（笑）。今回は全体的に明るい感じにやっていきたいんですよ。そしてコンサートでしか見せられない華原朋美をいっぱい見せたいです。あと、私は今年41歳なんですが、それでも可愛らしさを感じてもらえるステージにしたいなと思っているんです。女性っていくつになっても可愛いものが好きじゃないですか。私も可愛らしさを出すのはステージでしかできないと思うので（笑）。

――ファンの方も楽しみにしていると思うのですが、デビューから20年、これまで支えてくれたファンについてはどのような思いがありますか？

華原：ここまでいろんなことがあっても、いつも気にしてくれていたことに感謝しています。また、ファンの方の中には、つらく苦しい思いをされて私の歌に共感してくださる方もすごく多いんです。だから、今回改めて、“旅立ちもあって、はじまりもあるんだね“ということをお互いに共有していきたいです。ただ、応援してもらっていると思うのではなく、これからもそういう関係を築いていきたいですね。

インタビュー＆文◎寺地理沙





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