【インタビュー】Robert de Boron「輝いている人間というのはみんな熱い」

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── ギターを使った曲だと「Impossible feat. Nino Augustine」は前作収録の「Hapani Girl」や3rd収録の「Shine a Light Pt.4 (Proud To Be) feat. AWA and Maitreya」と同じ路線ですね。新しいRobert de Boronのスタンダードというか。

Boron:まさにそうですね。これはウクレレとアコギが入っていてレゲエっぽいエレキのカッティングが3本くらい入ってるかな。すごく楽器が多くてピアノも4本くらい弾いてるし。ピアノは右と左で違うんですよ、まったく同じように聴こえるけど。

── 楽器はほぼ全部Boronさんが演奏しているんですか?

Boron:全部自分です。ストリングスだけGEMINIのAsuka Mochizukiが弾いています。

── ドラムは今回も生音のサンプリングですか?

Boron:そうですね。その辺は変わらないんだけど、「BFD」っていう「生なの?ソフトなの?」っていうくらい区別がつかないようなドラムソフトの一番新しい「BFD3」をうっすらサンプリングの中に沈めてあって。たぶん、それがちょっとオーガニックなんだけど今寄りっぽく聴こえるようになってると思う。全体的にサンプリングだけでやっちゃうと、やっぱりネタが多いから、古臭く感じてしまうというかね。今回はちょうど良い感じに古さと現代が融合できたのかなと思います。

── 今回は初参加のボーカリストもいますね。Kharismaは『IN YA MELLOW TONE』シリーズには参加していますが、Boronさんとやるのは初めてなんですか?

Boron:初めてです。「Be Okay」は制作の2週間くらい前に曲はほぼ上がってて、1曲誰に歌わせるかでずっと迷っていて。それでひょんな用事で会社(KADOKAWA)に行ったらKharismaがいて、通訳を介して話していて。まあちょっとした出会いだなと思ったんで、Kharismaとやってみることにしたんです。でもね、5日間くらいでオケにラップとサビ部分を乗せて返してくれて、もうすでにこのクオリティだったんで。これはいくな、と。

── Kharismaはものすごくエネルギッシュなラップで、やる気が漲ってる感じがすごいですね。

Boron:そうそう。でも思うけど、熱さは大切ですよ!最近薄いからねどこ行っても。音楽熱もなんか、もうやれてりゃいいやみたいな奴多いですよね。グッダグダというか。まあ俺もそうなのかないつかは、とは思うけど(笑)まだまだね。でもKharismaはあったかもしれないですね“やらなきゃ!”みたいな気持ちが。だからすごく良い曲で好きですよ。この曲はKharismaとJon Wonderに任せようという流れになって、2人にオケを投げた感じですね。聴くとわかるんですけど、Jon WonderはREC環境の部屋の鳴りがすごいするんですよね。Kharismaとは対照的なリヴァーブ感があって、「あ、ここでボーカル代わってるな」っていうのがバチっとわかるという意味では良かったのかなと。

── 他には新しく参加した方はいますか?

Boron:「Impossible」のNino Augustineは初参加ですね。あと歌ってる女の子も名前が出てないですけど初参加です。Ninoが見つけてきたみたいですけど。今回色々とボーカルは苦労もしました。ただMatt Levyに関しては初参加なんですけどまったく苦労はなかったですね。ダブの録り方とかコーラスの重ね方とか、歌の掛け合いとかも、ちゃんと考えて作ってるというか、ちゃんと音楽やってんなという感じで良かったですね。

── Matt Levyが参加している「Fade Away」の鍵盤は何を使っているんですか?メロトロン?

Boron:ああ、メロトロン使ってますね。

── 9曲目から最後までの流れが良いですね。

Boron:緩やかでそんなにアレンジしてない感じですよね。そういうのが良いんだろうなというのを最近すごく思うんです。ガチャガチャアレンジしてむずかしいことをやるよりも本当にメロディを聴かせちゃう方が。下手なアレンジっていうのは時間が経つと古く感じちゃったりするから。でも、コードだけで完璧なストロークとかアルペジオが1本でもあればガチっとハマってたりすれば、40年とか経っても古く感じないと思ったりしますね。スペシャルな古い音楽はたくさん存在するけど、古臭く感じるのはそこにあると思う。でも単純なアレンジで美しいメロディを口ずさんでるものって古く感じないじゃないですか?それはそこにあるんだと思いますね。
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